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「血の味覚は、とても重要だ。
想いが深ければ深い程、量は反比例する。
血で狂わされ、
見境なく飲んでいる血縁者よりも、
その質は限りなく高い。」
・・・・・・ちょっと待て。
「互いに、想えば想う程
力が強くなるのよ。ステキね。うふふふ。」
奏子。ニヤニヤすんな。
「両親の為にも、これ以上他の人に
悲しい思いはさせたくない。
・・・・・・願いでもあると思うの。
血で狂わされている吸血鬼を、
止めたいっていう思いも。
だから、よろしくお願いします。
協力させてください。」
ぺこりと、杏奈は頭を下げる。
・・・・・・お前、それでいいのかよ。
「アンナちゃん。念のために聞くが、本当に
朔耶の麻酔は効かなかったんだね?」
そう。それだ。
俺も聞きたい。




