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【完結】 解析スキル「アナライズ」でチートだけど、私は鑑定士なので受付嬢と冒険者はお断りです!~呪いの兎型アーティファクトを添えて~  作者: 夢咲みやと
新しさの発見

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131 そして

ラストです。

 火竜を倒した事で魔法を節約する必要が無くなったせいか、セイカさんが傷を完璧に回復してくれる。そのおかげで、ようやく立つ事が出来た。


「本当に、無理しますね……」


 そう言って他の怪我が無いか、あちこちを確認して、それ以上無い事が分かると、やっと解放してくれた。


「セルフィさん!」


 イクリスさんが、火竜の方から走って来る。


「どうして、あんな無茶を……」


「セイカさんにも怒られたんですけど、火竜に目を付けられて生き残られるとは思えませんでしたから、出来る事をするしかなかっただけですよ」


 イクリスさんが、もう治療されて傷が無くなった場所を心配そうに擦る。治療してもらったので、以前よりお肌の調子が良いくらいなのだが。


「大丈夫です」


「”放浪”には、セルフィさんを任せられないよ。目の届くところに居てくれないと、俺が心配になる」


 私のやり方は、イクリスさんにとって、毎度ショックなようだ。

 しかし、そもそも指輪以外の装備が呪われた物なのだから、基本ペナルティが有る。


 ベルジュは一見ペナルティが無さそうに見えるが、40m離れると、どちらがどちらかに引き寄せられてしまうので、どうなるか分からない。敵の眼前に放り出されるような事態になるかも知れないし、ガードの大きさを超えた敵からの攻撃の角度によっては負傷するかも知れない。


”支配の王笏”に関しては言わずもがな。


 ダンジョン産の指輪だけは、頼りになる装備だ。魔力が無くなったら流石にどうしようもなくなるけど、攻撃の補助くらいにはなっている。


「あ」


 そこで私は、ゲホリと血を吐いた。


「セイカ、治ったんじゃなかったのか!?」


 私を抱き留めながら、イクリスさんが焦った声を出す。


「魔力を使い過ぎて、体内の魔力回路が損傷していましたが治ってますよ。今のは喉の奥に溜まっていたのが出ただけです。失った血までは戻らないので、気を付けてください」


 服が大量の血で前半分がケチャップでも被ったように赤くなった。

 ああ、私の外勤用の一張羅が。


 ……今までの褒賞を貯金していたので、何着でも買えるが、気に入ってたのにな。


 そんな事を考えてると、急激に瞼が重くなってくる。

 これ、前にも有ったやつだ。

 貧血から来る眩暈がして、そしてーーーーーーーーーー。



 目の前が真っ暗になった。







 目が覚めたと思ったら、その後、一週間はギルドからも”氷雪”の皆からもベッドから出るのを禁じられて、読書くらいしかする事が出来なかった。食事を買いに行く事も台所に立つ事も禁止されていたのだが、そちらはアリスさんと、サーリャさんが何とかしてくれたので非常に助かった。許してもらったのは、辛うじてシャワーくらいだ。これでシャワーも禁止されたら、流石に泣いちゃうよ。


 イクリスさんとガイアスさんとセイカさんは、一回来てくれたのだが、迷惑になるからとお菓子だけ置いて風のように帰ってしまった。これ、1人で全部食べたら太るやつだ。……アリスさんとサーリャさんにも食べてもらわなければカロリーが恐ろしい。


 ただでさえ、一週間運動出来ないのに。いつの間にか習慣となっていた、出勤30分前のジョギングが出来なくなってしまうのが痛いところだ。


 ベルジュは退屈してるのかと思いきや、イクリスさんに工具と木材を強請って、自分でドールハウスを作っている。君はどこに行くと言うのだろう。しかも、やすりを丁寧にかけていて、匠の仕事をしている。私の部屋にドールハウスが二つになる事は確定しているようだ。そして、いつの間に頼みごとを出来る仲になったのかは謎である。



 最終日、私がベッドの中で本を読みながらも退屈していると、アリスさんがケーキを持って会いに来てくれた。


「セルフィ、明日はギルド来るんだよね?」


「はい、もう起き上がれるので、明日行きます」


「そ。分かった」


 短いやり取りだけで、アリスさんは帰ってしまう。

 あ、ガイアスさんのお菓子持って行ってもらうの忘れてた……。



 かくして一週間の軟禁期間を送った後に、私はようやくギルドへ行く事を許されたのである。






「やぁーっぱり、こうなったか」


 アリスさんは、目の前で書類をスラスラと処理していく。


「泣かされたら、帰ってきなよ?」


 アリスさんは、依頼ボードの前の”氷雪”を横目でにらむ。


「”セルフィ・ミストレスさん、冒険者登録を完了いたしました。どうぞお気を付けて”」


 彼女は営業用スマイルを見せつつも、”心配”の文字を背後から立ち昇(たちのぼ)らせてる。


「大丈夫ですよ、頑張りますね」


 私は”氷雪”の方へ、小走りで寄って行った。


「「「「ようこそ”氷雪の鷹”へ」」」」


 皆が優しく迎えてくれる。


「みなさん、宜しくお願いします」


 私は、はにかみながら差し出してくるイクリスさんの手を、ぎゅっと握る。ギルドや国に指名ばかりされるのなら、身近にいた方が良いと言うのが”氷雪”の総意であるらしい。


「何より、俺が一緒に居たいしね」


 そう言われた時には、私はハートを撃ち抜かれて胸が痛くて姿勢を崩したものだ。





 これから、”氷雪”として、色々な冒険に行くだろう。

 もちろん、危険も大いにある。

 それでも、私とイクリスさんは近くに居る事を選んだ。





 これは、平穏を望みながらも、冒険と愛情を求めた女の子のお話。



 了


 ↓下にお疲れ様絵が有ります。一生懸命描いたので見ていただきたい。

 しかし、塗ってる時より色が濃くなって……おのれjpgめ。


 如何でしたでしょうか。

 初めて小説というものを世に放って、一作目にしては予想以上の人々に見ていただき恐縮です。

 最期まで見守って下さった方々には感謝の念を堪えません。                            



 次の作品は、短編「ここは神ノ樹通り裏路地12番街骨董店」の2作目(バッドエンド物)

 https://ncode.syosetu.com/n3257mm/を投稿しました。


 8/17の月曜日から「天界から降りて来た俺、冒険者になって世界を満喫します!」という天界の社畜が冒険者になる男主人公物を考えてます。こちらは連載物です。

 もう少し早くするつもりだったんですが、世間はお盆でしたね。ただいま書き留めております。


 後々この後書きのページでアドレスを書き足すか、作者自体をフォローしていると通知が飛ぶ?らしい??ですね。(良く分かっていない)


 また、誤字脱字編集の方々、有難うございました!毎回、泣きながらぽちぽち押しておりました。

 報告するのも大変でしょうに……ありがたや。

 

 それでは、また何かの作品でお会いしましょう!

挿絵(By みてみん)

セーブし直したら彩度高すぎたが俺はこれでいくぜ

 

 最期に、4月末日から今日まで、毎日欠かさずに投稿できた自分エライ。(自画自賛)

 

 次作でもお会いできると嬉しいです。 

 夢咲みやとでした!


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