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信心1



 『信心』


 

「……本当に良いんですか?」

「が、頑張ります」

「でもその、無理はしないように」

「いってきます。一時間で帰らなかったら、救援を願います」

「ええ。いってらっしゃい」


 お化粧に、帽子、サングラス、厚手の服に、腕には長い手袋。脚は見えないようにニーハイソックスを穿いている。逆に怪しい人に見えなくもないが、観られていると感じられるよりは余程ましだろうという結論に達した為、このような格好をしている。


 私はこれから近場のスーパーに夕食の買い出しに向かうのだ。


 一週間ほど前、玄関を出ただけで吐いたのは記憶に新しいが、私は私が思っている以上に、あの日の決意が固い様子だった。


 まずは散歩や、夜間に人目がない所から、などという逃げの意見が頭の中を廻ったのは当然なのだが、昨日の事、それについて友人に相談したところ、笑われてしまった。


 hanana:夜間徘徊www老人かwww老人かwww

 ryu:貴女に相談した私が馬鹿だった。


 hanana:引きこもり仲間減るの辛いわー。辛いわー。んでもさぁ、折角やるならもう少し踏み出した方がいいんじゃねーのって思うんだけど。

 ryu:やっぱりそうかな。具体的にはどういう。


 hanana:買い物じゃね。食品買い出し。適切な距離に人間がいて、大した会話も要らないぜえ。

 ryu:その発想はあった。が、怖い怖い


 hanana:じゃあ引きこもろう。

 ryu:それもヤなのでその提案で行こうと思う。


 hanana:買い物とか超こえええ。まあそれ出来たら繰り返してみりゃいいじゃん。愛しい人とは逢えたんでしょ。なら余裕よ余裕。

 ryu:い、愛しい人とか。違うし。いや、違わないけど。いや、その


 hanana:はいはいごちそうさま。人の幸せが憎いったらないわ。人の幸福で今日も飯が不味い。

 ryu:ハナナも外出たら?


 hanana:ご勘弁をwwww拙者真性で御座るからwwwあ、サングラスと帽子とか被ればいいよ。

 ryu:なんだかんだ、助言はくれるんだね。ありがとう。


 hanana:よ、よせよ


 とまあ、このようなやり取りがあった。

 彼女は馬鹿にしているようで、思いの外身になる助言をくれる。真性の引きこもりになる前はギリギリの状態で外に出ていたらしいので、その経験を元に、多少の同情があるのかもしれない。


(よし。出る。私外出る。これから出る。直ぐ出る。やれ出る。出る時出て出た出るのです……)


 一重に精神疾患と言っても、傾向が似ているからそのように個別の病名を診断されるだけであって、個々人が症例の全てに当てはまる訳でもないという話も彼女から聞いた。


 原因となる病原体が一定の害を齎しているものとは異なる為だという。

 そもそも私は病院に行っていないし、自分がどのような精神の病に分類されるかなど知る由も無い。


 その人物がどのような経緯で人の視線を恐怖したり、その人物がどのような経験をして人を怖れたりするのか、医者がそこまではっきり解る筈がなく、本人とて曖昧な場合がある。


 更に言えば、自分が深刻な病を抱えていると思い込んでいるだけで、本当はもっと軽微なものなのかもしれない。

 私などそれに当てはまった可能性がある。


 私は診断などしていないし、外に出る事は諦めていた。故に自分がどの程度人の視線を恐ろしく感じ、男性に恐怖を抱いているかなど、改めて度合いの再確認などしていなかった。


 そうそう。そうだ。そうに違いない。

 私はもしかしたら本当は全然怖くないのかもしれない。


 脳の皺の薄い私が、ありったけ自身を説得する理論武装を固めてから、ドアノブを握り締めて、外へと出る。


(そんな訳ないでしょう……)


 気持ち悪い。私は込み上げて来るものを呑みこむ。


「タツコさん、無理は……」

「す、すごい大丈夫です。行きます」


 心配する母に見送られながら後ろ手でドアを閉める。

 今日は曇り、頭に来るような日光はなりを顰めている。一歩一歩進みながら、いつ他の部屋のドアが開かれるかと怯えながら、漸くエレベーターにまで辿り着く。


 下ボタンを押して二分。

 ここで問題が発生した。中に人がいる。


 この私が、エレベーターで、他人様と二人など、耐えられるだろうか。いや、きっと無理だ。

 ドアが開く。中から中年のオバサマが出て来る。


 私は――小さく会釈をして横に逸れてから、一目散にエレベーターへと乗り込んだ。


(ぶはっ。そうか、降りたんだ。良かった。うん)


