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隣人   作者: つむぎ
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第一話 日常が少し変わった日

 休日には心地よい程度の雨が、朝からしとしとと降っている。ベットに腰かけて雑誌を読んでいると、トラックが駐車している音が聞えてきた。そのまま耳をすましていると、どうも引越しのトラックのようだ。

 埼玉の少し外れにあるこのアパートの、203号室に岡本さちは住んでいる。最寄り駅から徒歩20分。家賃は4万円、1DKの少しボロい、言い方を変えれば趣のあるアパートだ。駅から遠いからか周りに建物はあまりなく、晴れた日にはよく陽がはいる、2階から外に通じる階段がカンカンと心地いい音をたてるのが何故だかすごく気に入って、4月にここに住むことに決めた。

 203号室は角部屋で、隣の202号室はさちが住み始めるのと入れ替わりで空き部屋になっていた。もしかして、隣に引っ越してくるかな。開いていた雑誌を閉じて壁を背に座り直す。

 中年の男女の声が聞こえてきて、そのすぐ後に引越し屋の声と大きい物音が聞こえはじめる。それにしても音漏れがすごい。そうか、壁が薄いのか。これではテレビの音もすぐに漏れてしまう。何も気にせずに暮らせなくなる窮屈さに肩を縮めて、そのまま横になって目をつむった。

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