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グリーン・ノウズ

その街は聖職者の巡礼地。

その迷宮はアンデッドの巣窟。

そこにある教会は、アーシアン連合国西地区の最高権威教会。


白い壁と青い海、緑風と熱砂、生者と死者。

伝説の魔人マーヴェリック・エルゴ・ダインの故郷。


レリットランスから南へ下ること二日、ウィトプラナという農耕の街に辿りつく。

そこから西に行く長距離キャラバンに便乗し、九日。

シャアリィとアイシャは、グリーン・ノウズの街に降り立った。


「海だ!行こう!」


と、はしゃぐシャアリィの後ろ姿を、アイシャが大声で叱り飛ばす。


「荷物置き去りにするんじゃなーい!」


慌てて引き返してくるシャアリィの胸元に、行商人から貰ったサングラスを引っ掛ける。


「それなしで砂浜なんか行ったら眼を痛めるよ」

「あと日焼け止めクリームも」


アイシャは既にサングラスは着用済み。

元々、瞳の色素が濃いアイシャには必要のないものだけれど、ペアだと少し気分があがる。


「まずは、冒険者ギルド、そこから商業ギルド、で、宿屋か、カフェテラス」


目的を次々に指折りながら、シャアリィがちゃんと着いてきているか振り返る。

悪戯に逆方向にシャアリィが回り込んだ所で、アイシャの索敵からは逃げられない。


「首ひねるだけだから、大人しくして」

「ほら、もう、冒険者ギルド着くよ」


両開きの扉が開け放たれた建物は珍しい。

鍵なんて掛ける必要がない場所ではあるのだが、これでは砂が舞い込むだろうに。

受付カウンターの受付嬢も随分と艶やかな感じがする。

これが南国の常識なのだろうか。


「レリットランスから、今日、こちらに着きました」

「こちらのギルド章の発行をお願いします」


アイシャが丁寧に挨拶し、シャアリィもそれに倣う。

渡された用紙に、必要事項を記入して受付嬢に返却。


「アイシャ・セロニアス:十八才:クラス3パーティ所属経験有り」

「もうひとりが・・・」

「シャアリィ・スノウ:十六才:クラス1」

「ルーキー卒業おめでとう、焦らなくてもベテランにはなれるから、安全第一で!」


登録が終わり、冒険者ギルドを出てカフェテラスを探す。


「暑い・・・水分補給したい」


別に急いでしなければならないことなど、今の二人には何もない。


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