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そう遠くない未来。  作者: 薄桜
葵×聡太
3/26

憂鬱な課題

「葵×聡太」の3話目です。

ではどうぞ。


「じゃ、今日の放課後も面談があるので、該当者は勝手に帰ったり、遅れたりしないでくれよ。わざとやってくれたやつは・・・報復を覚悟しとけ。」

憂鬱な日が来てしまった。

朝のHRの時に、担任の岡崎先生が口にした内容に、私は気分がブルーになった。


美晴の写真には驚いたけど・・・本当は嫌じゃないし・・・。

見られてたのは恥ずかしい、けど二人一緒の写真ってのは、ちょっと嬉しい。

カメラを意識してない分、自然な姿で・・・

しかも、あの時は恥ずかしくてたまらなくて、まったく見る事のできなかった聡太が写真の中にいる。

それは、私が見逃した大事な瞬間だ。

だから、今まで結構ウキウキした気分だったのに・・・。


私は未だ、進路なんか何も決まってなくて、何を書いていいのか本当に困り果てて、

『まだ決まってません』って正直に書いてみた。

それで、どう考えたらいいのかとか、とりあえずそういう事を先生に相談してみればいいのかな?

・・・って事にして、そのまま出してしまった。



面談のために、滅多に行く事の無い社会科準備室に行くと、岡崎先生は応接セットのソファに座っていた。

脇にはたくさんの紙が入ったファイルが置かれていて、先生はその中から、見覚えのあるA4の紙を1枚取り出してテーブルに置いた。

正面に座ると、それはやっぱり私の進路希望調査書で、相変わらず意味の無い一行の言葉が書かれていた。

目の前に対峙する岡崎先生は足を組んでいて、どことなく態度が悪い。

「安田・・・前みたいに白紙よりはましだが、『まだ決まってません』ってのは、白紙と何も変わらないぞ?」

と、溜息に続く言葉に、私は出だしから完全に出鼻を挫かれてしまった。

・・・やっぱり駄目だ。私はこの先生が苦手だ。

3年間ずっと変わらなかった担任の、やる気にかける部分や、だらしない部分がいちいち鼻に付いてしまう。

正確な年は知らないけど30前後の先生は、眺めていた紙を私の方に寄せ、足を下ろしたものの、今度は背もたれに踏ん反り返って腕を組んだ。

「お前の成績なら・・・とりあえず大学行って、その間に先の事を考えるのが妥当だろうな。」

「・・・とりあえずって、そんなものなんですか?」

先生が口にした『とりあえず』という言葉に、私は軽いショックと抵抗感を感じて眉間に力が入った。

ずっと考えても答えが出ず、悩んで悩んで悩み抜いた結果がこれだというのに・・・。

この先生はフランクで、生徒寄りの意見の持ち主だって言われてて、結構生徒から人気があるけど・・・実際の所は適当だと思う。

今日の個人面談も、そういう面がしっかりと出ている気がして、私は気に入らない。

「そんなものって、今なりたいものとかやりたい事が特に無いなら、そうするしかないだろう?」

「確かに、この先どうしたいかってのは決まってませんけど・・・。」

小さい時から、特にこれというものが無かったんだから仕方ないじゃない。

「専門学校はやりたい事に合わせて選ぶものだし、就職って選択肢はもちろん無いだろう? 先の事を考える時間が稼げて、且つ、給料は大卒の方が優遇されるってもんだ。とりあえず、得意な教科や好きな分野の勉強ができる大学選ぶんだな。進路指導室に大学の資料あるから、色々目を通して良さそうなのがあったら教えてくれ。こういうのは早めに決めといた方がいいぞ。」


理路整然と見事に並べ立てられた事実に、私は返す言葉も無く・・・。

こうして面談は、あっという間に終わってしまった。

学校の先生なんだから、もっと相談に乗ってくれると思ってた。

けど、やっぱりこの先生は違う。

先生は私の事なんかどうでもいいんだなって、益々嫌いになった。



進路指導室には天井までの高い本棚が複数あって、それぞれにたくさんのファイルが並んでいる。

ファイルは大体4種類の色分けがされていて、四年制大学が水色、短大がピンク、専門学校がグリーンで、黄色が就職関連となっている。


いくら気に入らなくても、先生の言った事は間違っていない。

でも・・・だからこそ、そこがまた気に入らない。

とは言えこれは自分の問題で、きちんと自分で考えなければいけない事で・・・だからこうして先生のアドバイスに従って進路指導室にやって来た。

とりあえず、水色のファイルを一冊引っ張り出して開いてみると、ここから遥かに遠い、他県にある大学のものだった。

さすがにこんなに遠いと家を出て寮か一人暮らし・・・よね。

それだけ考えてファイルを閉じ、元の場所に戻した。

学部も特色も、募集要項も何も見ていない。

・・・遠くには行きたくないな。

自分の将来の事なんかより、聡太と一緒にいたい。

頭の中に浮かんだのは家族ではなく、聡太の顔で。

今、それだけを考えている自分は、弱い人間なのかな?

って・・・私は少し不安を覚えた。


この(更新)時間、私は息子と下の娘も連れて、

幼稚園の親子遠足で、植物公園へ向かうバスの中だと思われます(^^;

天気予報では、暑くなるらしいです。

・・・日に焼けると痛い。

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