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僕の幼なじみは今夜も知らない誰かに抱かれる(R15版)  作者: 碗古田わん


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二、小春のお仕事

挿絵(By みてみん)

 シャワーを浴び身だしなみを整えた加藤(かとう)小春(こはる)は、()()()の上下セットの下着を付け、ブラ透けよけのベージュのキャミソールを頭から被ると、白のTシャツを着て、ボトムはデニムのショートパンツを穿いた。

 そこでもう一度、スマホで時計を確認する。

「やばっ」

 と焦って、急いで戸締まりを確認すると家を飛び出した。

 駅まで走り、私鉄に乗り込む。

 途中、乗り換えをして、目的地の新横浜までやって来た。

 かってはラブホ街で知られていたこの街も、今やオフィスビルが立ち並ぶビジネス街へと変貌していた。

 その一角にあるオフィスビルに小春は入った。

 エレベーターで目的の階へと上がる。

 そして、エレベーターを降りると、目の前にある扉を開けた。

「おはようございます」

「おはよう、コハちゃん」

 小春が挨拶をすると、PCを叩いていた草津(くさつ)恵美子(えみこ)が挨拶を返してきた。

 赤い眼鏡がトレードマークのキャリアウーマン風の女性だ。

「もう銀兄ぃ、来てる?」

 小春の問いに恵美子は肩をすくめた。

「奥でお待ちかねよ」

「やばっ……」

 それを聞いた小春は慌てて奥の部屋へと向かった。

「おはようございます……」

 小春は小声で部屋に入った。

 そこは六畳ぐらいの大きさでソファーとテーブルが置いてあった。部屋の奥にはなぜか畳が敷いてある。

「おはよう、コハちゃん」

 すると、畳にあぐらを掻いた、年の頃なら二十代中盤の女性が挨拶を返してきた。

 ()()()()久東(くとう)(あずさ)だ。

「おはよう」

 そして、もう一人、ソファーに座ってタブレットを操作していた(つるぎ)銀治郎(ぎんじろう)が応える。

 黒い短髪に鋭い目つきをしたイケメンだ。

 歳は三十歳だが、年齢にそぐわない落ち着いた雰囲気を醸し出している。

「遅くなってごめん、銀兄ぃ」

 小春は本当に申し訳なさそうな顔をして、片手で拝んだ。

「まだ時間前だ。問題ない」

 タブレットからは目を離さず、銀治郎はいつものそっけない口調で言った。

「すぐ着替えるから」

 それでも焦りながら小春は、更衣室の扉を開けた。

 そこは脱衣所兼になっており、隣にはシャワー室が完備されていた。

 小春は自分のロッカーを開けると、ハンガーを取り出し、ロッカーのドアに引っかける。

 そして、Tシャツとショートパンツ、それにキャミソールを脱ぐと、ハンガーに掛けた。

 それを仕舞い、代わりに()()()のセーラー服を取り出す。

 光沢のある白いセーラー服に袖を通した小春は、紺のプリッツスカートを穿く。

 ブラ透けよけのキャミソールは着ない。

 その方が()が喜ぶからだ。

 最後にこれまた小道具の学生カバンを持って、小春は更衣室を出た。

「おまたせ、銀兄ぃ」

「準備は整ったか?」

 タブレットをしまった銀治郎は、小春に聞いた。

「学生証は?」

 言われて、小春は学生カバンの中を再確認した。

「OK!」

()()()のスマホは?」

「そっちもOK!」

「なら、行くか」

 銀治郎の言葉に小春は頷いた。

 二人は()()()を出ると、エレベーターで地下まで降りた。

 そこは駐車場になっていて、銀治郎は停まっている黒いクーペ――――メルセデスAMGクーペのドライバーズシートに乗り込んだ。

 サイドシートには小春が乗り込む。

 そして、クーペは駐車場を出ると首都高速の入口に向かった。

「今日の()は新規だ」

 首都高速に乗って東京に向かいながら、銀治郎は今日の()()について説明した。

「事前の調査では、問題ないことが確認されている」

 顧客の情報を集めて精査するのも銀治郎の仕事に一つだった。

「ただ、絶対という事は無い。もし何かあれば……」

「すぐに連絡するよ」

 小春は銀治郎の言葉を受けて頷いた。

「そうしてくれ」

 そんなやり取りをしているうちにクーペは、都内に入った。

 首都高を降りて目的のホテルに着く。

 そこは都内でも有名な豪華ホテルだった。

 地下駐車場にクーペを停める。

 クーペを降りた小春と銀治郎は、エレベーターで1階まで上がった。

