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僕の幼なじみは今夜も知らない誰かに抱かれる(R15版)  作者: 碗古田わん


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二十六、ファーストキス

挿絵(By みてみん)

 メルセデスAMG・GT63SEパフォーマンス4ドアクーペに乗り込んだ塚田(つかだ)純希(じゅんき)加藤(かとう)小春(こはる)下野(しもの)(かおる)、それに(つるぎ)銀治郎(ぎんじろう)(かぶと)(はがね)は、新横浜までやって来た。

 ()()()の入るビル前でGTを停めた銀治郎は、他の四人を下ろすと、一人、東京へと向かった。

 そのまま四人は、エレベーターに乗って()()()ある階まで上がった。

「ここが、()()()っす」

 ドアを開けた鋼は主に薫に向けて言った。

 小春は()()()だし、純希も何度も遊びに来ていたからだ。

「お邪魔します……」

 薫は遠慮がちに中に入った。

 純希と小春が続く。

「あら?」

 それに気付いた草津(くさつ)恵美子(えみこ)がPCを叩く手を止めた。

「その()が例の新人さん?」

 それから、最後にドアを閉めて入ってきた鋼に聞く。

「そうっす」

 鋼はいつもの人懐っこい笑顔で頷いた。

「下野薫です! よろしくお願いします!」

 テンパりながら、薫は頭を下げた。

「わたしは、草津恵美子」

 それに恵美子は微笑んだ。

「ここでは事務を担当してるわ」

 そして、自己紹介する。

「よろしくね」

「ひゃい!」

 すると薫はテンパりすぎて、噛んでしまう。

 それが恥ずかしくて、顔を真っ赤にした。

「それじゃあ、あっちで色々決めるっす」

 笑いを堪えながら、鋼は薫を応接室に案内した。

 純希と小春も、それに同席した。

 鋼の隣に純希が座り、正面に小春と薫が座る。

 テーブルの上にはノートPCが置いてあった。

 スタッフなら誰でも使える汎用のものだ。

「じゃあ、まず、源氏名を決めるっす」

 社内サーバーにログインしてから、鋼は言った。

「なにか希望はあるっすか?」

 鋼の問いに、薫は考え込んだ。

「加藤は、なんて名前なの?」

 すぐには思いつかず、薫は隣の小春に聞いた。

小迎(こむかい)小夜子(さよこ)

「由来とかある?」

 薫はさらに聞いた。

「小迎は、お母さんの源氏名から」

 その問いに、小春は正直に答える。

「えっ? お母さん?」

 だが、薫は驚いた。

「あっ、あたしのお母さんも同じ()()してたの」

 それに小春は、あっけらかんと言った。

「そうなんだ……」

 聞いてはいけないことを聞いてしまった気分になって、薫は一人落ち込んだ。

「小夜子は、お母さんが昼間のイメージだったから、夜をイメージして、みたいな感じ」

「そっか……」

 それを聞いた薫は、しばらく考え込んだ。

「じゃあ、上田(うえだ)(りん)で」

 そして、源氏名を決める。

「了解っす」

 鋼はキーボードを叩いて、()()プロフィール欄に入力した。

「年齢はそのままでいいっすか?」

「はい……って、未成年でもいいんですか?」

「問題ないっす」

 薫の疑問に鋼は、頷いた。

「元々、本番を認めてる時点で、違法行為っすから」

 訝しそうな薫を見て、鋼は付け加えた。

「学校名はどうするっすかね……」

 鋼は腕を組んだ。

「あたしと一緒じゃあ駄目なの?」

「差別化したいんで、できれば避けたいっすね」

 小春の問いに、鋼はさらに考え込んだ。

「わたしはどこでも構いませんけど?」

 なので、薫は気を遣った。

「じゃあ、お任せでいいっすか?」

「はい」

「では……」

 それを聞いた鋼は、キーボードを叩いて検索を始めた。

「桜陽学園中等部なら制服のストックがあるっすね」

 そして鋼は、結果に辿り着いた。

(なんで、そんな物があるんだ?)

