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24.条件クリア その後

「ていうかさ、もう途中からあんたたち、付き合ってるようにしか見えなかったんですけど」


 アキラが気持ち良さそうに歌っている中、向かい側に座っているミチが、ニヤニヤ笑いながら俺たちに言った。

 晴れて付き合うことになったことだし、2人でカラオケくらい行ってもいいだろうと、おチビちゃんを誘ったのだが。

【二人きりで個室】というシチュエーションに尻込みするおチビちゃんが、いつの間にかミチとアヤカも誘っていたのだ。


 ……ほんとに、どこまで奥手なんだよ、大野 沙希。


 しかも、ミチとアヤカはともかくとして、なぜかアキラまで付いてきやがった。

 ミチとアヤカが付いてきた時点で、俺としてはもう、あと何人来たって変わらないんだけど。


「ほんと、何にこだわってたんだかねぇ?」


 アヤカまで、ニヤニヤしながら俺たちを見ている。

 知っているくせに、意地が悪いな、まったく。


「べっ、別にこだわってた訳じゃないわよっ!漣が変な条件なんて、出すから悪いのよっ!」


 おチビちゃんはおチビちゃんで、イチイチ反応して、顔真っ赤だし。

 そうそう。

 付き合い始めてからすぐ、俺はおチビちゃんに呼び方を変えるようお願いした。

 さすがに、いつまでもフルネーム呼び捨てじゃあ、な。

 色気もなにもあったもんじゃない。

 俺の方は。

 特に要望は無かったけど、沙希、が多いかな。

 ああでも、おチビちゃんとも呼ぶし、イラついた時はチビすけとも呼ぶ。

 別に、沙希の背の低さをバカにしてる訳じゃない。

 逆だ。

 いわゆる、『愛称』だ。

 だから、俺以外が沙希をおチビちゃん呼ばわりするのは、許せない。

 まして、チビすけ呼ばわりなんて、言語道断だ!


「はいはい、そうだよねー、おチビちゃん」


 あ、『おチビちゃん応援団』の女子たちは別だけどな。

 なんせ、こいつらのお陰で付き合えたようなもんだから、俺たち。


「でも、あんたもよく待てたよねー、漣。大野がキス」

「あーっ!次、大野、歌いますっ!」


 ちょうどアキラが歌い終わり、沙希が慌てて曲を予約してマイクを持つ。

 そういや、アキラのやつ、何歌ってたっけ?

 そんなことを思ったとたん。

 爆音が個室に響き渡り、俺は飛び上がりそうになった。

 見れば、沙希はノリノリで、男性ボーカルのロックを気持ち良さそうに歌っている。


 マジか!

 これ、俺の大好きなヤツっ!


 しかし、まさか沙希がコレを歌うとは。

 嬉しすぎる誤算じゃないか!


 ……今度こそ、絶対2人だけでカラオケ来てやる。覚悟しとけよ、沙希。


 曲に合わせて口ずさみながら、俺はどうやって沙希を丸め込もうかと、そればかり考えていた。

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