 乗り合わせるような悲劇は起こらなかった。これは幸いである。

 ここは六階であるからして、流石にモヤシの私に階段の上り下りは酷だ。


 問題なくエレベーターは一階に辿り着いた。私は秘密兵器を取り出し、それを小さく掲げる。


(あ……本当に幾分か楽かもしれない)


 hananaの助言は見事に功を奏している。陽は無いが日傘。これだ。


 私はとても肌が弱い人という設定上にあるので、不意に誰かに突っ込まれても安心だ。彼女の謎の気づかいが実に有難い。


 マンションの前で暫く立ちすくみ、鼓動と呼吸を整える。

 近くでは小学生の男の子があちこちと走りまわっており、マンション敷地の出口付近ではオバサマが二人、話し込んでいる様子だった。長い間ここに立っているのは得策ではないとして、私は歩みを進める。


 日傘で顔を隠しながら、呼吸が荒れない程度の速足だ。


「あらこんにちは」


 そしてここでも問題が起こる。まさかの挨拶である。

 マンション内での近所付き合いを大切にしているらしく、母も良くマンションの会合には参加している。そして何より、挨拶というのは防犯の意味もあるのだ。知らない人物を発見し、即座に回覧して子供たちの安全を守ろうという、殊勝な心がけであるが、私からしたら厄介極まりない。


 無視。

 これは選択肢として有り得ない。リハビリにならないし、不審者扱いは面倒だ。

 笑顔で挨拶。

 これもない。二年半前の私とは違い、そんな愛想を振り撒けるような性格にない。


「こ、こんにちは……」


 結局、日傘で顔を隠し、聞こえるか聞こえないか程度の挨拶、が妥当だ。


「えっと」


 疑われた。こんな恰好では仕方があるまい。


「あ、は、旗本の」

「あ、旗本さん所の娘さん」

「す、すみ、すみません。肌が、よわ、弱いもので……」

「あらそーなのねえ。大変ねえ若いのに。お買いもの?」

「きょ、今日は……陽が、出ていないので」

「雨降るらしいから、気を付けてね」

「あ、ありがと、ございます。で、では」


 小さく頭を下げ、そそくさと退散する。

 怪しい人物と疑われたかもしれないが、旗本の娘である事は間違いないので、後で母に話をあわせるよう説明するべきだろう。


 道路側に出て、壁に背を寄せ、溜息を一つ吐く。

 だいぶドモってしまったものの、必要最低限の会話は出来た筈だ。


 進歩どころの話ではない。クラゲが脊椎動物に進化するくらいの過程を経たのである。

 hananaには『心因性のドモリは出るかも。まあ会話繰り返して精神的に安定したら減るんじゃね』などと軽く言われた。なんだか、何でもかんでも彼女に見透かされているようで多少気持ち悪いが、経験者曰く、と付けると含蓄がある。


 気を取り直し、近所のスーパーへと足を進める。

 流石に突然声をかけて来るような人間が跋扈している界隈ではないので、密閉空間でいつ他人様とエンカウントするか解らないマンション内よりも気楽だった。


 外界の方が個人は孤独とは、良く言ったものである。今の私には有難い。


(あー……小さく息を吸ってー……吐いてー……)


 人とすれ違う度に心臓が強く血液を押し出す為、呼吸も乱れやすくなる。信号など特に恐ろしい。こんなところで立ち往生してしまった場合どれだけ注目されるのかと考えるとまた気持ち悪くなるので、小走りで抜ける。


(早く冬にならないかな)


 冬になれば、思い切り厚着出来る。気休めではあるものの、今よりも精神的に楽になるだろう。

 そうだ、気休めでも良い。外に出る事を意識出来ている時点で、私は進歩を獲得しているのだ。

 様々と想いを巡らせながら歩いて六分ほどだろうか。目的のスーパーが観えて来る。


 スーパー八百一はここが高級住宅街に開発される前からある八百屋で、再開発の波に乗って高級志向のスーパーへと経営転換した、この地区でも名のある小売店である。


 他のスーパーとラインナップは変わらないが、そのどれもがワンランク高く、値段も高い。

 例えば水。

 天然水など二百円も出せばボトルで買える筈だが、ここに置いているものは八百円もする。


 肉は全部国産であるし、野菜も特約農家、乾物などは皇室御用達なんてものも並んでいる。

 イマドキそんな経営でやっていけるのかとも思うのだが、物事なんでもニーズは存在しているらしく、高いものから売り切れるのが常であるらしい。


 うちと言えば、ずっとこの地区で暮らしている為、ここが御用達だ。

 一流企業の部長様であり、祖父も会社会長である父などは、元から安いものは口にしないので、母も昔はその価値観の違いに頭を悩ませたという。


 母とて父と似たような境遇だが、母方はだいぶ倹約的な発想のようだ。

 私も私で母の作るもので育った為、舌が肥えていけない。


 ファストフードだって食べるが、美味しい美味しいとがっついた記憶は無いに等しい。過食していた頃は買い物の殆どが食べ物であったが、その時口にしていたものも、大体ランクが一つ二つ高いお店のテイクアウトである。