 純希は思ったが、口には出さなかった。

「そこでいいすっすか?」

 キーボードを叩きながら、鋼は聞いた。

「はい」

 その問いに、薫は頷いた。

「ここなら、学生証の偽造も簡単っすね」

 またもや物騒な発言に、純希は心の中で冷や汗笑いした。

「あと、誕生日も決めなきゃっすね……希望はあるっすか?」

「特にはないです」

「では、こちらも適当に……八月二十三日で」

「はい」

 鋼の言葉に薫は頷いた。

「プロフィールはこんなもんでいいっすかね……」

 鋼は少し考え込んだが、すぐに課題を次に移した。

「じゃあ、次に取り分の話をするっすか」

 それを聞いた薫は緊張した。

 報酬の額で、月にどれぐらい()()を請けるかが決まるからだ。

 風俗での平均給与がどれぐらかは知らないが、最悪、生活を成り立たせるために毎日()()を入れることも覚悟していた。

「一回の仕事の料金は、五十万っす」

「えっ……そんなに?」

 思ってたよりもずっと大きな金額を提示されて、薫は戸惑った。

()()()のバック率は五十パーセントっす」

 バック率。

 つまり()()()が受け取る金額だ。

「これには、利用するホテルの料金や制服のクリーニング代が含まれるっす」

 ノートPCの画面を見ながら、鋼は説明した。

「提供する住居の家賃は含まれないので、それは自腹で払ってもらうっす」

 それから視線を薫に移す。

「ここまでで質問あるっすか?」

「はい」

 それには薫ではなく小春が手を上げた。

「性病検査は?」

 そして、真顔で質問する。

「あっ、忘れてたっす」

 それに鋼は頭を掻いた。

「仕事に関わる女の子たちは月二回、性病検査を受けてもらうっす」

 それを聞いて、薫はゾッとした。

 海斗とも、その()とも、ずっと生で()()()()からだ。

 妊娠のことは常に頭をよぎっていたが、性病のことは思いも寄らなかった。

「料金は事務所持ちっすから、安心してほしいっす」

 言いながら、鋼は、ノートPCの画面に別のウインドウを開いた。

「えーっと……今なら三日後の夕方に受けられるっすけど、受けるっすか?」

「お願いします」

 薫は頭を下げた。

「じゃあ、予約入れるっすね」

 キーボードを叩いて、鋼は()()()が世話になっている産婦人科に予約を入れた。

「あと細かいことは色々あるんすっけど、追々説明するっす」

 鋼はマウスを弄って、また別のウインドウを開いた。

「最後にシフトを決めたいんすけど、希望はあるっすか?」

 薫は考え込んだ。

「加藤はいつなの?」

 そして、小春に聞く。

「あたしは、月曜日から金曜日の夜だよ」

「コハちゃんは多すぎるぐらいなんで、もっと少なくても大丈夫っすよ」

 小春の答えを鋼が捕捉する。

「平日はちょっと……」

 このところ仮病で休んでいた生徒会にも参加したいし、夜には勉強もしたい。

 なにより、給与が思っていたよりもすっといいので、これなら無理してシフトを入れることもないだろう。

「週末だけでもいいですか?」

 なので、薫は聞いてみた。

「全然、大丈夫っすよ」

 それに鋼は、笑顔で答える。

「じゃあ、土日の午後とかでも大丈夫ですか?」

「OKっす」

 薫の言葉に、鋼は指でOKマークを作った。

 と、そこで応接室のドアがノックされた。

「はいっす」

 鋼が応えるとドアを開けて、恵美子が入ってきた。

「コハちゃん?」

 どうやら、小春に用があるらしい。

「剣さんから連絡が入って、時間までに戻れそうにないから、今日は宇門さんと一緒に行って欲しいって」

「あっ……もうそんな時間か」

 ジャンパースカートのポケットからスマホを取り出した小春は、時間を確認した。

「じゃあ、あたしは準備するね」

 席を立った小春は、待機室へ移動した。

「俺らも行くっすかね」

 それを追うように、鋼も席を立った。

 純希と薫も席を立つ。

 ()()()を出た三人は、エレベーターで地下駐車場まで下りる。

 そして、予備車であるシルバーのメルセデスAMG・GT434マチックプラスに乗り込んだ。

 環状二号線から保土ヶ谷バイパスを抜けて、GTは瀬渓区まで戻ってくる。

 そして、GTは純希と小春の住むマンションの前で止まった。

「あれ?」

 純希は首を捻った。

(ここで、下ろされるのかな?)

