そうだ、選挙に行こう
国王「あなたの一票がこの国の変える!!」
大臣「国のために清き一票を!!」
国王「さぁ、あなたの一票でより良い国を作ろう!!」
イナカ「…何やってるんですか?」
国王「余が通っている小学校の宿題で選挙の投票のためのポスターを作ることになったのだ」
クルス「私も小学生のころ作らされましたね」
国王「と、いうわけでみんなにはこの宿題を手伝ってもらおうと思う」
イナカ「よし、帰ろう」
国王「まぁ、待て。手伝ってもらうと言ってもすでに下絵はできているのだ。あとはこれにさっき言ってたようなキャッチフレーズを載せれば完成なのだが…」
イナカ「だが…なんですか?」
国王「なかなか良いキャッチフレーズが思い浮かばなくてな」
イナカ「冒頭で言ってたフレーズを使えば良いじゃないですか」
国王「あぁ、アレか…あの反吐が出るようなフレーズか…」
イナカ「自分で言っておいて反吐とはなんですか?」
国王「余はな、ああいうフレーズのポスターが大っ嫌いなのだ!!」
サンダー「いつになく過激だな、国王」
国王「国のための一票とはなんだ!?。より良い国とはなんだ!?。選挙権っていうのはそんなものの為にあるのではない!!」
マリア「仮にも国王が国のためをそんなもの扱いしない方がいいのでは?」
国王「第一、一般の国民が『国のため』なんて言われてもピンと来ないし、なにより興味が出ないだろ。そんなキャッチフレーズで選挙に行きたくなるか?」
サンダー「まぁ、確かに国のため、なんて言われても今の国民にとってはどうでもいいと思うかもな」
国王「それに今の国民は選挙権の存在意義を履き違えている。選挙権っていうのは、決して国の為にあるのではない!!。長き闘争の歴史の中でようやく市民が勝ち取った権利であり武器、いままで介入の余地が無かった政権に己の意向を知らしめる為の唯一の剣、それが選挙権だ!!」
イナカ「…言われてみればそうですね」
マリア「選挙に行け行けと言われているうちにだんだん権利ではなく義務であるように思ってしまっていたわね」
国王「そうなのだ。つまり選挙権というのは国の為ではなく自分の為にあり、より良い国作りとは自分にとってより良い国という意味なのだ」
クルス「そう聞くとなんだか凄く自己中心的なものに見えるな」
国王「それでいいのだ。同じ自己中心的な考えが無数に集まることでそれが世論となり、国が欲しているものとなるのだ。そしてそれを反映するのが政治だ」
イナカ「あれ?もしかして凄く良いことを言ってる?」
国王「まぁ、そういうわけで余の宿題を手伝え」
イナカ「いや、宿題を手伝わせる為の詭弁か…」
国王「とりあえず余は選挙は義務ではなく、自分にとって必要なもので、行かないと損をするということを感じさせ、自発的に選挙に行きたくなるようなキャッチフレーズにしたいのだ。なにか良いキャッチフレーズはないか?」
イナカ「例えばどんなのですか?」
国王「選挙に行かないやつは死んでいい、とか」
イナカ「極端ですね」
国王「クルスはなにか良いキャッチフレーズはないか?」
クルス「選挙権?それを捨てるなんてとんでもない、とかですかね」
国王「ドラ⚪︎エに出できそうなフレーズだな。サンダーはなにかないか?」
サンダー「ロリと付き合える世界の為の一票を、かな」
イナカ「私欲の塊だな」
国王「マリアは?」
マリア「そうね…『捨てるのですか?選挙権とより良い生活』とかかしらね」
国王「うむ…悪くはないのだが…インパクトに欠けるな。イナカはなにかないか?」
イナカ「『あなたの夢を叶える一票』とかどうですか?」
国王「七夕じゃないんだから…」
イナカ「けっこう自信あったのにな…」
大臣「では国王、こういうのはいかがですか?」
結局
学校
先生「今回の宿題のポスターですが、見事大塚君の作品が大賞をとりました、おめでとうございます」
大塚君「ありがとうございます」
先生「それに比べて…ショタ国王、あなたの作品のキャッチフレーズはなんですか?。『あ、選挙行かないんだ。へぇ、あ、ふーん、まぁそういう選択肢もありだと思うよ。でもなんていうのかな…あれだよね、愚かだね』…なんなんですかこれは?」
国王「行かないやつを煽ってみました」
先生「やり直しです」
結局国王はあとで無難なキャッチフレーズのやつを書きましたとさ、めでたしめでたし。
大臣「そういえば、我が国は国王は親から子に受け継がれる世襲制を採用してるので選挙なんてしないんですよね」
サンダー「なんで選挙のポスターなんて作らせたのかね?」
イナカ「あ、今回はそういうオチなのね」




