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僕の幼なじみは今夜も知らない誰かに抱かれる(R15版)  作者: 碗古田わん


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二十九、欲求不満

挿絵(By みてみん)

 二月に入り、三年生はいよいよ受験シーズン本番になった。

 そして、一、二年生にとっては、三年生を送る会――――三送会の季節になった。

 下校時間になり、塚田(つかだ)純希(じゅんき)加藤(かとう)小春(こはる)は、いつものように一緒に帰っていた。

「ところで、三送会、純希のクラスはなにやるの?」

「合唱」

 小春の問いに、純希は簡潔に答えた。

B組(うち)と一緒だ」

 被ったと思ったのだろう。

 小春は、あちゃーという顔をした。

 だが、合唱は三送会の定番演目であるため、被るのも珍しいことではない。

「明日から、放課後は練習だって」

 純希は、珍しくウンザリそうに肩をすくめた。

 歌うのが得意ではないのだ。

B組(うち)も」

 小春もまた憂鬱そうに答えた。

 だが、小春の懸念は歌うことではない。

「これじゃあ、放課後()()()()ね?」

 小春は悪戯っぽく笑った。

 これこそが小春の懸念材料だった。

()()、終わった後じゃ、駄目?」

 純希は、真顔で聞いた。

 それもまた純希を憂鬱にさせている材料だったからだ。

「いいけど……抜け出せる?」

「大丈夫だと思う」

 既に深夜に抜け出すのはこのところ頻繁にやっている。

 平気だと純希は踏んでいた。

「じゃあ、待ってる」

 その言葉に小春はニッコリ微笑んだ。


 翌日から純希と小春は、放課後は三送会の練習に追われた。

 帰りもバラバラで、純希はそれを少し寂しく思った。

 そして、深夜。

 小春から『今、帰った』とメッセが届いた。

 自分の部屋をこっそり抜け出した純希は、ダイニングとリビングに人気がないのを確認してから、玄関へと向かった。

 玄関のロックを外して、ドアノブに手を掛ける。

 そのとき、

「純ちゃん」

 純希は背中から声を掛けられた。

 慌てて振り返るとそこには、母、塚田(つかだ)希美(のぞみ)が仁王立ちしていた。

「こんな時間にどこに行くの?」

 笑みを浮かべて、希美は聞いた。

 だが、目が笑っていない。

「ちょっと小春のところに……」

 その威圧感に、純希はつい、本当のことを口走ってしまった。

「やめなさい」

 それを希美は止めた。

 希美が、純希の行動を真っ向から否定するのは珍しかった。

 なので、純希も母の本気度を理解した。

「今から行ったら、二人とも寝不足になるでしょ?」

 まるで二人が()()()()()()()()()()()()、見透かしたように希美は言った。

「それはよくないわ」

「……わかったよ」

 こうなると純希には諦めるという選択肢しか残されていなかった。

 部屋の戻った純希は、『外出バレた』と小春にメッセを送った。

 すると、『じゃあ、今日は無理だね』と返事が返ってくる。

 『母さん、怒ってから、当分、無理かも』と純希は残念そうにメッセを送った。

 『そっか……』『なら仕方ないね』と小春は返信した。

(希美ママが、怒ったのか……)

 その事実に小春は神妙な顔をした。


 翌朝。

 いつも通り、純希と小春は下野(しもの)(かおる)を加え、さらに父、塚田(つかだ)純生(すみお)と母、希美とともに朝食を取っていた。

 だが、その風景に薫は違和感を覚えた。

 純希は小春の希美に対する態度がどこかよそよそしかったからだ。

「純ちゃん、おかわりは?」

「いらない」

「コハちゃんは?」

「もうお腹いっぱい」

 しかし、希美はそんな空気は気にならないようで、いつもように二人に対して優しく接していた。

 それでようやく純希と小春は、緊張を解いた。

「……?」

 それでまた、薫は首を傾げた。


 朝食が終わり、純希と小春、それに薫は一緒に登校した。

「朝、様子が変じゃなかった?」

 そこで薫は、思いきって聞いてみた。

「別に……」

 その問いに純希は誤魔化した。

「なんでないよ」

 同じく小春も誤魔化す。

「ふーん」

 絶対、なにかあるな、とは思ったが、薫は敢えて聞かないことにした。


 放課後になり、二年B組では合唱の練習が始まった。

 実行委員が用意した音源をスマホで流して、クラスメイトたちは歌を練習した。

「♪~」

 幼いソプラノとテノールが教室に響く。

(今日は純希とできないのか……)

 歌いながら小春は思った。

 気分が落ちた影響は歌声にも影響した。

 いつも元気な小春の声が届かず、親友の山野(やまの)美都子(みつこ)は首を傾げた。

「コハちゃん、なにかあった?」

 練習の合間に美都子は聞いた。

「ううん、なんにもないよ」

 それに小春は、笑って誤魔化した。

 本当の理由は言えなかった。

 美都子にも、純希はただの幼なじみとしか言っていないのだ。

「なら、いいけど……」

 腑に落ちない顔をしていたが、美都子はそれで引き下がった。

(こんなことぐらいで、気落ちしたら駄目だ!)

