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ファーストキスで姫は目覚めるもの

国王「イナカのやつ、どうしたらいいと思う?」


クルス「と、言いますと?」


国王「いや、思いつきで頭をぶっ壊してみたのはいいものの、戻るタイミングを完全に失ってしまってな…。今回はどういうきっかけでぶっ壊れた頭を元に戻すかを考えようと思う」


サンダー「昔誰かが言っていたんだが…壊れたものは二度と元には戻らない、どんなに修繕しようが、励まそうが、必ずなにかしらの形で傷は残ってしまう。だから、もう二度とイナカは戻れないんだ。…そういうわけで、あいつの代わりにネルたんをレギュラーにするべきだと思う」


マリア「厨二でロリコンとか救いようがないわよ?」


サンダー「っていうか、別にあいつっていなくても良くない?。イナカってただの全自動ツッコミマシーンだろ?」


マリア「全自動不快マシーンのあなたが言えること?」


国王「失って初めて気がつくこともあるんだ。イナカがなくなったことで…私の中のなにかが欠けた感覚があるんだ…」


マリア「国王…あなたもしかしてイナカさんのことが…」


国王「そうだ、私は気が付いてしまったのだよ。イナカほど優秀な全自動ツッコミマシーンはいないってことに…」


マリア「…まぁ、そうですわね。国王に限って色恋沙汰とかないですわね」


クルス「確かにイナカは優秀なツッコミですね。彼女がいないと私まで中途半端にツッコミ役をやる羽目になりますし」


マリア「そうね、私もそろそろツッコミ役も疲れてきたわ」


国王「というわけで、全自動ツッコミマシーンには早急にこの会議に戻ってもらいたい。そのためにも全自動ツッコミマシーンの頭を元に戻す必要があるのだが、ここまでこの話を引っ張っておいて、ただ普通に戻すのも味気ないのでなにかしらの頭が治るキッカケとなるアクションを起こす必要があるのだが、そのアクションについてみんなに考えてもらう」


クルス「そうですね。全自動ツッコミマシーンは私たちの大切な仲間ですし、しっかり彼女のことを考えてあげませんとね」


サンダー「仕方ねえな。全自動ツッコミマシーンのためにも一肌脱ぎますか…」


マリア「ちょっと男子〜、イナカさんのこと全自動ツッコミマシーンっていうのやめて〜」


国王「そういうわけで、なにか案はあるか?」


サンダー「そんなのは簡単さ。こういうのって叩けば治るもんだろ。テレビも全自動ツッコミマシーンも一緒さ」


マリア「イナカさんを機械のカテゴリに分類するのやめてあげて」


クルス「テレビと違って、人間も精密機械もそんな簡単には治せません。ここはエルム王国で獣医を彼女に派遣するのが…」


マリア「なんであなた達はさっきからイナカさんを人間扱い出来ないの?」


国王「それでは、マリアはなにか意見があるか?」


マリア「そんなの決まってますわ。ヒロインのピンチにはヒーローが駆けつけるっていうのが鉄板ですわ」


国王「ヒロ…イン…?」


クルス「一体なんの話をしてるんですか?」


マリア「ほんとにあなた達はイナカさんをなんだと思ってるの?」


サンダー「大丈夫、分かってる分かってる。ネロたんのピンチには俺が駆けつければいいってことだろ?」


マリア「そうね、そのまま帰らぬ者になればいいわね」


国王「すまんがマリア、もう少しわかりやすく説明してくれ」


マリア「要するに、眠りについたお姫様は王子様のキスで目覚めるっていうのがラブストーリーの鉄板ってことですわ」


国王「お姫…様…?」


クルス「エルム王国にお姫様なんていましたっけ?」


マリア「例えよ、今回の場合は眠れるお姫様はイナカさんのことよ」


国王「なるほど。例えばの話だな。百歩…いや、万歩譲って、仮に、あくまで仮に、例えばイナカが分かりやすいように例をあげて、お姫様ということにして、あくまでフィクションの話だけど、その仮のお姫様を目覚めさせるには王子様的なポジションが必要というわけだな」


マリア「どれだけイナカさんのことヒロインとして認めたくないのよ?」


クルス「私にもようやく分かりました。要するに彼女にとっての王子様がいればいいって話ですね?」


マリア「そういうこと。でも困ったことに、この小説に王子様なんて登場してないってことなのよね」


国王「…いま聞き捨てならない言葉を聞いたのだが?」


マリア「あくまでイナカさんにとって王子様という話です」


国王「なるほど。全自動ツッコミマシーンにとっての王子様か…いったいどんな機械を用意すればいいんだ…」


マリア「いや、前提から間違ってますわ」


クルス「ツッコミマシーンが姫ならボケマシーンが王子様と言ったところかな」


マリア「そんな悲しい王子様がいてたまるもんですか」


サンダー「もうイナカを治すより、ネルたんをヒロインにした方が早いだろ」


マリア「私もそんな気はしますけど、さすがに薄情者すぎるわ」


国王「うーん…王子様か…難しいな」


マリア「あ、そうだ、リオくんがいましたわ」


国王「リオくん?」


マリア「ほら、女帝クリミアの側近のイケメン君ですわ」


クルス「そういえば、そんな人いましたね」


マリア「彼はイナカさんと年も近いし、なによりフラグがすでに立っていますから、これ以上王子様としてうってつけの人物はいませんわ」


国王「フラグなんて立っていたか?」


マリア「11話の最後の方で二人は幼馴染的な存在であるフラグが立っていますわ」


国王「そんな前のフラグなんて誰も覚えてないだろ。下手すりゃ、作者ですら…」


マリア「覚えてる覚えてないは関係ないですわ。あるものは使わないと…」


国王「それもそうだな、そのリオとやらに賭けてみるか…。さっそく使者を遣わそう」


こうして、壊れたヒロインを助けるべく、王子様は動き出したのである。




クルス「そういえば、今日は大臣はどうしたんですか?」


国王「大臣なら例の全国民に幼女の使用済み下着を配るやつで忙しくてな」


クルス「そうですか」






一方そのころ、イナカの故郷のスミノ村では…


イナカ「話し合いいいいいい!!!!!話し合いがしたいいいいいいい!!!!!!ああああああああああああああああ!!!!!!!!」


イナカの母「都会に行った娘が壊れて帰って来たわ」


イナカの父「やっぱ都会は怖いっぺな」


ピンポーン!!(インターホン)


宅配の兄ちゃん「ちわーっす、幼女のパンティお届けに参りました」


イナカの母「いやねぇ、またこんな臭いの届いちゃったわ」


イナカの父「何を言う?。こんな素晴らしいものを配布するショタ国王は偉大だろ!?」


イナカの母「…離婚沙汰ね、これは」


イナカの母が幼女のパンティをゴミ箱に打ち込もうとした時、それを父が阻止しようとしたはずみでパンティはあらぬところに飛んでいき、イナカの顔面にぶち当たった。


イナカ「くっさ!!!!!。…はっ!私は今まで何を…」


こうして、幼女のパンティ改めて、大臣の使用済み下着という王子様に出会ったイナカは幸せなキスをして目を覚ましましたとさ、めでたしめでたし。



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