 薫の新しい住居に行く前に、自分を送ってくれたのかと思った。

「着いたっす」

 しかし、ドライバーズシートの鋼は、リアシートの方を向くと薫に告げた。

「えっ?」

 思わず、純希は声を上げた。

「下野の新しい家って、僕らのマンションなんですか?」

「そうっすよ」

 驚く純希に、鋼は笑顔で応えた。

「ここの五階に、押さえてる部屋があったのでそこを使うように指示されたっす」

 そして、親指を立てる。

「塚田と同じマンションか……」

 薫は感慨深げに呟いた。

(わぁー……なんかあとで小春が知ったら荒れそうだなぁ)

 だが、純希は、内心、冷や汗笑いする。

 GTを下りた純希、薫、鋼はマンションに入るとエレベーターで五階まで上がった。

「ここっす」

 目的の部屋の前まで来た鋼は、取り出した鍵でロックを解除する。

 そのままドアを開けると中へと入った。

 純希と薫がそれに続く。

 部屋の中はがらんどうではなく、家具が配置されていて、すぐに住める状態になっていた。

「電気もガスも水道も来てるんで、すぐに住めるっすよ」

 と、そこで鋼のスマホがブルッと振動した。

「団長っすか?」

 着信画面で相手を判断した鋼は、出るなりそう言った。

「うっす……うっす……うっす……」

 鋼は、銀治郎となにやら話し込んでいた。

 その内容に、純希と薫は期待した。

 このタイミングでかかってくる案件は一つだったからだ。

「うっす……了解っす」

 最後は、笑顔を浮かべて鋼は通話を終えた。

「下野ちゃんの親父さんと話がついたそうっす」

 鋼の報告に、薫はホッと胸を撫で下ろした。

(いったいどんな手を使ったんだろう?)

 一方、純希はそんなことを考えていた。

(大事な娘を手放すのだから、それなりのカードを切ったんだろうな)

