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第11話 皇族のディナー

覚えている方がいるかわかりませんが、リーザの年齢を13から12に変更しました。

あまり変わりないかもしれませんが、これは中学生と小学生の違いです。

 

 少しやりすぎて、リーザを泣かしてしまった。

 どうしようかと思っていると、クスクス笑いながらフィーネがやってきた。


「すいません、フィーネさん。少しやりすぎました」


 僕が少し大人げなかったのでそう言うと。


「いいんですのよ。どうせろくでもないこと考えていたのでしょうし」


 と笑いながら言ってから、僕に軽く謝ってきた。


「そんなことより、リーガン様を止められなくてごめんなさいね。アシッドを倒したというのが予想以上に効いたみたいで」

「もうそれはいいよ。信頼してる部下が負けたと聞いたら動くだろうとは思ってたから。直接やってくるとは、思わなかったけどね。それよりフィーネさん、言葉遣いというか雰囲気が変わってるよね」

「外部の人間を喚んだんですもの。ああいう場では偉そうにみせなくてはいけませんの」


 へぇー。そういうものなのか。

 僕は舐められたとしても、力とコネクションで強引に解決してきたからよくわかんないや。


「さあ、リーガン様もお待ちですわ。早く行きましょう」


 そう言ってフィーネは、するすると流れるような動作で奥に行ってしまった。

 なんか凄い絵になるなぁと思いながら、さて僕らも行こうかと思ったとき、()()に気付いてしまった。


「エンリさん!地面に水撒いてくれない?たしか、水の魔法使えたよね」


 僕がそう言うと、エンリは不思議そうな顔をする。

 その顔がまた可愛くて、僕はつい手を出そうとしてしまうが寸での所で耐える。

 茜じゃないんだ。落ち着いてくれ、僕の右腕。

 そんな中二病みたいなことを思っている僕をよそに。


「床が汚かったですか?この部屋は特にしっかりメイドが掃除しているはずなのですが」


 そんな尤もなことを聞いてくるエンリに視線で訴える。


(リーザ様ですか?そういえば先程から大人しくて妙に体が震えているような……ッ!?)


 ようやく気付いたようで、エンリは慌てて魔法を唱える。


水洗(すいせん)魔法、ウォータークリーン!」


 その言葉を発すると、エンリの手の先から水が飛び出し、床を流れて瞬時に綺麗にする。

 ()()も一緒に洗い流され、リーザの足元も綺麗になった。


「ふぇ!?」


 僕の足元でキョトンとして、涙目で見上げてくるリーザ。

 "うるうる"っていう漫画の効果音が見えた気がした。

 僕は理性に敗北したよ。だって超かわいいもん。


「リーザ、大丈夫だよ。少し怖がらせすぎたね、ごめんね」


 僕はそう言ってリーザに目線を合わせると、茜にしていたようにその頭を優しく撫でる。

 茜に負けず劣らずの柔らかい髪で、少し触りすぎたのはしょうがないと思うんだ。







 リーザが着替えて戻ってくるのを待ってから、3人で部屋の奥に行く。

 そこには、長いテーブルに着いている8人の男女がいた。

 ドラマや映画でよく目にする豪華で超長いテーブルだ。

 そのテーブルの1番奥、所謂上座に座っている男が口を開いた。


「おう来たか!随分長かったな。そんなに風呂よかったか?」


 その男とは、この国の皇帝リーガンだ。

 他に座っている人物で僕が知っているのは、フィーネとアシッドだね。

 皇族のディナーなのにアシッドはなぜいるのか……。

 いや、それは僕もか。


「うん、とってもよかったよ。ありがとう」


 そう言うと、彼はちょいちょいと手招きをしてくる。


「俺のとなりにこい!食べながら少し話しがしたい」


 そう言うので僕は遠慮せずに、リーガンのとなりに置いてある椅子に腰かけた。

 見ると、リーザもやって来て僕から見て右斜め前すぐの所に座った。

 つまり、僕のとなりだね。

 エンリはもちろんメイドなので座ることはなく、他のメイドの手伝いに行った。



「おい、リーザ!お前なんでそんなとこに座ってんだ!」


 突然、左側の奥にいる少年が、リーザに対して怒鳴り出した。

 なんか、やんちゃそうなのがいるね。


 ***

 ロイド・ベイ・バーサス

 種族:人族 性別:男 年齢:14

 ジョブ:戦士

 魔法属性:土

 スキル:身体強化[Lv.3] 剣術[Lv.2] 盾術[Lv.1] 騎馬[Lv.1]

 称号:バーサス帝国第4皇子(おうじ)

 ***


 おぉ、身体強化のレベルが高い。

 この歳で凄いね。

 あの部屋にいた騎士でもLv.3はいなかったよ。

 まぁその分、スキル少ないけど。

 リーザの2個上だし、お兄ちゃんかな?



