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混沌より出ずる軍団  作者: 皐月二八
第一章 ア・ボルト・フロム・ザ・ブルー 異変
12/41

第一一話 リーブ 出発

 意外とストックが順調にたまっているので連続更新です。リクエストもありましたし。

 でも、次の更新は多分一週間後以降になります。ちょっと大学の関係で。


そして、本話で第一章は終了です。

 夜。

 コゲツはうっすらと目を開けた。

 漆黒が支配する世界でも、彼女の眼は周囲の様子を的確に把握できる。常に暗視装置をつけているようなものだ。

 ベッドの中で、金髪の幼女がすやすやと寝息を立てているのを確認すると、コゲツはゆっくりと立ち上がった。

 ずっと硬い壁に背を預け、軋む床に座り込んでいた身体をほぐすため、大きく伸びをする。


 万一に備え、幼女――――ドロシーに簡単な監視用、防御用の魔法を幾つかかけ、伝言も用意し、コゲツはゆっくりとドアを開けた。

 そのまま廊下を歩くと、ふと目にとまった窓を開け、ひょい、と屋根の上に飛び乗った。


 深夜の星の輝きと夜風を幾らか満喫した後、コゲツは周囲に様々な結界を張り巡らせ、布袋から両手で持つくらいの丸い鏡を取り出した。


 高位級ハイアイテム、『双頭竜の額石アンフィスバエナ・ミラー』。上級ハイモンスターの中でも上位に入る強力なモンスター、“双頭竜アンフィスバエナ”を倒すと、高確率でドロップするアイテムである。

 常に二枚がセットになっていて、片方を持っている者ともう片方を持っている者が、何時でも何処にいても連絡を取り合えるという便利なアイテムだ。

 本来はフレンドやパーティメンバーと通信するためのアイテムなのだが(フレンドやパーティメンバーへの通信は、別に特殊な魔法やアイテムは必要ないのだが、ある程度距離があったりした場合は不可能である)、この世界ではプレイヤーもNPCもない。そう考えてカーキが実験したところ、NPC(だった者)との通信も問題なく行えた。

 アイテムによる通信なので、妨害も意味をなさないという点も心強い。


 そのためカーキは、連絡用にこれをコゲツに渡したのである。勿論、このミラーとセットになっているもう一枚の鏡はカーキが持っている。


 カーキ自身、フレンドはそれほど多くなく、誰かとチームを組むこともなかったため殆ど無用の長物と化して長いこと倉庫に入れっぱなしになっていたが、このアイテムはアンフィスバエナを倒さねば手に入らない貴重なアイテムである。

 アンフィスバエナは寒冷地方の奥、要するに極寒の僻地中の僻地の一部エリアのみに出現する(しかも出現する時間帯も決まっている)ので、そこに行くまでがまず一苦労。それでいて、アンフィスバエナ自身がかなりの強敵――――二回同時攻撃を行い、猛毒ブレスを吐き、しかもステータス自体が高い厄介なモンスターなのである。そのためカーキも、このアイテムはあまり多く持っていない。

 もっと狩っておくべきだった、とカーキが後悔したのは余談である。


 コゲツが念じると、愛する飼い主の顔が鏡に浮かんだ。

 コゲツは歓喜の叫びをあげるのを堪え、目尻に涙を浮かべながら鏡を天高く掲げ、跪いた。



「お久しぶりです、我が君。貴方様の御顔をこの目に焼き付けることができ、ぼくは……今にも涙が出そうです」


[久しぶりだな、コゲツ。GAの、ぼくの未来は君の双肩にかかっている。悪いが――――頑張ってもらいたい]



 およそ数十時間ぶりの主の声、そして笑顔に、コゲツは必死に涙を堪えた。自身の顔も主に見られている。ポロポロと赤子のように涙を流すような、無様な姿は見せられない。



「勿体なき御言葉。ぼくは……コゲツは貴方様の愛玩物ペット。好きなように使い、至らないところがあれば捨ててください。貴方様の手枷足枷となっても生き永らえていられるほど、ぼくは愚かではありません」



