11.おチビちゃんの挑戦その2-1
(あ~……ねみぃ)
本日何度目か分からないほどのあくびをしながら、校舎から出る。
徹夜でオンラインゲームをしたツケで、朝から眠くて仕方が無い。
午前中で授業が終わるから楽勝だと思っていたが、今こうしていても歩きながら眠れそうな程に、眠たい。
(早く帰って寝るか)
そう思っていたのだが。
「待ちなさい、高宮 漣」
校門を出たところで、おチビちゃんから声が掛かった。
「よぉ。久しぶりだな、おチビちゃん」
「大げさね、たかだか一週間振りでしょ」
立ち止まることなく歩き続ける俺を、おチビちゃんが追いかけてくる。
歩くスピードを抑えてはいるものの、それでも追いついてくるところを見ると、足はだいぶ治ったようだった。
「こっちよ」
駅へ向かう角を曲がろうとする俺の制服の裾を掴み、おチビちゃんが別方向へと誘導する。
「えっ?なんだよ、どこ行くんだよ」
「マクドナルド」
「……は?」
「お腹空いたでしょ」
「いや、それより俺は」
「この間のお礼もしたいし」
(……参ったな、早く帰って寝たいんだけど……)
断りを入れる隙も無く、俺はおチビちゃんに制服の裾を掴まれたまま、マクドナルドに連行された。
俺の注文を聞くと、おチビちゃんは空いている席を確保するよう俺に指示を出し、レジの列に並ぶ。
ちょうどお昼過ぎで店内は混雑していたが、店の奥に向かい合わせの二人掛けの席が空いているのを見つけ、壁際のソファ席に鞄を置き、通路側の椅子に腰を降ろしてひと息ついた。
とたんに、強烈な睡魔が襲ってくる。
振り返ると、おチビちゃんがいるのは、レジ待ちの列の中ほど。
(少しくらいなら、いいよな)
そう判断して、俺は目を閉じた。




