ははと×ブレード
父からの衝撃は計り知れなかった。
自らを育てた父親が、魔法少女として世のため、人のためにフリフリの女児服を身に纏い戦って居る事実に。
今日、俺は母から衝撃を受けた。
自らを生み出した母が、姫騎士として世のため、人のためにと姫のような恰好で戦って居たと言うその事実よ。
《私が言うのもなんですが、集人さんって呪われてるんじゃないですか?》
衝撃のファクターの一つが言うか。俺もビックリだよ。
黒い刃が、影の尾を引きながら、『The END』を砕く。
《『The END』と戦える存在が私たち以外にも居るとは……》
もう、考えたくないので消えゆく『The END』の亡骸を見つめる。
「塵芥共め! 消えろ!!」
言葉と共に振るわれる刃。冗談のように大振り。普通に考えれば届くはずの無い、当たるはずの無いその一振り。
しかし、まるで吸い込まれるようにその斬撃に飲まれる『The END』。
振るう、振るう、振るう。黒の刃が、光を喰らい、闇を産み、残像を残す。
黒き斬撃の跡。舞うように剣を振るうサヨコ。まるで絵画のよう。
どれだけの時間がたっただろうか。気が付けば『The END』は周囲から消えていた。
「シュウ、悪いな。ゆっくりと話すつもりだったんだが」
そう良い、剣を振るい、残った『The END』の残骸を飛ばすサヨコ。
俺は立ち上がろうとするが、動けずに居た。
「今のが、『穢れ』この国を蝕む怨敵だ」
表情を一切変えず、サヨコが言う。
『穢れ』、『The END』の事か。
この国? 確かにほかの国で戦ってるって話は聞いてないな。
「穢れ……?」
サヨコは少し考えるような表情の後、剣を俺に向けた。
「穢れと戦うための力が必要なんだ。大いなる力は既に有る、それを振るう者が必要でな」
なぜだろうか、少し、少しだけ嫌な予感がする。
具体的に言えばエイダと会った時と同じような嫌な感じ。
「シュウ、私に付いて来い――その為に、お前は産まれたのだから」
――ほらさ、だから嫌だったんだ。