 コゲツの言葉に一瞬複雑な笑みを浮かべたカーキは、真剣な眼差しでコゲツを見た。



[それでは、報告を聞こう。君を信用していないわけではないが、なるべく鮮明に、包み隠さず話してほしい]


「無論です。それでは、まず――――」



 闇夜が支配する世界で、純白の髪を夜風で揺らす少女の回想が始まった。






 時は数刻ほどさかのぼる。

 幼女が南軍総司令官ブラックウッド公爵家第二令嬢と知ったコゲツは、ますます自分の運の良さを我が君に感謝した。

 動き次第では、パイプが作れる。それも特大の高級パイプだ。


 ドロシーの説明を纏めるとこうなる。

 この辺りの森には珍しい花が咲いているという。姉の誕生日プレゼントのためにそれをとりに行こうと考えたドロシーは、六人の護衛兵士を連れだってこの都市までやってきた。元々日帰りのつもりであり、軽いピクニック気分だったという。

 そして肝心の花を手に入れて森から出た矢先、本来ならば薄暗い洞窟、それも血の臭いがする場所のみに出没するモンスター、赤帽子レッドキャップが現れた。それも、集団で。


 元々は二四体いたらしい。護衛兵士は善戦し一〇体を仕留めたが、六VS二四は分が悪すぎる。結局、六人とも惨殺されてしまい、馬車は破壊され、馬も殺された。そしてドロシーは、覚えたばかりの“隠匿魔法マジック・コート”を使って隠れながら何とか逃げていたが、遂に魔力も切れ、もう後がない時にコゲツがやってきた。


 要約すると、そんなところである。


 拙い説明だったが、何とか把握できたコゲツは小さく頷いた。



「そうか。取り敢えず、その護衛兵士たちを弔おうじゃないか」



 コゲツはカーキの敵を憎み、それ以外には興味を示さない。が、言い換えればそれは、嫌ってもいないということだ。カーキを侮辱でもしない限り、彼女が他者を蔑ろにする理由は殆ど無い。

 付け加えるなら今後とも、ドロシーとは仲良くする必要がある。

 そう考え、コゲツは涙を流すドロシーの前で、惨殺された兵士達の遺品を回収し、遺体を焼き、簡素な墓を建てた。



「ところで君、これを偶然だと思う?」



 コゲツが放った何気ない一言に、ドロシーは身を震わせ、発言者の紅色の瞳を見上げた。



「君が知っているかは知らないけどね、レッドキャップは血の臭いが残る薄暗い洞窟とか、そういう場所に出没するモンスターだ。まかり間違っても、木漏れ日綺麗な森の中で森林浴としゃれこむような輩じゃない」


「……はい、知っています」



 ドロシーは華奢で小さな身を震わせる。レッドキャップは子供にとっては、割と身近なモンスターである。

 秋田でいうなまはげ(・・・・)的な存在という意味で、だ。つまり、絵本や童話によく出てくる、悪役モンスターの定番である。「悪いことをする子供にはレッドキャップが御仕置きしに来るぞ」みたいな扱いである。

 もっともなまはげは年初めに祝言を残すある種の歳神信仰の表れだが、レッドキャップは災禍しか残さない問答無用の悪鬼であり、その実態は天と地ほどの差があるのだが。


 その一方、コゲツは口を手で隠し、にやりと口元を歪めた。

 レッドキャップの生息域や特徴は、前いた世界と変化ないようだ。今まで出会ったモンスターも全てコゲツが知っているそれと変わらないものであり――――見かけや名前は勿論、強さも含む――――内心、コゲツはホッとしていた。

 そこらの相手には後れをとらない自信はあるが、未知の敵に対処するのは面倒だからだ。また、此方が知るモンスターとこの世界のモンスターの特徴などに齟齬があると、いらぬ疑問を抱かれかねない。