 過食期はこのスーパーにもだいぶ御世話になった。ここで売られている出来あいの幕の内弁当(三千五百円)は、いつも夜食のお供だった事を思い出す。


(思い出すだけでも吐きそう)


 食べては吐き、食べては吐き、さて何度繰り返した事か。贅沢な身の上である。


(さて……)


 私は意を決してスーパーの敷地内に入る。

 まだ買い出しの時間には早い為、人はまばらだ。国産品の良いものを野獣の如く求めて走る奥様方の群れに突撃する勇気などないので、都合が良い。


 日傘をたたみ、帽子を眼深に被って入口をくぐり、籠を抱える。

 ポケットからメモを取り出して買い物の内容を確認する。


 生姜焼き用厚切り豚肉二パック、煮物用牛肉二パック、合挽肉二パック。

 生姜一つ、韮二束、大根一本、人参一袋、ほうれん草一束、モロヘイヤ一束。

 梅干し一パック、エクストラバージンオリーブオイル一瓶、オイルサーディン二缶。


 恐らく家にないものだけを買い足す目的の買い物なのだろう。しかしながら、モヤシの私にはいささか重い荷物のような気がしてならない。

 だが、最後に付け加えられた一行で納得した。


(名前を出せば届けて貰えます)


 なるほど、宅配してくれるらしい。

 が、つまりそれは会話が一つ増えると言う事である。母は酷い人だ。


 とはいえ、七難八苦与えたまへとのたまったばかりであるからして、このぐらいこなせねば未来がない。


 私は買い物台車を引っ張って来て、籠を乗せる。ガシャンと物音がたち、私一人で驚いて辺りを見回す。誰も気にしていない事を確認してから、買い物を始める。


 何にしても、注目されるのだけは勘弁願いたい。

 ストレスがかかりすぎて店内で嘔吐ぶちまけなんて真似をしたら、私はその場で自殺しかねないので、意地でも堪える必要がある。


 警戒しながら野菜コーナーに周り、韮と大根とニンジン、ほうれん草とモロヘイヤを確保する。辺りに気を配りながら買い物をしなければならない私は、動作一つ一つが心労だ。もしぶつかりなぞしたら、パニックを起こしそうである。


 順調に見えた買い物だがしかし、生姜、生姜はどこだろうか。

 パックか袋に入っていたと記憶するが、冷蔵根モノの棚に見当たらない。では豆苗やサヤエンドウ、ミョウガや大葉などの薬味が並んでいる所だろうか。しかし見当たらない。


 近くにバイトらしき店員がいる。

 声をかけろと。

 私から。


 無理な相談だ。女性ならまだしも、男性である。


 視線を巡らし、あちこちと探しまわるも、見当たらない。


「何かお探しですか?」

「ひゃいッ」


 冷蔵棚の前で留まっていると、店員に声をかけられた。私は跳ねあがるようにして振り向いて後ろに下がる。


「ああああああ……ッ」

「大丈夫ですか?」

「あの。あ、しょ、生姜は」

「棚ー……にありませんね。バックヤードを確認しますので、少々お待ち下さい」


 店員が頭を下げて去るのと同時に、私は壁によって身を預ける。

 不意打ちはいけない。覚悟して話しても引けてしまうのに、唐突に声をかけるのは反則である。

 父以外の男性の顔をまともに見るのも久々だ。


 呼吸を整えながら、辺りに気を配る。変な目で此方を見ている人はいない。

 それもそうだ、店員と会話したぐらいで気にする人間などいる訳がない。

 鏡を取り出し、自身の顔を確かめる。


 大丈夫、身が細すぎるなんて誰も思わない。顔だって変じゃない。大丈夫だ。


「お待たせしました。午後の品だし前だったようで。此方で宜しいですか」


 私はコクコクと頷き、それを受け取るでなく、籠を指差す。彼はそれを察して籠に生姜を入れてくれた。


「では、ごゆっくりお買いものください」


 頷く。彼はまた仕事に戻って行った。流石に高級スーパーなだけあって、バイトも丁寧だ。

 私は気を取り直して、買い物を続ける。

 精肉コーナーは問題なく、全て揃っていた。


 加工品コーナーで塩分高めの梅干しを獲得してから、調味料棚でオリーブオイルを、缶詰め棚でオイルサーディンを見つけ、一応の目的を達成する。


(……これは)


