友人からの仕事のお誘い(その1)
私に電話をしている友人のタケ。
「 そうだよ!、ありがとな、質宙。
『‐‐ー』
おう、わかった。
『ー‐ー。‐‐ーー?』
そうか、ああ、助かる。
『‐‐ー‐』
まあ、そんな感じで。
『‐‐。ーー‐ー』
・・・、ん。おう。
と、まあそんなコトだから質宙よお、5月の間の土、日だけでいいから手伝いに来てくれる事、了解だな?。頼んだぞ!!。
『ーー‐ーー‐?』
ああ?、集合時間か。
朝の7時に俺の事務所んトコに集合ってコトで!。
『ーー‐ー?、‐ー‐‐!!』
ああ?、駐車場ならあるぞ。来い来い、車で。
『ー‐‐!、ー‐』
そうそう!、事務所の向かいに空き地があってな。
『ーー‐‐ー!?』
ああ?、ああ!、心配すんな、無断駐車にゃならんから!!。
そう!、ちゃんと借りた土地だから。
ああ?、そうか解った。
『ーー‐ーーー!』
ああ。じゃ、ヨロシクう。
頼んだぞ!!!」
「おう、わかったよタケ!。じゃあな」
と、私。
友人に上手く言いくるめられた気はしないでもない。
でも、こちとら無職、お金はあると助かるものだ!。
◇◇◇◇◇
『安請け合い』だって?。
友人のタケとは小学生の頃からの遊び仲間だ。悪い様にはしないだろうと思ったんだよね、この時の私は・・・。
(結局、悪い様にされたけど)
◇◇◇◇◇
友人のタケは自分では織○裕二に似てると言っているが、似ているのは日焼け具合だけだな、うん。
ヤツは180センチ近くの身長、そして短髪に日焼けと笑顔が似合う演歌系ゴリマッチョだ。
タケよ!、これは素直な意見だよ!。
◇◇◇◇◇
金曜日。明日がバイト初日となる。
「えーっと、仕事に持ってく荷物は、長靴、とタオル、それに弁当かー」
口にしてたみたいで、嫁さんに
「弁当、作ろうか?」
と言われる。
「いや、いいよ。自分で作るから」
と、私。
『汚れてもいい服装で』、ってコトだからやっぱり掃除関係だろうな。
そういえば私って、タケからのバイトについて、仕事内容とか報酬とかすらも聞いてなかったぞ、まじで。
今思うと、その時の私に『質宙あんた馬鹿?』って言ってやりたい!。
まあ『死ぬことはないだろう』位な軽い気持ちで仕事を請けた私が悪かった。
・・ええ、ええ。後程死ぬ思いをしましたよ・・
◇◇◇◇◇
5月○日、土曜日。
朝、シャワーを浴びカラダを目覚めさせる。
そして弁当作り。
と、言っても有り合わせのオカズがサンドされただけのオニギリ。
四角いタッパー1つで出来るこれは『超圧縮版オニギリ』なのだ。
◇◇◇◇◇
タッパーの中に入ったオニギリです。間に入るオカズは何でもいいです。今回はウインナ8本!。それをたっぷりご飯で埋め潰す。ふりかけを掛けて全面海苔で覆って完成!。
今回、塩分過多仕様でした。
◇◇◇◇◇
手が汚れててもこれなら触らずに食べるコトが出来る。
海苔とタッパーのすき間に息を吹きかけたらタッパーから中身が持ち上がってくるのだ。
そして、お供には野菜ジュース。
お安い時のまとめ買い品で充分!。これで栄養素もばっちりか・・・!?。
6時30分過ぎ。
長靴やタオル、弁当それと汚れた時用に着替えの服も持って家を出る。
「行ってきます」
寝てる嫁に言う私。
「・・・行ってらっしゃーい」
と嫁。
『仲はイイよ、ホントだよ』
大事なコトだけど、2度は言えない・・・。
さて、渋滞の出勤ラッシュを抜けて友人の会社事務所へと向かう。
国道に架かる大橋を渡る時、屏風の様に連なる山々が正面に見え、その稜線が空の青と雪山の白をくっきりと分けていた。
『今日はいい天気になりそうだ』とひとりごちる。
何にしろ仕事日和だ。
7時直前。
友人の会社事務所に着き、車から荷物を持ち中へと入る。
「おはようございまーす!」
と元気よく言う私。私的に挨拶は大事だと強く思う。
「おー、おはよう」
と友人。
それと後もう1人、60代に近いかな?って感じのおじさんがいた。
おじさんは短髪で8割方白髪の身長は170までは無い位の中肉中背な『まんま職人』って感じだ。
釣りが好きなのか、事務仕事をしている友人に話しこんでいたが私に軽くあいさつはしてくれた。
悪い人ではなさそうだ。
7時半頃。
「じゃあ、そろそろ出ようか!」
友人が仕切ってそう言う。
事務仕事も一段落ついたみたいだ。
そういや、現場がドコかも聞いてないし、どうやって行くのかも聞いてない。
仕事内容すら聞いてない・・・まじですよ。
さてさて、私はこれから何処に行って何をするのかなー?。