「ちょっと行ってくる」

 小春を待たせた銀治郎は、フロントへと向かった。

 そこでチェックインを済ませる。

 それから小春のところに戻ってくると、二枚あるカードキーのうち一枚を渡した。

 もう一枚は銀治郎が預かっている。

 もし、なにかあった場合、すぐに駆けつけられるようにだ。

「部屋は二七九号室だ」

 銀治郎の言葉に小春はコクッと頷いた。

「じゃあ、行ってくるね、銀兄ぃ」

 ニッコリ笑う小春に、銀治郎は無言で了解した。

 エレベーターに乗った小春は二十九階まで上がる。

 そして、指定された部屋の前まで来た。

 カードキーをタッチしてロックを解除する。

 中に入ると照明を付けて、部屋をグルッと見回した。

 部屋はシングルルームで、テーブルにイス、それに奥にはセミダブルのベッドが置いてあった。

 程なくして、ドアがノックされた。

「はい!」

 返事をして小春はドアの前まで来る。

「合い言葉を言ってください」

 それからドア越しに話し掛けた。

「砂漠に蝶は飛ぶか」

 扉の向こうの相手は、少しまごつきながらも、返事を返した。

「えーっと……砂漠の飛ぶのはサボテンの棘」

「正解です」

 嬉しそうな声で小春は扉を開けた。

 そこには、年の頃なら四十歳ぐらいの小太りの男性が立っていた。

 今日の()高木(たかぎ)伸介(しんすけ)だ。

「高木様ですね。お待ちしてました」

 そう言って小春は伸介を部屋に招き入れた。

「本当に中学生なんだ……」

 小春を見た伸介は感慨深げに呟いた。

「はい」

 それに頷きながら、小春は伸介に背広を脱ぐように促し、部屋備え付けのハンガーに掛けた。

「学生証は見せられる」

「いいですよ」

 伸介の要求に小春は笑顔で応え、学生カバンから学生証を取り出した。

「私立山手女学館中等部小迎(こむかい)小夜子(さよこ)ちゃんか……事前に聞いていたとおりだ」

 それを見た伸介は感動した。

(本当は、学生証は偽造だし、学校も名前も違うんだけどね)

 そんな伸介を見て、小春は心の中で冷や汗笑いした。

「今日は二時間コースでよろしかったですか?」

「うん」

 確認した小春に、伸介は頷いた。

「では……キスしていいですか?」

 僅かに潤んだ瞳で、小春は聞いた。

「うん……しよう」

 伸介は唇を近づけた。

(あっ……息、臭くない)

 微かにミントの香りがする。

 恐らく小春のためにマウスケアをしてくれたのだろう。

 小春の中で伸介への好感度が少し上がった。

 そのまま二人はキスをした。

 始めから伸介は舌を小春の口に入れてきた。

 それに応えるように小春も伸介の舌に自分の舌を絡ませる。

「はぁっ……♡」

 甘い吐息が漏れる。

 それに興奮した伸介は唇を離すと、

「ベッドへ行こうか」

 小春の耳元で優しく囁いた。

「はい……♡」

 その言葉に小春ははにかんだ。


   ♢♦♢♦♢♦


 結局、ベッドで二回戦、浴室で一回戦して、今日の小春の()()は終わった。

 まだ十分ほど時間が合ったが、既に小春も伸介も衣服を整えていた。

「また指名するね」

「はい、よろしくお願いします」

 伸介の言葉に、小春は丁寧にお辞儀して応えた。

 そして、伸介は一足早く部屋を後にする。

 残された小春は、おもむろに学生カバンからスマホを取り出した。

 メッセの音声通話機能で銀治郎に連絡を取る。

「終わった~」

「定時間内だな」

 疲れた声の小春に銀治郎は簡潔に応えた。

「ロビーで落ち合おう」

「はぁ~い」

 通話を切って、忘れ物が無いか確認してから、小春は部屋を出た。

 エレベーターで一階に降りる。

 既にロビーにいた銀治郎にカードキーを渡すと、フロントにチェックアウトの手続きに向かった。

 それもすぐ終わり、エレベーターで地下駐車場まで降りると、メルセデスAMGクーペに乗り込んだ。

「疲れた~」

 サイドシートに座り、シートベルトを付けた小春は、シートに背中を預けながら呻いた。

 計三回戦だったが、二回戦と三回戦で小春は何度もイカされた。

 なので今や体力(HP)は、赤く点滅していた。

()()()に着くまで寝てていいぞ」

 それを察した銀治郎は、いつものそっけない声にちょっとだけ感情を込めて言った。

「うん、そうする~」

 兄と慕う相手の優しい言葉に、小春は目を閉じた。

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