 レジに向かう通路の途中、お菓子棚が目に入った。過食期に大量に買い込んだ記憶がある。

 お菓子に関しては『甘くてカロリーが高い』というだけを理由に買ったので、味は気にしなかった。


 何となしに、その頃常食していた袋入りのチョコを手に取る。

 瞬間嫌な感覚が過る。


 そのビニール袋を握った感触、ガサガサという音、同時に味と匂いが想起され、私は口元を押さえる。


(これ駄目な奴だ……ッ)


 何か、何か吐けるものは無いか。

 いや、そもそもこんなところでぶちまけてしまったら、私はどうにかなってしまうのではないか。


 酸っぱい水が込み上げて来る。何か頭もぐらぐらと揺らぎ始め、床に蹲る。

 私の心的外傷、とまでは言わないまでも、嫌な思い出を想起するトリガーはハッキリしていない。そもそも思い出すようなものには近づかない環境にあった所為で、自身の弱点がまるで解らないのだ。


 過食期は、弁当を食べて、砂糖を沢山いれた紅茶をがぶ飲みして、寝ながらこのチョコを口に放り込むような生活をしていた。大体、これを食べた後は、夜中に起きあがって嘔吐していたのである。


 迂闊。

 だが、どうする。


 今更後悔していられない。

 思考がぐるぐると頭の中を回る。


 まさか商品の袋に吐けない。

 精肉パックを別個にする為の薄いビニール袋……は、私は生憎つけなかった。


「ちょい、だいじょぶ?」


 そして、このタイミングで人に話しかけられる。顔を覆う為にしていたサングラスがポロリと落ちて、顔が晒されてしまう。私はよっぽど酷い顔をしていたのか、私を観た女性は一瞬顔をひきつらせる。


「あ、ゲロか、こりゃ大変だ。えーと……あ、これ、エコバッグ」


 私は猛烈に首を振る。人様のエコバッグにぶちまけられない。


「いいから、安ものだから。でも耐水だから、多少なら大丈夫。ほら。端に寄って」


 私は彼女に促され、柱の影に寄ってしゃがみ込み、ペコペコと頭を下げながらエコバッグを拝借する。


 彼女は私を隠すように立ってくれている。なんて優しい人か。


「ぅぉげ」


 ――非常に醜く汚い音が周囲に響く。死にたい。死にたい度が最高潮だ。


「一先ずー……荷物預けるか。店員さん、これ買い物中だから端寄せててー」

「え、あ、はい。あの、どうかされましたか?」

「女の子のデリケートなもんだよ察してくれ。御手洗い何処」

「あ、左様ですか。この通路の右手奥で御座います」

「あんがと」


 女性に肩を抱かれたまま、私は御手洗いに退散する。

 何度も何度も頭を下げながら、個室に引きこもってそれから二度ほど戻す。


「うぅぅぅ……ッ」


 洗面台の前に立っていると、己の情けなさが悔しくて涙が出る。まさかチョコの袋掴んだだけでこうなるとは、流石に回避不能のアクシデントだ。


 外に出ている間、これから特に食に関するものについて、気をつけねばならないものが沢山出て来るだろう。常に何かに気を使い続ける生活は、考えるだけで憂鬱だ。


 薄暗い気持ちがドンドンと私の心を侵食し始める。

 私は頭を振り、ポケットから手帳を取り出して眺める。


(大丈夫、大丈夫……大丈夫です、カナメ様。タツコは大丈夫です……)


 カナメからもらった写真だ。この子の笑顔を見ていると、嫌な気分が散る。


 そうだ。私は彼女を支えに生きている。これから彼女の為に生きるのだ。これぐらいで躓いては居られない。


 口を濯ぎ、口元のメイクを直す。サングラスは……先ほど落としただろうか。仕方がない。

 御手洗いから出ると、丁度アレ塗れのエコバッグをゴミ箱に突っ込む彼女の姿が観えた。私が近づくと振り返り、暗さ一つない顔でケロリとしている。


「いや、大変だね。ツワリ? それとも風邪気味とか。あるよねー。なんか匂い嗅いじゃってオエーってなる奴。私中学んときさー、風邪気味なのに学校行って教室でぶちまけてさー。以降渾名がゲロ江なんだよね。あ、大丈夫、男子は全員ぶん殴ったから。あはは」

