八話 ハウルベアー討伐
次の日の朝、リンとゴブリン討伐へ向かった時と同様に乗り合い馬車に乗って目的地近辺まで着いた。
1人で森を見ると薄暗く、ちょっと怖い感じだ。
(これ、1人で討伐って話だけど、なんかあったら大丈夫なんかな?)
不安になりつつ、森の中へと足を進めた。
ゴブリンを倒した所まで来ても魔獣は一匹もいない。モットー奥まで行った方がいいのだとは思うが、迷子になってもあれなのでここで一先ず待つことにした。決して怖いからだからではない。
待ってる間暇なので「気」について訓練をする事にした。
「体全体に覆うイメージをして……」
「はぁ、はぁ、1分ぐらいか?」
(なんて言えばいいのか、水中で息を止めながら重量挙げをしている感じだ。)
「出来るようになるのかなぁー?でもやるしかないかな!」
それから、討伐の事は二の次にして、訓練に費やし、3日たった。
「ガサッ、」
草の揺れる音がした方を見るとリンが立っていた。
「ちょっと、あんた無事だったの?あんまり遅いから様子見に来たわ。」
リンが呆れたように言ってきたので
「あー、、なかなか遭遇しなくて………」
ちょっと後ろめたくなりながら答えると
「いいわ、一緒に討伐しましょ!いくら強いって言ってもまだ冒険者なりたてなんだから、無理もないわ。」
「いいんですか?」
「えぇ。早速行きましょ!」
森の奥へと進んで行くと、思いの外すぐに見つけた。
「ちょっとすぐいるじゃない?どこ探してたの?まぁ、いいわ。私は魔術師だから基本的に後衛になるわ。まず私の魔法で攻撃するからその隙に斗真が仕留めて。」
すぐ見つかって良かったような悪かったような気がするが、見つけたらしょーがない。
「わかった。」と返事をして、ハウルベアーに近づき、準備が出来たのでリンの方を見る。
「火の精霊よ!我に力を貸し与えたまえ!ファイアーボール!!」
初めて魔術を見た。炎の塊がハウルベアーに向かって飛んで行く。ハウルベアーが気付いて炎の方を見た時には、もうすでに目の前だ!当たると炎のに包まれもがいている。
「追い討ちの一発!」と得意の右ボディを撃つと、
(かってぇー。)
炎に包まれながらも俺の頭を目がけて前足で殴って来たので、あわててダッキングし、バックステップして距離をとる。
炎が消えると焦げ付いたハウルベアーが俺に向かって吠えた。
「ウォォォォー!!!」
よだれを垂らしながら吠えたハウルベアーが俺に向かってやって来る。とっさに足を動かそうとするも体が硬直して動かない。
「あ、足が、」
後方から再び炎が飛んでハウルベアーの突進を邪魔する。硬直がとけ、一旦リンのいる木の上の所まで下がった。
「たすかった。」
「ハウルベアーの咆哮を間近で受けると一瞬硬直するの。でもどうする?あそこまで強いハウルベアー見たことないわ。一旦引き上げる?」
「やっぱそうなんだー。あんなに強いとさすがに1人では厳しい。だが、今は二人だ。とりあえずもう一度アタックしてみよう!」
リンはすこし悩んではいたが、俺たちは再アタックに決めた!
「とりあえず行ってくる。」
そう言って俺は木から下り、ハウルベアーの元へ駆け出した。
と同時に後ろから炎が俺を追い抜きハウルベアーに命中する。
その隙にパンチやキックを連打!ハウルベアーも闇雲に手を出して来るが、避けてまた振り出しに戻る。
「ちったぁー効いてんのかね?」
愚痴りながらも攻撃を続ける。「隙あり!」と思い鳩尾を蹴りあげると、びくともしないハウルベアーに
「ヤバい!誘われた。」
右の前足を俺に振り下ろす。とっさにガードするもふきとばされてしまう。この隙にハウルベアーが向かって来るがリンの支援によって俺はまたリンの所へ戻った。
「リュックからポーション取ってくれ!」
俺の左腕は折れて腫れ上がっていた。手渡されたポーションを飲むとリンが
「まだやる気?」と心配そうに聞いてきたので
「1つ案がある。」




