第一章
人間の国「セレナ」では、15歳の誕生日に魔法の属性調べが行われる。
魔法は、この国では魔族の国「イアレーナ」に対抗する唯一の手段だと言われている。
魔族は人を食って生きる。それに対抗するため、属性調べは義務とされているのだ。
「はあーあ。なんで今日が15歳の誕生日なんだろ。」
と部屋に響いたこの声の持ち主は、私、リンナ・カジューラテ15歳。
今は属性を調べるため、大聖堂の待合室にいる。今から水晶に触れて、属性を調べ、魔法学校のクラス分けをする。「ちょっとリンナ、声が大きすぎるわよ。今から大切な儀式なんだから、シャキッとしなさい。」
「ママの言った通りだよ、リンナ。今から人生が決まるんだから。」
この人たちは、わたしのママ、レカ・カジュ―ラテと、パパの、カイル・カジューラテ。二人は私にあいじょうをもって、育ててくれた。そして、私の尊敬する魔法使いの二人だ。
「魔法を使って、大勢の人を助けた二人はすごいけどさあ、私は魔法の属性調べの後に二人と離れるのがいやなんだよお。」
そう、魔法の属性には十種類あり、基本属性(火・水・草)の基本の三つ以外の応用属性だった場合、その日に魔法学校の寮へと入らなければいけないのだ。
そんなこと言ったってリンナ、義務なのよ。それにママもパパもそうだったし、学校に通う2年間、ずっと会えないわけじゃないのよ。」「まあそうだけど~。」
なんて話をしていると、「リンナ・カジューラテ様。属性調べの順番がやってきました。広場までご案内させていただきます。」
順番がやってきたようだ。私は仕方なく広場へ向かうと、そこには太陽の光を反射してキラキラと輝いている水晶が鎮座していた。
「今から水晶に触れてもらい、ご自身の名前をよんでいただきます。すると、水晶が属性をイメージした色に光るので、それで本日は終了となります。」
と説明され、私はしぶしぶ水晶の前に行き、水晶に触れ、自分の名前をよんだ。
「リンナ・カジューラテ‼」
すると、あたりが暗くなり、水晶は黒色に光っていた。
「ついに出たか…」「リンナ…」
ママ、パパ、そして説明の人の困惑した声が聞こえる。
「何…そんなに悪いの…?」「違うんだリンナ、リンナは選ばれたんだ。このレナという世界に一人しかいない、黒属性に。」
パパの落ち着いた声があたりに響いた。すると次の瞬間、「リンナ・カジューラテ様。黒属性ということなので王宮へお越しください。荷物をまとめて、ご両親にお別れを告げたら出発です。」といわれ、私は頭が混乱したまま、にもつをまとめた。そして二人に、「ママもパパも同じ道を進んだんだよね。二人と離れるのはめっちゃ嫌~だけど、行ってくるわ。」と別れを告げ、」王宮へと向かった。
このときから、のちに英雄伝として語り継がれる冒険が始まっているとも知らずに。