「ふーんだ!私はケイのとなりに座るのよ!」

「何言ってんだ!お前は俺より弱いだろ。俺より父様に近い所、座ってんじゃねえ」

「離れてたら私が勝つもん!突撃するしか能がないくせに!」


 兄弟喧嘩が始まったよ。めっちゃ羨ましいなぁ。

 僕は一人っ子だから、こういうのは凄い憧れる。

 僕が羨ましくその光景を見ていると。


「やめんか!まったく、リーザ!いつもの自分の席に戻りなさい」


 そうリーガンが窘めたので、僕は自然と口を挟む。


「は?」

「──ッ!?」


 僕が一文字発しただけで、リーガンはもの凄く慌てている。


「う、うむ、そうだな。リーザ、今日は勇者を召喚しためでたい日だ。特別にその席を許す」

「やったー!パパ、ありがとー!」


 そう言って、ニコニコしているリーザ。

 反対にロイドは、「まぁ、父様がそう言うなら」と引き下がった。

 ファザコンかな?と思っていると、ロイドのとなりにいる青年の心の声を捉えた。


(なにが、めでたい日だか。10年前に勇者を喚んだときは、召喚してすぐ逃げられたって話しのはず。なんで今回はこっちから進んで自由にしようとしてるんだか。あの父上が負けたなんてのも絶対ありえない。父上は本当に化け物なんだから)


 ふむ、そういう過去があるのか。

 もしかして、あの隷属の首輪を着けようとしたのもそれが原因?

 まぁ、それはどうでもいいや。

 それより今日、めでたくないかな?

 ある意味で僕の誕生日なんだけどね、この世界での。


 ***

 ルーファン・ベイ・バーサス

 種族:人族 性別:男 年齢:22

 ジョブ:研究者

 魔法属性:火 土

 スキル:所作[Lv.1] 乗馬[Lv.2] 身体強化[Lv.1] 剣術[Lv.1] 速読[Lv.3] 解読[Lv.3] 鉱石鑑定[Lv.2] 植物鑑定[Lv.2] 交渉[Lv.1]

 称号:バーサス帝国第2皇子(おうじ)

 ***


 研究者とかもあるのか。

 スキルも多いし、メガネを掛けていて知的な感じだ。

 特に興味をそそられることはないかな。




 その後、リーガンからこの場にいる人たちについて軽い紹介を受けた。

 僕から見て右側手前から、リーザ、第2夫人の后妃さん、后妃さんの小さい子供がふたり。

 左側手前から、フィーネ、アシッド、ルーファン、ロイド。

 そして、僕の左隣にいるリーガンだ。

 他の人たちはみんな外に出ていて今皇宮にいる皇族はこれだけだそうだ。

 あ、アシッドは違うよ。

 リーガンの側室も何人かいるそうだけど、超どうでもいい。






 僕はリーザとリーガンの話しを軽く流しながら、黙々と豪勢な食事を食べている。

 僕は日本では金に困ったことはなく、それなりの物は食べてきたからあまり期待してなかったんだけど。

 かなり美味しい。このステーキとか凄い絶品だ。



「それで、ケイはこれからどうすんだ?」


 リーガンが少し真面目な顔をしてそう聞いてくる。


「この世界のことを調べたいんだけど、何か良い場所ないかな?」

「ふむ。それなら、ここの書庫はどうだ?大抵のものは揃ってるぞ」

「おぉ、皇宮の書庫か。凄そうだね。じゃあ、使わせても──」


「陛下!お食事の所、申し訳ありません!緊急事態です!」


 僕の言葉を途中で遮り、大声で飛び込んでくる人物が。

 それは、あの赤髪の女騎士メリアだった。


「何事だ、メリア。騒々しい」


 メリアはそこで一息着くと、話し出した。


「北の防衛都市ミザイアにて、魔王アゼルヴァイスの配下による襲撃を確認致しました!現在交戦中とのことですが、ミザイアに拠点を置くS級冒険者、壮鉄(そうてつ)が外出しており、そこを狙われたと思われます。至急、応援をとのことです!」


 ふむふむ、なんか大変そうだね。

 僕が、そう他人事のように思っていると。


「おのれ、魔王め!夜に動くとは小賢しい!身の程を弁えて弱小国家だけ狙ってれば良いものを!だが、ちょうど良いではないか!さっき自分の力を測りたいと言っていたしな。ケイ、お前の力を魔王軍で試してみろ!」


「え、やだけど」







とある方の提案を聞いて、今回字下げをしてみました。

いかがでしょうか。



ブクマ登録、評価してくださった方、ありがとうございます!

今回は感想も一件頂けて、大変うれしいです!

今後もよろしくお願い致します!


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