 小春は己に活を入れた。

(今までだって、一日ぐらい開くことはあったじゃん)

 そして、自分に言い聞かせる。

 小春は雑念を捨てて、歌うことに集中した。


 その日の夜。

 ()()から帰ってきた小春は、部屋着に着替えてから、『まだ起きてる?』と純希にメッセを飛ばした。

 すると、すぐに既読がつき、『起きてるよ』と返信が来る。

 『こっち来れそう?』と小春は期待を込めてメッセを送った。

 しかし、純希からは、『母さん、リビングで起きてるから無理そう』と返事が返った来る。

 小春は、ちぇっと指を鳴らす猫のキャラクターのスタンプを送る。

 既読がついて、しばらくして純希から冷や汗笑いする犬のキャラクターのスタンプが送られてきた。

「しょうがない……今日はおとなしく寝ますか」

 小春は純希に、『おやすみ』とメッセを送ってから、ベッドに入った。


 翌日の朝。

 小春はいつも通りの時間に塚田家を訪れた。

 ダイニングで純生と希美に挨拶してから、希美に純希を起こすように言われたので、純希の部屋へと入る。

 そこで小春は、純希の掛け布団をいきなり剥いだ。

 するとパジャマ姿の純希が露わになる。

 その股間は朝の生理現象で勃起していた。

(このまま入れたら、駄目かな……?)

 小春の脳裏にそんな思いがよぎる。

「ん……」

 そうしているうちに、純希が寒くて目を覚ます。

「……なにしてたの?」

 寝ぼけ眼で、純希は聞いた。

「なんでもないよ」

 それを小春は、笑って誤魔化した。

「ご飯だって、起きよ」

「うん……」

 小春の誘いに、純希はなんとなく腑に落ちない物を感じながらも頷いた。


 時間は瞬く間に過ぎ、放課後になった。

 今日も二年B組では、合唱の練習が行われていた。

 すると、隣の教室――――二年A組からも歌声が聞こえてくる。

(純希の声が聞こえる……)

 重なる声の中に、小春はハッキリと純希の声を聴き分けた。

(いつもなら、純希と()()()時間なのになぁ)

 そう思うと小春はムラムラしてきた。

(駄目! 駄目! こんなところで発情してたら!)

 小春は自分を叱咤激励した。

(今晩は、できるかな……?)

 それでも小春は期待をした。


 その日の夜。

 小春は()()中だった。

 とは言え、ベッドで二回、風呂場で一回()()、今は()である宮野(みやの)友彦(ともひこ)と一緒に湯船でまったりしていた。

「今日の小夜子ちゃん、凄かったね」

 小春を上に載せた友彦は感嘆した。

「そうでしょうか……?」

 小春は照れながらも、首を傾げた。

「この前よりも乱れてたね」

「恥ずかしいです……」

 友彦の言葉に、小春は頬を朱色に染めた。

 本当は自覚はあった。

 純希と()()()()ことへの欲求不満を友彦にぶつけたのだ。

 しかし、結果は不発に終わった。

(足りない……)

 身体は満たされても、心のは満たされない小春だった。


 翌日の金曜日。

 小春は、母のお見舞いがあるからと、練習を休んだ。

 小春の母が入院中だということは、クラスメイトは知っていた。

 『純希も一緒にどう?』と小春はメッセを送った。

 あわよくば、またトイレで()()()と思ったのだ。

 すると、すぐに既読がついて、『練習あるから無理』とつれない返事が返ってきた。

 それを見た小春は少しムッとした。

 そんな小春の心を読んだように『明日になれば、いっぱい()()()から』と追加で返信が来る。

 それで小春は一応、納得した。


 そして、土曜日。

 土日は塚田家では朝食を取らないのが慣例になっていた。

 なので、小春は昨晩の帰りに深夜営業しているスーパーに寄ってもらい食材を買い込んだ。

 今日は、純希も一緒に朝食を取るように約束したので、その分も含めて小春は朝食を作っていた。

 そうしているうちに、玄関で人の気配がする。

 純希が来たのだ。

「おはよっ、純希!」

 ダイニングに入った純希に小春は上機嫌で挨拶した。

「おはよう」

 その勢いに冷や汗笑いしながらも、純希は挨拶を返した。

(あれ?)