「……弁償します」

「良いって。気にしないでよ」


 何とも、豪胆な人だ。

 ポニーテールにまとめた茶髪、シャツに短い皮のジャケットを羽織っており、下は細身のジーパンだ。観るからに生きている世界が違う感じのする、活発な女性である。


 健康的な体躯である。実に羨ましい。


「でも」

「いいって。あ、そうだそうだ、代わりといっちゃなんだけど、道教えてくんない?」

「……どこでしょう」

「工藤不動産って知らない? 実はこっち越して来たんだけど、ネットで決めちゃってさ。現地がどこかわっかんないんだよねー」

「……携帯電話で、地図とか」

「地図読むの超下手なんだなっコレが」


 カラカラと笑う女性を前に、私は躊躇っていた。

 さてどうしたものか。


 工藤不動産ならば、記憶にある場所だ。ここから道案内してくれというのならば出来なくもないが、現在ミッションの遂行中である。一時間経って戻らねば母がやってくる。


 そもそも、悪い人には観えないものの、ついていって何かしらに巻き込まれたら怖い。

 が、恩義もある。彼女がいなかったとしたら、私は一体どれだけの醜態をさらしただろうか。


「お買いもの、済ませてからでも、良いでしょうか」

「勿論! いや助かる助かるー。あ、お名前聴いておこうかな。私は大武華江」

「旗本竜子です。その、もう良いですか。あの、会話するの、苦手で」

「あら、そうなの。可愛いのにコミュニケーション取れないと大変だな」

「かわ」

「あン?」

「――いえ。あの、少々お待ちください」

「あいよー。あ、これサングラス」

「どうも」


 買い物台車を置いて来た場所に戻り、回収してからそそくさと会計を済ませる。

 あんな事があった後、レジの店員が若い女性であった事、うちの母を良く知っていた事で、実にスムーズに配達手配も終えた。


 嘔吐危機に比べれば、女性との会話など辛いうちに入らないのだなと、嫌な形で認識が改まる。

 外に出てみると、華江は喫煙場所で携帯を弄っているのが見て取れた。私が近づくと、彼女が笑顔で私を出迎える。


「おつかれさん。車で来てるんだけど良いかな」

「あの、少し。待って下さい。母に、電話、しないと」

「そっか。ここそういう所だったなー。あ、悪いね、成り金みたいなもんでさ、あぶく銭でここに家買ったのよ。あぶくっつっても相当でかいあぶくなんだけど。あ、じゃあ携帯どうぞー」

「済みません」


 華江に携帯を借り、家に電話する。数コール後母が出る。


『はい、旗本でございます』

「お母様ですか。タツコです」

『あら……携帯電話から……?』

「はい。その、道案内を頼まれまして。買い物は終えましたので、大丈夫です。一時間過ぎるかと思いましたので、電話しました」

『道案内……あの、大丈夫ですか?』


 華江に目を向ける。彼女はすぐ察したのか、携帯を受け取って調子の良い声で話し始める。


「あ、こりゃどうもお母様。実はですね、縁あってお知り合いになりまして。近所の不動産まで案内してもらう事になりましてね。あ、怪しいものじゃありませんよ。じゃあ携帯番号と、ええ、名前と、住所……はいはい。大武華江です。あ、タツコちゃん。御母さん相当心配してるし、車のナンバー控えて教えてあげて?」


 そのように言われ、指されれた車の番号を控える。母は私が外で人と話す事自体を疑っていた様子だ。当然といえば当然である。


「お母様。間違いありません。はい」

『えーと。晩御飯は、要りますか?』

「えっと。道案内を終えたら、直ぐ帰りますので」

『解りました。気を付けてくださいね』


 私は電話を切り、大きく溜息を吐く。まさしく初めて外に出た小学生が如き扱いである。まったくもって不甲斐ない。どこの世界に二十歳で外出許可を取る大人がいるのか。

 いるか。ここに。


「なんか、ずいぶん特殊だねえ」

「心配かけて、育ちましたので」

「お嬢様だったなあ。ま、いいか。取り敢えず道案内お願いねー」

「はい」


 華江に促され、早速車に乗り込む。

 私は車に詳しくないが、これが相当高級なセダンである事ぐらいは直ぐに解った。国産車であるが、確かスポーツカーコンセプトで、小首を傾げるような値段だった筈だ。


 二十代前半に見えるこのヒトが乗るには、いささか似つかわしくない。しかもこの住宅街に住むとなると、借家とはいえ結構なお値段になってしまう。それを下調べせずネットで決めるというのだから、その適当さ加減が彼女の資産の怪しげな額を提示する。