「……しかも、連中は基本は単独行動だ。群れをつくって人を襲うこともあっても、一時的な協力といった具合で数も精々一桁。

 それが二〇体以上も一つの目標に向かって襲いかかってきた。……何とも妙だ」


「……も、魔物使い(モンスター・テイマー)召喚師サマナーの仕業だってことですか!?」



 ほぼ悲鳴に近い質問――――というより単なる叫び声をあげたドロシーを見て、コゲツは真剣な表情で首肯した。

 内心、「これでこの世界にモンスター・テイマーとサマナーが存在していることがわかった」と小躍りしながら。


 その後、意気消沈したドロシーはコゲツに、自身に雇われることを提案した。

 都市の行政府に駆け込んでもよいのだが、そもそも公爵家の護衛兵士が破れたのだ。小規模都市の兵力で護衛されても、もう一度同じことが繰り返されれば今度こそおしまいである。

 都市行政府からブラックウッド家に連絡してもらうのもありだが、迎えが来るまでは如何しても時間がかかる。その間、ドロシーはノーガードだ。


 ならば、レッドキャップを容易く始末したコゲツを頼るのが一番だとドロシーは考えたらしい。

 ドロシーにも、ある程度人を見る目はある。その目は、コゲツは契約さえすれば、それを破るような真似はしないだろうと告げていた。要するに、「助けてもらったのだから信用する」くらいのものなのだが、それ以上を幼い子供に求めるのも酷だろう。


 レッドキャップを差し向けた者がコゲツという可能性は、ドロシーの中でそうそうに消えていた。メリットが全くない――――ドロシーはそう判断した――――うえに、回りくどすぎるからである。

 結果的に、彼女の判断は正解だったわけであるが。


 大貴族の令嬢の面目躍如といったところか、ドロシーはその辺りの知識はしっかり持っているらしい。

 幼い娘にそんな知識を叩きこんでいる辺り、コゲツはブラックウッド公爵への評価を少し上げた(顔を見たこともないのだが)。



「どうか私を、公爵家に送り届けてはくれませんか? 私の護衛を頼みたいのです。勿論、報酬は支払います」



 コゲツがとった安宿の一室で、コゲツから貰った笠を被った――――正体が露見すると、いろいろと面倒になるため――――ドロシーは、紙にさらさらと書いて、お手製の契約書を見せてきた。

 それはいわば、短期間の傭兵契約である。しかし、この世界は傭兵が一般化していることは知っていても、契約金の相場までは知らないコゲツは、内心首を捻った。



「……報酬については、到着したら公爵と相談、で構わないかな?」


「………御父様は今、身体を患っていますが……その程度の事は、多分大丈夫です」



 自信なさげに頷いたドロシーは、契約書を書き直し、折り畳み式の小さな杖(短杖ワンド)を軽く振った。



「いきます、“署名魔法マジック・シグナチャ”! これで契約完了です! “契約魔法マジック・コントラクト”!」



 矢鱈気合が入った大声でそう宣言するドロシー。杖の先から光が放たれ、契約書にドロシーの名と公爵家のマークが書かれる。

 その下には、すでにコゲツのサインが書かれていた。

 この契約がなされると、契約書は手直し不可の不磨の大典となる。破り捨てることもできず、契約は達成されねばならない。最早一種の呪いであるが、この世界では至極当然のことであるし、そもそも両者合意の上でしか成立しない。



「き、緊張しました……」



 へなへなと倒れるドロシーを一瞥し、コゲツは公爵家に請求する報酬について思案するのだった。






[――――成程、現地一番の権力者と接触できる機会を得るとは……流石はコゲツだ]


「滅相もありません。これも全て、ぼくの我が君への信仰心と愛ゆえの幸運に過ぎません」



 心の底からそう信じているように、コゲツは断言した。



[思わぬ同行者の出現だな。……資金に問題は? 宝石は好きに換金して使ってくれ]


「御任せを。得た知識によると、この世界にも宝石は存在するようです。ありきたりの、しかし高価なものを換金します。まさかいきなり未知の金属を持ちこむわけにもいきませんから」


[……その通りだな。此方は現在、コゲツとは別任務で動く調査隊の編制を進めている。ある程度状況が把握できたからな。複数送り込む余裕ができてきた。

 悪いが、もう少し頑張ってもらう。その代わり万全の支援を約束するし、ある程度は君の裁量に任せる]


「勿論です! 我が君のためなら、ぼくは汚泥の中に身を潜めることだっていといません!」


[……無理は、しないでくれ。よく頑張った。……宜しく頼む]


