5.父、妻に相談する
なんとか昨日に続き投稿できました。
私は妻のペルシアに今日のことを相談することにした。妻に相談することにしたのは、二人の娘であるアルシャのこれからのことなので、家族としてきちんと話し合う必要があると思ったからである。
妻のペルシアは、もうそろそろ40歳になるというのにとても若々しく、この年になってもすらっとした姿を保てている素晴らしい女性だ。顔も整っており、とても美しいの。妻とアルシャはそっくりで将来が楽しみである。ただ娘の私譲りの銀髪とは違い、ペルシアはきれいなブロンドの髪を肩より少し長めに伸ばしている。
ペルシアはもともと隣国のセストリア王国の侯爵家の令嬢で私とは政略結婚である。私の父であるガスト・ハルべニア前公爵が外務大臣をやっていたことが関係するだろう。政略結婚ではあるが、夫婦間の関係はとても良好でアルシャ以外にも二人の息子がいる。
二人ともアルシャの兄にあたり、長男は剣の才能があったようで、国の最精鋭部隊と言われている金獅子隊の副隊長を務めている。次男はまだ学生で今は王立の学園で生徒会長をやっている。
この二人のどちらかには将来このハルべニア公爵家を継いでもらいたい。だから貴族の中の貴族である、ハルべニア公爵家の一員としての貴族の誇りを持ってもらうためにも厳しく教育した。その点、娘のアルシャは私の初めての娘ということもあり、本当にかわいくてかわいくてしょうがないので一切厳しくできなかった。
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「あなた、失礼するわよ」
ノックの音とともにドアが開いた。書斎で仕事をしている私のところに妻のペルシアが訪ねてきた。あらかじめ、夕食のときにあとで相談があるから部屋に来てくれと言っていたからだ。
「来てくれたか、そこのソファーに座ってくれ。それと、ハロルドお茶を頼む、それに人払いも」
部屋で私の補佐をしてくれていた執事長のハロルドは優雅な手つきで二人分のお茶を用意し,ソファーの前の机に置いた、そして、私とペルシアに一礼した後部屋を出て行った。私は妻とは反対側のソファーに座った。
「早速だが、相談がある。アルシャのことなんだが......」
私は妻に占い師と会ったことなど今日あったことを話した。もちろん、アルシャが未来で大変な目にあうことは言わなかった。話を聞いている間、ペルシアはようやくわかってくれたかと、とてもうれしそうに私の話を聞いてくれていた。
だが、話が終わったら、今まで鬱憤がたまっていたのか、まくしたてるようにペルシアは話し出した。
「あなた、ようやくわかってくれましたか!私は、たびたび言っていたではありませんか、アルシャの欲しいものを何でも買ってあげることはアルシャのためにならないと。そもそもあなたはアルシャに甘すぎるのです。」
「そうだったな…すまなかった。」
そういわれてみたら、いつもアルシャに何か買ってあげた時などにペルシアに小言を言われていたような気もする。毎回、娘の喜んでいる姿に夢中で聞き流してしまっていたことを後悔した。私は素直に謝った。どうやら、妻はすでに危機感を持っていたようで、私だけが気づいていなかったようだ。
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