「マンションですか」

「そうそうマンション。安かったから、倉庫含め二部屋買ったの」

「……」


 賃貸ではないらしい。私は頭を押さえる。この辺りのマンション一部屋、安くても三千万くらいだ。それを二部屋。


「取り敢えず予約だけして、これから不動産とお話なのよさ。まあ間違いなく買うから良いんだけど」

「資産家なんですね」

「人生数周遊び倒すぐらいにはねえ」

「次右です」

「あいあいさ」


 彼女はずいぶんと楽しそうだ。私より少し上程度で、これほどまでに人間には格差があるのかと思い知らされる。彼女はきっと悩みの一つも無いだろう。


 汚い話だが、世の中の悩みは大体お金で解決してしまう。お金で乗り越えられないものといえば、不治の病か人の死ぐらいだろう。


 私はこのコンプレックスがあるけれど、それだけ個人で使えるお金が有り余っていたら、悩むのも馬鹿らしくなるかもしれない。今どき身体だってお金で変えられる。


「次左です」

「あいよ……ところでタツコちゃん」

「はい」

「実は、この辺りに知人の家があるって聞いてるんだよね。確か歳が近くてさ、もしかしたら知り合いかもって思ったんだけど」


 昔の事は思い出したくないので、振られて困る話題のナンバーワンと言える。

 中学ぐらいまでならまだしも、高校ともなると確かに近所だが、当時から引きこもっていた私が彼等彼女等の中でなんと噂されていたかなんて考えると、身の毛もよだつ。


 当然記憶の片隅程度にしか私の印象など無いだろうが。


「私、二十歳ですけど」

「そうなの? 私二十三だけど」

「――凄く大人に見えます」

「老けてるって事?」

「い、いえ。なんだか、人生の差を感じるというか」

「だはは。まあ言われる。おとなしい格好苦手でさ。見た目もハスッぽくしちゃうんだよねえ。あ、元ヤンとかじゃないぞ?」

「それで、その人は」

「ああ。何でも重度の引きこもりらしくて。ここ最近はリハビリにいそしんでるらしいね」


 私は――ちらりと彼女に視線を向ける。

 何か横隔膜辺りから持ちあがってくるような、嫌な感じを覚える。


 ネットの知り合いか。

 しかしながら、常に会話している子といえば、数人しかいない。


 一番親しい彼女は真性の引きこもりで、外など出る訳がない。


「ええと――その――」

「そうそう。日傘と帽子被って、サングラスでもかけてみれば出歩けるんじゃないかって、助言したっけねえ。まさか馬鹿正直にそんな格好するとは。一発で解った」

「うっ……」


 彼女も此方に視線を向け、ニンマリと笑う。私はまるで、狐につままれたかのような気分だ。


 ああ――目に見えない人間を信用してはいけないのだ。嘘なんて幾らでも吐ける。


「は、ハナナ」

「おいす、リュウちゃん。んふふふふっ」


 車がコンビニの駐車場で止まる。私の思考回路も止まりそうだった。

 彼女が此方に顔を近づけ、まるで舐めまわすように観る。私は自身の身体を両手で抱きしめて、顔を逸らす。


 直接的に自分の住所を告げた覚えはないものの、どのあたりに住んでいるかという話はした記憶がある。まさかそれだけで目星をつけた訳ではあるまいが、過去のチャットログから幾つか推測出来る点を拾い上げて、ここを特定したのだろうか。


「うーん……出来が良いなあ……」


 私の知るhananaという人物は、良く言えばマメ、悪く言えばおせっかいでシツコイ。

 彼女に目を付けられた人物がチャットを去って行ったのは、あらゆる方面から嫌がらせを受けた所為ではないか、というのが私の推論だ。


 良く話せば実に友好的で、あらゆる情報を提供してくれるのだが……。


「そ、そんな見ないで」


 私はどこで間違えただろうか。まさか、相手の車の中でオフ会をやるハメになるとは考えなかった。


「想像と違ったな。もう少しネガで、いまいちパッとしない子かと思ったんだけど」

「ひ、引きこもりじゃなかったの……?」

「ぶはっ。ネットの人間の話を真に受けちゃだめだよ。まあ確かに引きこもり気味かもしんないけどね。働く必要ないし。ああでも、運が良いってのは本当だよ」

「どういう……」

「生きる為に大博打に出たら大当たりしたの。ああ、でも、リュウちゃんに話した私の境遇、あれは嘘じゃない。以前はそうだった」


 彼女は嬉しそうだ。何がそんなに嬉しいのだろうか。まさか、私を笑いに来た訳ではあるまい。


「い、一体、何が目的」

「支援に来たの。私はリュウちゃんに恩義があるから」


 そんな。まるでMMORPGのボス戦で苦戦している所に駆け付けた増援でもあるまいに。

 確かに、彼女とネットゲームなどしていると、良く助けられる。アイテムにもレベル上げにも苦労した記憶はない。しかし、これは現実だ。現実で、わざわざこんなところまでやってきたのか。しかも、拠点まで構えて?


