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魔汁キンミャー焼酎を異世界で  作者: 水野しん
第七章 ミスリルの約束
92/230

92話

 チコリから渡された絵本。そこに描かれた物語はどころかで聞いたような、いや!さっきまでサラ達と一緒にやってきた事だった。

 伝承の物語なので特に作者がクレジットされている訳ではないらしい。絵を描いた人だけが載っている。


『早苗…』


 母ちゃん、絵は大層上手かったらしい。いやいやいや!同名なんだ、同名なだけなんだよ、だってここ異世界じゃん!異世界の絵本に母ちゃんの名前っておかしいじゃん!


「チコリ?この絵本は最近買ってもらったのかな?」


「コクリ」


「そうなんだ…この絵本のお話って僕らの事を描いてるの気付いてる?」


「コクリ」

 マジか…すごいぞチコリ!


「コクリ」


「ん?」


「コクリ…コクリ…コク……」

 ありゃ、船を漕いでたのか。そのまま布団をかけてやり部屋を後にする。


 チコリは時々、神からの啓示みたいなものをくれる事がある。キンミャー焼酎の紙パックもオーパーツだったけど、この絵本だってオーパーツだよな。カラーコーンと誘導灯は明らかにラムだし。でも、僕らの事を知らなければオーパーツなのかも。かなり汚染されちゃったな、この世界は。




 オルカの宿を後にして立ち飲みチコリに戻る。

「本屋ってどの辺にあるの?」

 リリィが場所を教えてくれたので、明日、同じ絵本を買いに行くことにしよう。先まで描いてあったから、ある意味予言書やん。

 そんなワケで、明日の予定はマサを実家に戻す、本屋で指輪の絵本を買う、そして仕事だ。


「サラ、明日はマサをあっちに戻したいんだけど、一発で行けそう?」

 最後の最後でこっちに戻れたから、もしかするとレベルアップしているんじゃないかと思いたい。


「不安なのでケンジさんも一緒に来て頂けますか?」


「もちろんついていくよ。実家に行く訳だし」


「なになに〜?サラちゃんを実家に連れてくの〜?」

 忙しそうに動いていたのに目ざといなぁ、ラム!


「ほら、うちの実家の猫が来ちゃっただろ。連れて帰らないと家族が心配するからさ。それに、サラは家族に紹介済みだ」


 サラだけズルい!って事で、明日は皆もついてくるんだそうだ。チコリも連れてかないと怒りそうだよね…。てか、あっちとこっちの行き来の制限的なものは何かもう、かなりどうでもよくなってないかい?




「今日は日本酒がよく売れました!ダイゴロウさんに聞いたら、アイリスちゃんが率先して仕込んだサケなんだって。飲める人は味見しておいて下さい」


 本当なら口開け前に味見しておいて、お客さんの要望に対応しなければならない訳ですが、従業員は皆、それ程お酒に強い訳じゃないので、仕事後に試飲したりしています。


「凄くフルーティーなんですね。注いでる時から感じてはいたんですけど…」

 サラも日本酒は飲み慣れているので的確に表現してくる。


「私は水を飲む振りをして、この酒を飲んでいました!」

 ドヤ顔のナターシャだったが、ラムから怒られていた。シュンとしたナターシャは可愛いな。






「さて、また実家に戻りますか」

風邪引き中につき短めでごめんなさい。

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