 そこで純希は首を傾げた。

 服の面積が小さいのか、小春の着ているエプロンから服が出ていなかったからだ。

「今、並べるから待っててね」

 そう言って小春は背中を向けた。

「ブッ!」

 それで純希は吹いた。

 小春はエプロン以外の服を纏っていなかったからだ。

「こ、小春!」

 純希は慌てた。

「なに?」

 しかし、小春は素知らぬ顔で振り向くと首を傾げる。

「それって……裸エプロン……」

「フフフ……」

 驚愕する純希に小春はニヤリと笑った。

「エロい? ムラムラする?」

 そして、エプロンの裾を持つと煽る。

「う、うん……」

 それに純希は、ぎこちなく頷く。

「食べたら……ね?」

 そんな純希の反応(リアクション)に、小春は意味深に微笑んだ。

「う、うん……」

 またしても、純希はぎこちなく頷くことしかできなかった。

 小春の作った朝食は、ウナギとニンニク焼きだった。

「朝から豪勢だね」

 そのメニューに、純希は冷や汗笑いした。

「純希には精力つけてもらわないとね」

 それに小春は、ニコニコと答えた。

(搾り取る気、満々だな)

 純希は心の中で、またもや冷や汗笑いした。

 朝食を済ませて、小春は洗い物を始めた。

 リビングのソファーに座りながら、純希は丸見えになった小春のプリッとした臀部を気にした。

 プルプルと揺れる臀部に、純希は我慢できなくなった。

 ソファーを立った純希は、小春のところに向かった。


 ♢♦♢♦♢♦


「はぁ……はぁ……はぁ……」

 ()()が終わって、ダイニングに荒い息が響く。

「純希ぃ……」

 小春は蕩け顔で甘えた声を出した。

「まだ、足りない?」

 息を整えながら、純希は聞いた。

 それに小春は、コクッと頷く。

「ベッド行く?」

 純希の問いに、小春は首を横に振った。

「リビングがいい……」

 段々ハッキリしてきた頭で、小春は答えた。

「じゃあ、行こう」

 純希が手を差し伸べると、小春はまたコクッと頷いてシンクを下りた。

「純希も脱ごっ?」

 リビングで小春は、エプロンを外しながら言った。

「うん」

 頷いた純希は、スエットの上と長袖のTシャツを脱ぎ捨てる。

「純希は……少し(ちぢ)んじゃったね」

 小春は、純希の股間を見た。

「大きくしてくれる?」

「うん」

 純希の()()()に、小春は笑顔で頷いた。

 そして、純希をソファーに座らせると、その前にかがみ込んだ。


 ♢♦♢♦♢♦


 ソファーの上で純希と小春はぐったりとした。

「はぁ……はぁ……気持ち良かった…………」

 小春は満足そうに呟いた。

「はぁ……はぁ……はぁ……なら、よかった」

 そんな小春を、純希は優しげな目で見た。

「でも、まだ終わりじゃないよ」

 小春は瞳に炎を燃やした。

「来週もできないから、今日のうちに()()()()()おくんだから」

 そして、力説する。

「……ほどほどにね」

 純希は、冷や汗笑いした。


 その言葉通り、汗を流そうと入った浴室で、


 ♢♦♢♦♢♦


 映画を見ようと、座ったソファーの上で、


 ♢♦♢♦♢♦


 昼飯の準備をしている小春の背中に立って、


 ♢♦♢♦♢♦


「今日、()()()()が多くない?」

 と小春が言うので、


 ♢♦♢♦♢♦


 毎週末の日課(ルーチン)である小春の勉強を純希が見ているときも、


 ♢♦♢♦♢♦


 もちろん、服を着ている時間などない。

 二人は一日中、全裸で過ごした。


「いやー、()()()()

 夕方になり、ようやく落ち着いた小春は、純希とソファーで手を繋ぎながら座っていた。

「満足した?」

「もう大満足だよ!」

 純希の問いに、小春は大喜びした。

 身体も心も満たされて、小春はご満悦だった。

 そんな小春を、純希は笑顔で見る。

 本当は、既に体力的にキツかったのだが、朝食と昼食――――スッポン鍋だった――――のおかげでなんとか持ちこたえられた。

「なら、よかった」

 満足そうな小春に、純希は使命を果たしたあとみたいにホッとした。

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