「――――!!」



 万感の想いが身体中を駆け巡り、コゲツの涙腺はもう少しで大決壊するところであった。

 通信が切れた後、コゲツは結界の発動をチェックし、大声で叫んだ。



「嗚呼、我が君、我が君、我が君、我が君、我が君ぃい!!!」



 鏡ごと自身を抱きしめるようなポーズをとり、大粒の涙を零しながら、両膝をつき、天に向かって絶叫する。

 それは、決してマイナスの感情によるものではなかった。


 五分程只管に我が君と叫び続けた後、コゲツは屋根の上にうつ伏せに転がった。人工的な明りの殆ど無い世界、星と月の光のみが闇の中に光を齎す世界の中、コゲツは暖かい思いを感じ取る。

 それは、忠誠。そして、愛。


 自身の身体を破り、溢れてくるかどうかが心配な程の想いが、コゲツの臓腑と脳を満たしていく。



「嗚呼、我が君……全てを献上するよ、ぼくの、世界の、全てを………………唯一の“神”である、いや、神よりも遥か高みにいる貴方様に……」



 得難い幸せを全身で感じながら、コゲツは暫しの間、涙を流し、そして笑い続けた。






 翌日。

 手早く朝食をとった二人は、都市の中心部に向かった。

 宝石を換金し、馬車を用意するためである。生憎ドロシーは無一文だったので(ある意味仕方がないことだが)、ここは保険の宝石を切り崩すしかない。


 換金した結果、パンパンになった金貨袋をぶら下げつつ、コゲツはドロシーと共に馬車と馬の調達に向かった。


 GAにも軍馬は勿論、騎乗するためのモンスターは存在する。

 同じく、車も鉄道もないこの世界において、もっとも基本的な「乗り物」は馬車である。

 騎乗用モンスターは調達から育成まで兎角コストがかかる。それは軍馬も同様だ。質の良い軍馬の育成及び管理(維持)には、一般的な農民の生涯分の年収とほぼ同等のコストがかかる。


 当然、これら騎乗用モンスターや軍馬が一般民衆に出回ることはまずない。貴族を例外とし、軍や警察を除けば、国にコネがある傭兵くらいしか持っていないし、持つ意味もない。


 とはいえ、それが軍馬でもない荷馬や馬車馬、農耕馬――――要するに駄馬ともなると、話は変わってくる。

 野生馬もまだ存在するし(地球において野生馬はほぼ絶滅している)、これらの馬はそこらの農村にも一定数存在する。


 馬という生き物は、その目的により品種改良――――交配や淘汰がなされる。例えば馬車馬の場合、速力よりもパワーやスタミナが重視され、多少の鈍重さは問題にされない。気性も穏やかで、人によく懐くよう改良がなされる。


 馬車馬は商人や農村での需要が見込める。商人は勿論、農村でも物資の運搬には馬車が欠かせないからである。

 さらに、どれ程良い馬でも売れなくては無意味なので、価格はある程度抑えられている。小さな農村でも、村中が出し合えば何とか一、二頭は確保できるくらいには。


 コゲツは取り敢えず一人旅になれば必要なくなるが、それでもどうせ買うならなるべく良い馬を手に入れたいし、また利用する機会があるかもしれないと思い、真剣に吟味する。もっとも、彼女に馬車馬の良し悪しなど分からないので、業者と相談しあってであるが。


 結局、コゲツが購入したのは、そこそこ力が強く、尚且つスピードにも優れタフネスな、一言で言うと一般流通している馬車馬の中ではかなり優秀かつ高額な馬、二頭だった。

 少し短めだが力強い脚とライトブラウンのボディが特徴の馬である。素人目には、大国の軍馬と判別付かないだろう。


 馬車は豪華すぎると目立つうえ、コゲツの趣味でもないので、純粋に性能面だけ拘った――――装飾とかに力を入れる代わりに、機能性と実用性を重視した――――ものを選んだ。



