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ナツハナビ  作者: 真夏夏
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7.今届け 君のもとへと ナツハナビ

 不安だ。

 彼がそばにいるのかもわからない。

 だけど信じている。

 あの歌は彼のものだ。だから彼は私のそばにいるはずだ。

 夜空に大きな花火が次々と打ち上がっていく。

「ねえ、良樹。金魚すくい、やらない?」

 そう言っても返事はないのに。

 彼だったらきっとこう答えるだろう。

「うん、いいよ」

 って。

 だから私は彼と金魚すくいのところに行く。

 カランコロンと下駄が足の裏に響く。

「ねえ、聞こえてる?」

 聞こえてるよ。

「金魚たくさんいるよ……ほら、こんなに」

 そうだね。

「良樹もやらない?」

 僕はいいから和葉、やりなよ。

「うん……」

 ポイをもらって、水につける。

 全部つけてから掬うんだよって教えてくれた二年前の夏。

「捕れたよ」

 三匹、お椀の中に入れる。

「ほい、お嬢ちゃん」

「あの――要らないです。死ぬのは、もう」

「……ほい、わかったよ」

 私はお椀の中の金魚を元の水槽へと放つ。

 私は立ち上がって歩き出す。いろんな店が両脇に続いていく。

「良樹」

 なに?

「どっかで花火、見ようよ」

 なら、あの神社のあたりがいいよ。

「わかった」

 隣に彼がいるようで、そんな幻覚が見えて欲しいような、でもそうしたら何か取り返しの付かないことになってしまいそうな。そんな感じがする。

 私と彼は神社に向かう。足音は一人分。会話は二人分。

 人混みに揉まれても、繋いだ手が離れない限り。


   ***


 花火が闇に弾ける。

 熊手状の閃光の軌跡が夜空に咲く。


 そこでふと気づく。 

 

 二人の間に会話はいらないんだ。

 最初から。わかってたじゃないか。

 私と彼はそんなもの無くても。

 夏の夜風が二人の間を駆ける。

「あはは、なんだろね。不思議な気持ち」

「こうしてずっとそばにいた人が急にいなくなるって、なんか不思議だよ。不思議で……不思議で……不安」

 大きな花火が、赤緑青黄色、なんでもある。

 ただ、無いのが君の色。

 これから上がる君の色。

 良樹はきっと、大丈夫。


 私は息を吸った。

 夏のひんやりとした空気が肺に満たされる。


「夏空に」


  打ち上がるのは


     きみのいろ


 最期に咲くは


    命の花火――



 ふと手に何かが触れる。

 私はそれを取ると、あの部屋で見たのと同じ色紙だ。

 花火の明かりに照らして読む。


『夏の宵』


  最期に伝えむ


     この思い


 命はかなし


     生なる花火――


 こんにちは、真夏夏です。


 いや、今回は即興小説という形を取らせてもらいました。

 何も後先考えず書きまくったので、多分腑に落ちない点があるかと思いますが、それは筆者の力不足です。ごめんなさい。

 THE EARTHについてですが、いずれか私の作品にて登場する予定です。


 それでは本編の内容について触れていきたいと思います。


 本作品は、筆者が今日あった花火大会に参加できないということから書き始めました。そうです、彼女なんていません。

 スーパーウルトラ孤独感の中、ひたすら書き続けました。もうこのくらいが限界です、というのも受験勉強をしなければならないので……。

『あの場所』から読んでくださっている方には申し訳ないのですが、当面の間あちらの小説の更新予定はありません。


 本当はもっと明るい作品にする予定でした。

 ふたりでいちゃいちゃしながら夏の思い出を作っていくって感じの。

 しかし、初っ端から彼が溺れるという事態が発生。まさかの鬱展開でした。

 なんかごめんなさい。

 書けないんです、自分がそういう明るい経験をしていないと。

 もう後一回花火があるのですが、それまでに一緒にいく相手が見つかるといいのですが。


 難しいですね。

 小説で恋愛するのも、現実で恋愛するのも。

 こうして歌を詠み合ってれば心が通じるってのが私の理想なのですが、如何せん、そういう人があまりいないっていう問題点が存在しています。

 あと1000年早く生まれていれば良かったと思いますね。

 花火は無いですが、をかしがあります。


『死を扱うテーマが多い』とよく言われます。

 学校の部誌の方では「大量殺人鬼」と称されたり。不名誉だ。

 というのも、小説を書き始めたきっかけが『死』でしたのでどうもそこから離れるにも離れられないのです。



 それでは、今回はこのへんで。

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