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史記~著書・司馬遷~
ここで史記の筆者、司馬遷の人生について紹介したい。史記は司馬遷の人生に色濃く影響を受けているからである。
司馬遷は紀元前145年に生まれたとされる。父司馬談によれば、司馬という姓は歴史と天文を司る家系であるという。また父は歴史を編纂するべく、長年に亘り資料を収集していた。
ここで注目したいのは、司馬遷の生まれた年と、秦の滅亡した年である。司馬遷が紀元前145年生まれ、秦の滅亡が紀元前206年、その差60年である。人間であれば二世代くらい、まだ生存者もいたであろう。父親の収集した資料は、生き証人も含めて真に迫る物だったに違いない。司馬遷はこれを見て、自分で資料を収集する事と、証人の必要性を感じ取ったのではないだろうか。なお、史記の中でもっとも傑作といわれるのが、漢楚攻防であると謂われる。私も学生時代翻訳を読んだが、非常に面白かった。
20歳になり司馬遷は大旅行に出るが、この旅で現地の人びとに取材を敢行している。前話にでた劉邦の話もこの時に聞き取った物とされている。現地で遺物や証言をとることで、司馬遷はますます歴史に傾倒していったのだろう。