 そんな人間いてたまるか。私はいぶかしむようにして彼女を睨む。


「あ、ちょ。そんな顔しないで。怪しい奴じゃ御座いませんって」

「ハナナ、貴女、少し怖い」

「良く言われる。でも本当なんだよ。いやその、目星つけてストーカーしたのは本当だけど……」

「ぐ、偶然じゃないの」

「そんな偶然が起こる程、日本は狭くない。チャットのログ一年分からリュウちゃんの実家特定して、んで昨日のチャットでほら、外出るって言ってたから、張ってたの。直ぐわかった……ああ、そんな顔しないでよ」

「す、ストーカー」

「ま、まあまあ落ち着いて。とって食おうなんて訳じゃないんだ。私は恩を返しに来たの」

「そんな、恩なんて売りつけた覚え、ないけれど」

「聞いて、リュウちゃん」


 そういって、彼女は私の手を握り締める。非常に恐ろしいのだが、私の非力な腕ではどうする事も出来ない。暫くもがいていると、彼女が泣いているのが解った。


 どういう事か。


「……私、あんまり性格良くないから。ワガママだし。友達も少ないし。ネットですら嫌われる始末だし。でも、リュウちゃんは邪険に扱わなかっただろう? リュウちゃんと話すのばっかりが楽しみだったんだよ」

「だから、引きこもってようなんて」

「それはそれで寂しいけど。でも、外に出れるようなったら、私と会える機会が出来るじゃん。リュウちゃん辛そうだったし。あの、無茶苦茶かもしんないけど、社会復帰手伝えるなら、手伝おうと思ったんだよ」

「そんな事までしなくても。ネットで会話したぐらいで、そこまで恩義感じる必要なんてないのに」

「ずっと薄暗い環境に暮らしてたんだ。リュウちゃんだけが頼りだったんだ。今こうしているのも、リュウちゃんのお陰なんだって。あ、き、気持ち悪いか、ご、ごめん」


 彼女の言う事は、あまり論理的ではない。

 あらゆる物事が、私という人間に無理矢理結び付けられているだけであって、私が彼女の幸福に寄与した覚えはなく、事実も無い。


 ただ、考えるに。それは、私のカナメに対する感情に似たものがあるのかもしれない。


 カナメは何もしていない。そこに居てくれただけだ。そのカナメを神の如く敬って憚らない私は、今のハナナに似ている。理由づけは何でもいいのだ。自身を保つに必要であったと、そう判断する気持ちのみである。


「め、迷惑……かなあ……」

「い、いや、その……驚きの方が大きくて。手を離して」

「あ、ご、ごめん」

「印象、違うね。もっとこう、酷い感じかと思った」

「そう? どんな感じに見える?」

「怖い人」

「……」

「連絡するなり、他の手段があったでしょうに」

「私と逢ってくれなんて話、リュウちゃんが受ける?」

「受けない」

「だよねえ。ま、ほら。その、便利屋かなんかだと思ってよ」

「便利屋?」

「そうそう。多分、外に出るにしても、何かしら困る事があるだろう。お金かかる事も、人数合わせも、一人で入れない所行く時も、何にでも使えるよ?」

「そんな、モノじゃあるまいに」

「それでいいんだって。リュウちゃんの社会復帰手伝わせて」


 私は……彼女にハンカチを差し出す。ハナナはそれを受け取ると、なんだか子供のように嬉しそうに笑って、目元を拭う。


 彼女は、自身の境遇を嘘ではないと言った。

 つまるところ、その出来あがった資金でもって、自身を取り巻く不幸を全て払いのけたのだろう。それもここ最近の出来事のように思える。彼女はそんな素振りを一切見せず、私と話していた訳だ。


 その中で、彼女は私との会話を、とても強く重視していたのだろう。ベランダでカナメと会話する私と同じように。隔てるモノは壁か電話線かの違いである。


 だからもしかすると、今のハナナは、初めてカナメと出会った私と、同等の感情を抱いているのかもしれない。確かに、それならば、突然泣きだしてしまうのも、頷けた。


 私も本当につい最近、そのようなものを味わったばかりだ。


「便利屋とか、そういうのは、良い。でも、お友達なら都合が良いかもね」

「じゃ、じゃあ。直接逢って話したり、なんか、どこか、どこでもいいや、出掛けたりしても、いい?」

「ま、街の中はまだ怖い――今日なんて、初めて買い物に出たのに……」

「だからさ、私とリハビリしよう。車あればどこでも行けるし。家も近所になるしっ」

「ま、まあそうだけど」

「よしよし、じゃあパッパとお家買いに行きますか! あ、不動産解らないのも本当なんだよね」

「……駐車場出て左」

「あいよっ」


 私は小さく溜息を吐く。ハナナは上機嫌そのものだ。

 まさか初めての買い物で『こんな彼女』に遭遇するとは。私は、私が動く度に主目的とは別の出来事が起こる身の上にあるのかもしれない。


 彼女の存在が、私にとって良いものではれば良いが、ハナナという時点で不安だ。電話線の先から現れた彼女が齎すものは、果して幸か不幸か。彼女の近くでは、大人しいリハビリなどあったものではないような気がする。


