中国古代の王朝~「周王朝」と「武器」 その六「石と矢」
遅れました。申し訳ありません。やはり休みはむずかしい。
近接武器ばかり述べてきたが、当然遠距離攻撃用の武器もある。遠距離武器には大まかにわけてぶつけることでダメージを与える武器と、鋭利な先端で刺す武器に別れるかとおもう。
ぶつける武器の初代代表は「石」である。石といって馬鹿にしてはいけない。石には武器として様々な利点がある。まず人が傷つく固さがあること、在庫は無尽蔵であること、練習するのが容易なこと、大多数の人間が武器として使えることなど、利点は多岐に亘る。古代ローマや日本では専門の投石部隊が作られていた位である。しかし、中国の史書には投石の記述はあまり見られない。おそらくではあるが、投石が最も効果を発揮するのは騎馬部隊なのかもしれない。投石により馬を怯ませて無効化したり、歩兵を足止めする間に騎兵を突撃させることに使う場合には有効だと思うが、機動力のない状態で石を投げても嫌がらせにしかならない気がする。そして、古代中国と他の地域の違いは木材の貴重さである。古代ローマを例にとると、今でもそうだが、地中海沿岸には森が少ない。ローマにとって矢の軸に木材を使うより石の方が効果的だ。しかし、古代中国には木材が豊富にあった。なにより前にも書いたが「竹」の存在が大きい。竹は斜めに切って矢羽根をつければ、鏃をつけずともそれだけで矢としての効果を期待できるのである。
また、古代ローマと古代中国で比較すると、敵の種類が違う。古代ローマの敵はゲルマン民族に代表される騎馬民族である。騎馬軍団に重装歩兵のローマ軍が、矢をあてようとしても中々できるものではない。どうせ当たらないのであれば、矢を使うよりコストの低い石や鉛玉のほうがよいだろう。また、ゲルマン側からしても、重装歩兵に弓矢は中々通じない。鉄の矢にするか、肉弾戦か、それとも石でぐらつかせるかしかないのである。それに対して、古代中国は騎馬がほぼいない。しかも鎧は革鎧で、矢が刺さりやすく、なおかつ戦車には石を投げても周りの歩兵が防ぐので当たりにくい。そして先程紹介した通り、矢の材料には事欠かない。石より矢を優先したのもわかる気がする。
しかし漢代になり、騎馬隊を編成し、匈奴と戦うようになると、それからは投石が戦術に組み込まれたらしい。そのような記述が漢時代の史書に残っているし、もっと遠い水滸伝の頃には、石礫の達人が出てくる。やはり石は優秀な武器なのであろう。
読んでいただきありがとうございます。




