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普通だと言い張る男のVRMMO  作者: 黒色猫


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8/8

スタンピード

 支援ギルドに戻り証明書を渡して報酬を受け取る。種族レベルが2つも上がったとはいえ、結構きつかったな…誰だよ、すぐ終わるとかいったやつ。

 さて、次は何の依頼を受けようかなー。MP使わないものだと嬉しいなーと中央の依頼掲示板に移動しようとしたその時。


バンッッッ!!!


 支援ギルドの扉が勢いよく開かれた。白いローブを纏った男性が、大きく方で息をしている。


「ハイドさん?どうしたんですか、そんなに慌てて。あとギルドの扉はもう少し静かに…」

「モンスターのスタンピードが起きたんだよ!!」

「……スタンピードが?!」


 ギルド内が急にざわめきだした。スタンピードって確か、魔物が大量発生する現象だよな。


「原因は?」

「まだ分かっていないが…東西南北、4カ所同時に起きたんだ!緊急コードを発令してくれ!」

「4カ所同時…?!分かりました、緊急コードを出します。今ギルド内にいる人たちは、ギルドマスターの指示に従ってください!」


 職員たちが慌ただしく動き始める。俺はとりあえずギルドマスターから指示がないと動けないので、邪魔にならないところで待機だ。

 それにしてもゲームが始まってまだ数時間も経ってないのにスタンピードが起こるとは…。何かのイベントなのだろうか?


≪全体アナウンス≫

≪スタンピードが発生しました≫

≪プレイヤーの皆様は全力で防衛に当たってください≫


 見計らったかのようなタイミングでアナウンスも響いてきた。これでおそらくほぼ全てのプレイヤーが、スタンピード終息に向けて動きだすだろう。俺もできることをやらないとな。

 ギルドの奥からエルフの男性が出てきた。あの人、オーラが他の人と違うな。なんというか…どこかの国の王様?皇帝?みたいな雰囲気を纏ってる。ギルドにいた全ての人が視線を奪われた。近くにいた人の呟きから、あの人がギルドマスターであることを知る。


「────スタンピードが起きました。私たち支援ギルドは前線で戦うのではなく、後方での支援や可視化しにくい問題の解決に当たることが求められます。皆も不安の最中にいるとは思いますが、どうか力を貸してください」


 ギルドにいた全ての人が、声を上げた。俺も周囲につられて言葉にならない声を上げる。


「皆、ありがとうございます。それではレベルごとに役割を伝えます。まずは────」


 まだまだレベルの低い俺は、街の人たちの避難誘導と怪我人の手当てを任された。医療キッドを支給されたので、すぐ使えるように腰に装着する。

 

「救助班はこっちに来てくれ!」


 お、呼ばれた。集合を呼び掛けた人の元に行くと、集まった人数は10人ほど。


「よし、全員いるな。俺はアース、救助班のリーダーだ。今からそれぞれが担当するエリアを伝えるから、そこで救助に当たってくれ」


 俺は南東、住宅が多く建ち並ぶエリアを任された。住人の避難誘導と治療などが主な役割となる。ギルド員だと一目で分かる帽子をかぶりマニュアルを持って、いざ!

 早速現場に向かうと、そこには多くの住人たちが立ち往生していた。まずはここにいる人たちを一時避難所となっている冒険者ギルドまで誘導しよう。


「……ふぅ。支援ギルドです!ギルドが避難を受け入れているので、そちらに移動しましょう!近くに手助けが必要とされている方がいれば、手を貸してあげてください!」


 俺が声を張り上げると、皆一様にこちらを見た。子どもを抱えた男性が一歩前に出る。


「…どこのギルドに行けばいいんだ?」

「ここから一番近い冒険者ギルドです。……今、全てのギルドが協力してスタンピードの対応に当たっています。不安は大きいでしょうが、皆さんの安全のためにも慌てず落ち着いた行動をよろしくお願いします!」


 辺りはシーンっと静まり返り、そこから少しずつ住人たちが移動を始めた。皆走らず、順々に歩いていく。

 人混みの中から女の子を抱えた女性が近づいてきた。


「すみません、うちの子が転んで怪我してしまって…」

「ちょっと見ますね。……うん、これくらいなら今手当てすることができます。それかギルドに行けば専門の治癒者も待機してますが…」

「あなたにお願いしてもいいですか?専門の方たちには、重症の方を優先してほしいですから」

「分かりました。……痛いかもしれないけど、我慢できる?」

「ん!」


 まずは生活魔法の水で傷口を洗い流す。水魔法でもいいが、攻撃を前提としているからか生活魔法より調整が難しいのだ。

 綺麗な布で膝をぬぐい、消毒してからガーゼを当ててテープで固定する。


「はい、終わり。よく頑張ったね」

「うん!」

「ありがとうございます」

「いえいえ。もし腫れたり痛みが続く場合は治癒者に見てもらってくださいね」

「分かりました」


 女性は改めてお礼を述べると、冒険者ギルドに向かう集団の中に消えていった。俺は人の流れに逆らって、困っている人や動けない人がいないか見て回る。


 どこかで見たことある流れだって?き、気のせいですよ。あと避難誘導のマニュアルが実際はどんな感じか作者は知りません。ので、なんか変だと思っても温かい目で見守ってください。

 あと主人公は光魔法を持っていますが、ヒールは治癒魔法がないと使えません。そのため治療キットで手当てしています。

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