 深く考えると背筋が寒くなるので、純希はそれ以上考えるのをやめた。

「それで、下野ちゃんの私物はあとでうちのスタッフが取りに行くそうなんで、持ち出したい物をリストアップして欲しいそうっす」

「わかりました」

 その言葉に、薫は頷いた。

「それと……連絡先の交換がまだっすね」

 鋼はスマホを差し出した。

 慌てて薫もスマホを取り出して、バーコードを読み込む。

「あと、部屋の鍵っすね」

 鋼はポケットからキーホルダーを取り出すと薫に渡した。

 鍵は二本あり、一本はスペアだった。

「これでとりあえずはOKっすかね……」

 腕を組んだ鋼は頭を捻る。

「そうだ、忘れてたっす」

 そして、ポケットから財布を取り出す。

「これを渡せって、言われたっす」

 財布から五万を抜き取った鋼が、薫に差し出した。。

「これは……?」

 しかし、薫は戸惑った。

「当分の生活費っす」

 ニカッと笑いながら、鋼は説明した。

「あとで稼ぎから引くそうっす」

「わかりました」

 鋼の言葉に、薫は現金を受け取った。

「それじゃあ、そろそろ俺は引き上げるっすね」

 鋼は機微返して玄関に向かった。

「じゃあ、僕も……」

 それまで二人の話を聞いていた純希もそれに続こうとする。

 が、

「待って……」

 純希のブレザーの肘を薫が掴んで、止めた。

「塚田には話があるの」

 薫はなにか思い詰めた表情で、純希を見た。

「じゃあ、俺はこれで」

 その空気を察した鋼は、とっとと部屋を出た。

「話って?」

 それを見送ってから、純希は薫に聞いた。

「わたしを……」

 そこまで言って、薫は躊躇した。

「を?」

 それを純希が即する。

「抱いてほしいの……」

 薫は火が出るぐらいに顔を真っ赤にしながら、恥ずかしそうに言った。

「ハグして欲しいの?」

 だが、薫の渾身の一撃に純希は素でぼけた。

「違う……!」

 なので、薫は少しムッとした。

 それからもう一度、潤んだ目で純希を見る。

()()欲しいの……」

「それはできないよ」

 しかし、純希はキッパリと否定した。

「僕は委員長のことを、恋愛的な意味で好きじゃないんだ」

 純希は諭すように言った。

「好きでもない女子(ひと)と、そういうことはできないよ」

 それは小春(好きな女子)への裏切りになる、とは言わなかった。

「でも、加藤は好きでもない男性(ひと)としてるよ?」

 それを見透かしたように、薫は反論した。

「小春は、()()だから」

 内心、焦りながらも純希は受け流した。

「わたしもこれから仕事で好きでもない人といっぱい()()()()いけないの」

 自分はもう汚れてしまったと薫は思っていた。

 でも、完全ではない。

 まだ白い部分も残っている。

 でも、()()を続けていけば確実に全身が汚れてしまう。

「だから、その前に思い出が欲しいの」

 薫は懸命に訴えかけた。

「駄目?」

 薫に見詰められて、純希はうっ、となった。

(流されるな……流れるな……)

 純希は自分に言い聞かせた。

「塚田が思い出くれるなら、それを心の糧にして、()()頑張れる」

 しかし、必死に訴えかける薫に、心が揺れる。

「だから……」

 薫の目に涙が浮かんだのが決定打となった。

「…………わかった」

 純希は苦渋の決断をする。

「本当に!?」

 信じられないという顔を薫はした。

「ただし」

 そこで純希は口調を強めた。

「一回だけだからね」

「うん!」

 それでも薫は嬉しさに顔をほころばせる。

 そして、純希の手を取ると寝室へと向かった。

 部屋のレイアウトは基本的に純希と小春が住んでいる部屋と同じだった。

 なので、寝室もすぐにどこかはわかった。

 六畳の寝室にはダブルベッドが置いてあった。

 ベッドの前に立った純希と薫は見つめ合った。

(ここは僕がリードしなくちゃ)

 薫の話だと、神谷(かみや)海斗(かいと)からはかなり酷い扱いを受けていたらしい。

 それを払拭しなければ、と純希は思った。

「キス、からでいい?」

「うん……」

 純希の問いに、高揚した顔で薫は頷いた。

 二人の唇が重なる。

 そのまま純希は、薫の口の中に舌を入れた。

 薫は少し驚いたように身体をビクッとさせたが、すぐに舌を絡め返してくる。

「くちゅれろれろれろ……ちゅぱじゅるくちゅ……ちゅぱくちゅ……ちゅぱれろれろ」

 淫靡な音を響かせながら、二人はキスを続けた。

「ぷはっ……」

 しばらく甘いキスが続いて、どちらともなく唇を離した。

「わたし、キス、初めてだ……」

 薫は頬を朱色に染めた。

「そっか……まだ塚田にあげられるものがあったんだね」

(可愛いな……)

