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洞窟(?)にて

 ♦ 謎の存在。通称、ナレーター。ふざけた発言を多々おこなう。


 ※物語には、全然関係ありません

……

…………

……………


「ダメだろう? 嘘ついちゃ。今日は、初日だから許してあげるけど……明日からはちゃんともってくるんだよ?」


 ──? これは小学校の頃の記憶だろうか? いけしゃあしゃあと言ってのけたあの(どの?)忌々しい教師の言葉だ。思い出しただけで反吐が出そうになる。


 小学校に入学して初めての授業が始まったときのことだ。隣の子が教科書を忘れたみたいで、机の真ん中に置いて見せてあげていたのだ。

 そのことを目ざとく見つけた、経験の浅い教師は何も疑わずに一方的に俺を叱ってきた。俺が貸していたのにも拘らず、だ。

 当時は体も小さく(今も大柄とは言い難いが)内気な性格をしていて何も言い返せなかった。

 しかもあろうことか、隣の子も口を開いたかと思ったら「ぼくがみせてあげてたの」なんてほざきやがった。それから俺は嘘つきの烙印を押され、何か事件(消しゴムがなくなった、などの小さなこと、小一にしては事件かな?)がおこると俺を疑うようになり、次第にいじめへと発展していった。


 わずか入学してから1週間で俺は登校を拒んだ。その頃から何も信用出来なくなった。そして“人”について興味を失った。



 これからの生活に支障が出るだろう、ということで親が転校の手続きを勝手に済ませ、新しい学校生活を無理やりはじめた。勿論、イヤイヤ。そんな気持ちが伝わったのかどうか知らないが、小学校卒業するまで、ついぞ友達と呼べる者は1人も出来なかった。




★★★




 ハッ!? 嫌なものを思い出した。封印したはずなんだけど。インナーが嫌な汗に濡れて気持ち悪い(今更だがカッターシャツとブレザー、学制ズボンを身につけている)

 よりにもよってあの頃を思い出すとは。



 気持ちを切り替え先ずはあの一言。


「知らない天井だ……」


 言ってみたかったんだ。これ。お約束だよね。

 いつか言える日が来ると信じてた。(適当)


 いやー、どーすっかなー。白色に淡く光る黒い壁が、ある一点を除いて俺を取り囲んでいる。この間(?)の床はだいたい一辺が2mほどの正方形で、天井はさほど高くなく、3mぐらい。取り敢えずノックと同じ要領で近くの壁を叩いてみる。


「………………ん?」


 音がしない。じゃあ、さっき(さっきなのだろうか? もはや時間の感覚が狂っていて、飲み込まれてからどのくらい時間が経ったのかわからない。)出来てしまった身体強化をして、もちろん念入りに拳を強化(感覚はまだ掴めないのでなんとなくで)というか魔力を巡らせて力任せに殴った。


「…………………………」


 やっぱり音がしない。殴った感触もない。完全衝撃吸収でもついているのかな?


 ♦辿りついた答えは正解にはもの凄く近いのだがこのときの智成には知る由もなかった。



「怪しさMAXの目の前の通路は避けたかったんだけどなー。しゃーない、入るか」


 ♦ そう言ってポッカリと口を開けている、暗い(暗くない、むしろ淡く光っている)未知の領域へと足を踏み出…………さずに周囲を確認し、危険が無いことを目で判断した後、今度こそ足を踏み出した。




 ♦この先、今までに経験したことのない困難が、待ち受けているのにも拘らず、暢気(のんき)に歩を進める。もっとも、そんなことは知る由もないので警戒のしようがないのもまた、事実である。

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