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「えへへ。何話してくれんのかな~。」
言われた通りにベンチに座ると、杏奈は
踵を地面にトントンしながら見上げてくる。
普通なら、かわいいと思うところだろう。
しかし、この楽しそうなのが、
逆に身構えてしまう。
隣に座るのを少し躊躇ったが、
出来る限り距離を空けて、腰を下ろした。
これを、チャンスだと考えよう。
はっきりさせてやる。
「・・・・・・お前ってさ。何で、俺に絡むんだ?」
「え?・・・クラス委員長としての役目、かな。」
「それだけ?」
「・・・・・・それだけ、って、何?」
「お前ってさ、俺の事好きなのか?」
その言葉で、杏奈の様子が
おかしくなった。




