CONTINUE・21 healing~治癒~1
ライヤさんが発破を掛けて騎士達の気合いが高まった事で残っていた魔物達はどんどんと倒されていってるのだが………。
「勇者様!重傷者です!」
「っ!分かりました!」
「…………う…うぅ」
「左腕が骨まで切られてるな………右は骨折か……他にも肋骨に右足も折れてるな。直ぐに治すからもう少しだけ我慢してくれ。ヒール!」
「「「おぉぉ!」」」
「……………腕が……俺の腕が動くぞ!……これでまだ戦える!」
「凄い!」
「流石だ!」
「あの重症を1回で治して仕舞われるとわ………これぞ奇跡だ!」
「それにしても、これだけ魔法を使っているにも関わらずMPが切れる様子もない………羨ましい限りです」
「しかも!ここで回復魔法を使われる前に外の壁を作ったのも勇者様だと言うでは無いですか!これでこの世界は救われる!」
「ええ、その通りですな!それにそのMPお陰でこちらは楽が出来て助かっておりますしな!はっはっは!」
俺が魔法を使って重傷者を治し終わったら周りに居た俺を呼ぶこの遠征軍の回復を担当する神官達が話始めた。
しかし、何で俺は回復役を担当しているんだ?。
どっちかって言うと被害を押さえる為と経験値を稼いで強くなる為に戦いたいのだが………。
「それにしても助かりました………」
「ええ、我々では彼等を死なせる所でした………」
「そうですな……実際MPが足りず死なせてしまった者達も居ましたからな………」
そう、俺がここで回復役に徹している理由は正に神官達のMP不足なのだ。
俺の予定では全員神殿に避難してから回復魔法を使い怪我をした人達を治していく予定だったのだ。
しかし、実際は神官達の数が足りずその上MPの回復よりも怪我人が出る方が早く消費する一方で少し前から回復薬も切れ後は回復出来なかった者から死んで行くのをただ待つだけになっていたのだ。
だがそんなときに俺が戦場で怪我をした人を治していたのを彼等は見付け俺に怪我人の治癒をしてくれと頼んできたのだ。
………本当は経験値を稼ぎたかったが人命の方が大事だと言う事でこの戦場の中心に作られている簡易治癒テントで回復役をしているのだ。
それにしても………。
「………怪我人が多いいな………一体どれだけの人が居るんだ」
「1万人です」
そう言いながらアルバートさんがテントの中に入って来た。
「アルバートさん………それは怪我人の数ですか?それとも現在生きている方達の数ですか?」
「いいえ、この勇者召喚の為に集められた人数です………現在の残りの戦力に関してはハッキリとはしていません。………予想を多分に含んだモノでしたらお答え出来ますが」
「………聞かせてください」
「分かりました………現在我々の残存戦力ですが凡そ………怪我人が重軽傷者合わせて3千程………戦線で戦っているのが凡そ3千5百程………残りは死者です」
詰まり俺を召喚する為に約3千5百人の人が亡くなっていると言う事だ。
こんな俺を呼び出す為にそんなにも………そう思っていたのだがその後にアルバートさんが言った言葉で俺は驚いた。
「しかし、これは最初の予定とは違いとて良い結果なのです」
「え?どう言う事ですか?」
「まず我々が最初に立てていた予定では最悪は全滅、良くて姫様と勇者様そして数名の護衛を残し後の者はここで死ぬ予定だったのです」
「え!?」
どう言う事なのか分からなかった。
それは詰まりここに居る人達はここを死地として来ていて誰も生き残らないと考えていたと言う事だ。
俺は暫くの間その言葉に唖然として言葉を発する事も出来なくなっていた。
そして、その後にアルバートさんが言った言葉はそんな俺を更に驚かせた。
「しかし、その予測は大きく外れました。………それは勇者として召喚されたユージ様あなたのお陰です」
俺のお陰?一体どう言う事なのだろう?。
俺は混乱した頭でその説明を待った。




