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ナッチェ・シュバルツ

「アイシャから離れなさい」


思ったよりも自分の言葉に棘があることに気付いて、更に苛立つ。

恐らくは自分よりも三つ、四つ年下であろう少女。

シャアリィはこの感情を知っている。


嫉妬だ。


アイシャはそれに一瞬遅れて気付く。


「ナッチェ、大丈夫だから、少し離れて?」

「置いていったりしない」


ナッチェが小さく頷いて、シャアリィに臆病な眼差しを向けて謝罪する。


「ごめんなさい」

「お二人の邪魔になるなら、私、自分でなんとかします」


シャアリィは思い出す。


「こちらこそ、ごめんなさい」

「アイシャが了承したことを私がひっくり返したらだめよね」

「ちょっと、驚いただけ、だけ・・・じゃないかもだけど、大丈夫よ」


アイシャがシャアリィの頭を撫でようと手を伸ばす。

シャアリィが、それを手で遮る。


「シャアリィ・・・」


シャアリィは、自分のことがよくわからない。

本当は撫でてほしいのに、それをどうして自分が避けてしまったのか、わからない。

途方に暮れて泣きたくなった。


「ナッチェ、私はシャアリィとずっと一緒に生きると約束しているんだ」

「私のとても大切なひとなんだよ」

「だから、ゆっくりでいいから、シャアリィと仲良くしてくれるかい?」


ナッチェは、その言葉に瞳を輝かせて応じる。


「素敵ですね」

「羨ましいです」

「アイシャさん、わかりました」

「シャアリィさん・・・仲良くして、ください」


(自分より小さくて、可愛らしくて、そんなものを見たら、心がざわめいた。

長い時間放っておかれた挙句、言葉が噛み合わなくて不安になった)


恐る恐る差し出す、震える自分よりも小さな手。

その掌に触れなければ、私は愛される資格はないと、シャアリィも覚悟して掌を差し伸べる。


「ナッチェ・・・ごめんね」

「私も仲良くしたいって、思う、よ」

「慣れるまでに時間が必要かもしれないけれど」


アイシャがシャアリィの頭を撫でる。

気恥ずかしさと心地よさ。

そして自分の独占欲に呆れるシャアリィだった。


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