「お客様は良い目をお持ちです。やはり、馬車とはこうでないと……最近の貴族の方ときたら、兎に角華やかさとか、装飾の豪華さとか……目がおかしいとしか思えません。私が言うのも何ですが、良い馬車とは快適な旅ができ、長持ちし、過酷な旅時に耐え、より多くの荷物が積める馬車ですよ」



 そう言って吐き捨てた馬車職人の顔を見て、コゲツは思わず苦笑した。どう見ても、コゲツの格好は貴族ではない。それはコゲツから貰った小さな着物を着込んだドロシーも同じだったらしい。







 あとは旅に必要な食料その他を購入し、結局出発準備が整ったのは、そろそろ日が沈む頃だった。



「……ところで今さらだけど、日帰りの予定だったのだろう? 親御さん、心配しているんじゃないかい?」



 石畳で舗装された街道を馬車の上で揺られつつ進みながら、御者台に座りこんでいるコゲツ――――サラリとこなしているが、彼女は初体験である――――は、荷物と共に揺られているドロシーへと話しかけた。



「ええ。ですので、先程風精霊さんに頼んで、伝言を送ってもらいました」


「ああ、“風送り”か」


「はい。まぁ、私はコレしか使えないんですけど」



 精霊魔法は、エルフ独自のスキルであり、精霊の力を利用して行使する魔法である。『CC』では魔力(MP)を消費しない代わりに、一日で使用制限が付いていた。

 風送りはその一つであり、伝言を特定のプレイヤーに送信する精霊魔法である。


 ハーフエルフでも使えるんだな、と思いながら、コゲツは話しかける。



「ハーフエルフだよね、君は」


「はい。母がエルフでした。姉もハーフエルフなんです」


「此の国では珍しいのかな?」


「北部は知りませんけど、南部はそれほど珍しくないです。エルフの家族も、しょっちゅう見かけます」


「ああ」



 そう言えば、街中でよくエルフを見たな、とコゲツは思い、ここなら我が君が歩いていても違和感も問題もないな、と考えた。



「コゲツさんも、凄いですよね」


「うん?」



 思考中のコゲツに、今度はドロシーの方から話しかけてきた。流石にそれで気分を害する程、コゲツも大人げなくはない。……飼い主との夢の一時を妄想中だったなら、話は変わってくるが。



「あんなキレイな宝石持っていましたし、とっても強いですし」


「そうかな?」



 謙遜でもなく、本音を返したコゲツは首を傾げつつ空を見上げた。

 “風刃魔法ウィンド・ブレード二重纏デュアル・クラッド風切り羽(フライト・スラッシュ)”は、彼女が使う魔法の中でも下位の魔法である。


 単に魔法を発動させるのではなく、魔法を自らの身体或いは装備に纏い行使する“魔法纏マジック・クラッド”というスキルは、魔法戦士マジック・ファイター系統のスキルを持つものならば大抵は持っている。

 コゲツを含む白蛇は近接戦闘のスキルに優れているので、マジック・クラッドの発展形である“デュアル・クラッド”は勿論、“三重纏トリオ・クラッド”や“四重纏カルテット・クラッド”、そして最高位の“五重纏クインテット・クラッド”も行使できる。


 ちなみに、コゲツ以上により近接戦に特化したマナは、クインテット・クラッドを息を吸うかのように発動し、連発できる。これに最速クラスのスピードが加わっているのだから、“凶悪”の二文字が霞む程の凶悪ぶりである。


 ウィンド・ブレードも風系統の攻撃魔法では最も初歩的な魔法であり、威力もさほど高くない。


 大体下級(レッサー)モンスターにアレ以上の魔法を使用するのは、過剰を通り越してタダのイジメである。


 しかし、アレでもすごい部類に入るとなると、これ以上、如何自重しろというのか。

……まぁ、貴族令嬢の判断だ。戦場を知り抜いた傭兵なら、別の判断を下すだろう。

 そう判断し、コゲツは手綱を強く握った。






 少女と幼女の二人旅。まぁ、そんな続きませんけども。


 最近、話を区切るタイミングに苦慮しています。結果、一話一話の文量がバラバラに。

 今更なのに、何かこの作品だけ一話一話がやたらと長ったらしくなるんですよね。解せぬ。


 御意見御感想宜しくお願いします。


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