 そんなことで感動する薫を、純希は愛しく思った。

「服、脱ごうか」

 その気持ちのまま、純希は優しく語りかけた。

 薫はコクッと頷いた。

 二人はその場で制服を脱いで、全裸になった。

「あまり、見ないで……」

 薫は恥ずかしがった。

「どうして?」

「加藤と比べたら身体が貧素だから……」

「そんなに変わらないよ」

「ありがとう」

 素でそんなことを言う純希に、薫は嬉しそうに微笑んだ。

「じゃあ、ベッドに行こうか」

 純希の誘いに、薫はまたもコクッと頷いた。


 ♢♦♢♦♢♦


「はぁ……っ……あ゛ッ、は、……っ……はぁはぁ……っ……あ……」

 白濁液まみれになりながら、薫は絶頂の余韻に浸った。

「はぁ……はぁ……危なかった…………」

 一方、純希は冷や汗を拭った。

「ゴム無いの忘れてた」

 ホッと胸を撫で下ろす。

「塚田なら……別に膣内(なか)でも良かったのに……」

 少し回復した薫が、残念そうに呟く。

「いや……それシャレになってないから」

 それに対して、純希は真顔で突っ込む。

「少しぐらい夢見させてくれてもいいのに」

 薫は剥れた。

「そんな夢は見ないで」

 だが、純希はそんな危険な発言を一刀両断した。

「ちぇっ」

 ふてくされた薫だったが、すぐに笑みを零す。

「うふふふふ」

「あはははは」

 釣られて、純希も笑った。

「…………ありがとう、塚田」

 薫は微笑んだ。

「これで、()()、頑張れそう」

「うん」

 その言葉に純希は頷いた。


 その日の深夜。

 純希は小春に呼び出されて、小春の部屋に来ていた。

「委員長が同じマンションになった!?」

 それを聞いた小春は、思わず声を上げた。

「階は違うけどね」

 やっぱり、と内心、冷や汗笑いしながら、純希は付け加えた。

()()()があらかじめ押さえていたらしい」

「あっ、その話なら聞いたことがあるかも」

 だが、小春は怒り出しはしなかった。

「でっ?」

 それより気になることがあったからだ。

「なんで純希は正座なの?」

 その言葉通り、純希は床に正座して座っていた。

「実は小春に謝らなくちゃいけないことがある」

 純希は、姿勢を正して告げた。

「あらたまって、なに?」

 そんな純希の態度に、小春は訝しがった。

「……」

 だが、純希は答えない。

 この先の展開を想像して、恐怖したからだ。

「?」

 それに小春は視線で先を即した。

 なので、純希は意を決した。

「委員長と……()()

「えっ?」

 その言葉に小春は固まった。

「だから、ごめん」

 純希は、土下座して謝った。

「へぇー」

 なるべく心の動揺を表に出さないように、小春は平坦に聞いた。

「委員長とつき合うの?」

「そ、そんなことないよ!」

 慌てて顔を上げた純希は弁明した。

「一回だけ、っていう約束だから」

 それを聞いた小春は、内心、ホッとした。

「なら、別にいいよ」

「えっ?」

 その答えに、純希は驚きの声を上げた。

「怒ってないの?」

 恐る恐る、純希は聞いた。

「どうして、怒らなきゃいけないの?」

 すると、逆に小春は聞き返した。

「それは……」

 純希は言葉に詰まった。

 恋人同士なら、これは完全な浮気だ。

 だが、()()()()()()()だと浮気にはならない。

 それでも純希が謝ったのは、小春が薫に対していい印象を持っていないのを知っていたからだ。

 もちろん、好きな相手に対する罪悪感もある。

 しかし、それも杞憂だったようだ。

「一回だけ、なんでしょ?」

「うん」

 念を押した小春に、純希は頷いた。

「これからもあたしと()()()()()?」

 それから小春は、一番重要なことを聞いた。

「もちろん」

 純希は、またも頷く。

「なら、問題ないよ」

 その答えに小春はあっさりと言った。

「あたしだって、仕事で毎日、おじさんたちと()()()し」

「それは、やむを得ない事情があるからだろ?」

「あたしはね」

 純希は指摘したが、それには答えず、小春は歌うように語り出した。

「いつか、純希が他の女子と()()ことは覚悟してたの」

 そう言う小春の表情は、憂いを帯びていた。

「でも、純希はこれからもあたしと()()()()()って言った」

 小春は潤んだ瞳で純希を見た。

「それで充分だよ」

「小春……」

 それを聞いた純希は、目に涙を浮かべた。

「キスしていい?」

 半泣きしながら、純希は聞いた。

「もっと、エッチなこともしていいよ」

 そんな純希に、小春は優しく微笑む。

「小春っ!」

 立ち上がった純希は、小春を思いっきり抱きしめた。

「純希♡」

 そのハグを愛おしく思いながら、小春は純希にキスをした。

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