「そこです。駐車場は手前」

「あいよっと。……到着。いや、ありがと。あ、そうだ。えーと、ペンと、紙と」

「何?」

「連絡先。暫くは近くのホテルに滞在してる。そうだ、連絡大変だし、私名義で携帯買おう」

「え……いや、それは」

「買っておく。好きに使っていいから」

「なんでそこまで」

「なんでって?」

「だって。ネットでお話ししていただけなのに」

「光」

「光? 回線?」

「あはは。違う違う。荒んで、何もかも嫌になって、塞ぎこんでいる所で、私はリュウちゃんに出会った。私がそう思っているだけ。だから、気にしないで。ああ、もしよかったら、リハビリがてらにホテルまで来てよ。そこで携帯渡すから。あ、家までどうする? タクシー代だすけど」

「歩いて帰れる距離だから、良いよ」

「そっか。ふふ。じゃあ、またね、リュウちゃん。あ、タツコがいい?」

「タツコで」

「じゃあタツコもハナエって呼んで」

「……うん。また」


 彼女が不動産の建物に入って行くのを見守ってから、私は歩き始める。ここから自宅までは歩いて五分程度だ。スーパーとは反対側である。


 歩きながら、彼女の事を考える。すっかり呑みこまれてしまった。真性引きこもりだと思っていた人が、気が付いたら目の前に現れてパトロン宣言した、という謎めいた状況に頭を抱える。


 それこそ、近くに人が通ろうとも心臓一つ揺るがない程に、ハナエの出来事が大きすぎて、周りの事がどうでも良くなっている。


(もしかして私……そうだね。やっぱり、思っていた通り、自覚しようとしていた通り、周りの人なんて、他人を何とも思っていない。わざわざ通行人の身体を舐めまわすように観る奴なんて、そうそういない)


 自己相対化というか、自意識と現実の擦り合わせが行われている。

 脳内でどれだけ考えようとも、所詮は絵空事、何事も実践があってこそ、更なる発展があるのだ。


 私の心と、私の周囲の差が、物凄い速度で埋められているような気がする。つい一週間までまで外に出る事など考えもしなかった一方通行の人生に、突如として数兆通りの選択肢が生まれたのだ。世界が広がる不安は大きいものの、同時に期待が少なからず産まれる。


 女の子でいられなかった私が、それらを踏み拉いて、その先に向かう。なるべくなら幸福な道を選ぼうと、今必死になっている最中だ。


(カナメ様、私頑張りますから)


 彼女の笑顔を想像し、心が明るくなる。

 一週間前にしたあの約束を、私は絶対に破りたくない。


 カナメによって私が社会から守られる為に社会に立ち向かうという、本末転倒な、しかし一番正しい選択肢を私は選んだ。カナメと同じ時間、同じ世界を生きる為には、今が必要不可欠なのである。


 彼女が愛しい。

 彼女の傍に居たい。

 これからずっとだ。

 だが、今は逢えない。


『貴女を守りたいのは山々よ。でも、きっと貴女は弱い子だから、すぐ縋ってしまう。それでは何時まで経っても立ち上がれないわ。最初の一か月。その間だけは、顔を合わせず、ベランダでも会わないようにしましょう』

『そんな――私、もっと、ずっと、カナメ様のお傍にいたい』

『辛いのは私も同じよ。でも、我慢して頂戴。私の望みなの』

『――わかり、ました』


 ここ一週間、私はカナメと話していない。日課の時間になっても、ベランダの女王が現れる事はなかった。


 ただ、思うのだ。

 彼女は少しの間離れてしまうが、私の心には確固とした信心が根付いている。彼女を慕い敬う心が、私の脆弱な精神を救ってくれる。今日とて何度彼女にお世話になったか解らない。宗教というものがいまいちピンとこない典型的日本人であった私だが、今ならばその意味がしっかりと理解出来る。


 彼女は国であり、王であり、神であり、教義なのだ。

 私はそれを守る義務がある。


「ただ今戻りました」


 私の初外出は終えられる。戻ると、母がスリッパをパタパタとさせて現れた。その顔は不安に彩られていたが……私の顔を見て、ホッと胸を撫で下ろしている。


「御帰りなさい。荷物はもう届いていますよ。おつかれさまです」

「はい。一度吐きましたが、他は大丈夫でした」

「お茶にしましょう」

「はい……あの、お母様」

「なんでしょう」

「有難うございます」


 その時どんな顔をしていたのか、私には解らない。ただ、母は酷く嬉しそうに私を抱きしめてくれた。今まで感じた、母に対する劣等感は無いに等し。素直に、母を抱きしめ返す。


 拙い一歩だが、ベランダの民である私は、とうとう外に出たのだ。



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