プロローグ
『ウィルパレード・オンラインの世界へようこそ』
分厚い雲の上、青空が視界一杯に広がる世界。そこで俺────高屋敷奏多は虚無の心で立ち尽くしていた。いや、急にこんな場所に立たされたら誰でもこうなるって。
この『ウィルパレード・オンライン』は、生成AIを駆使した無限の自由度が売りのVRMMOだ。できないことは犯罪くらいだと言われているこのゲームは、それはもう購入の倍率が高かった。400倍近かったんじゃないかな?そして奇跡的にも当選したのが俺というわけである。
「まずは名前を入力してください……た行の最後、テトでいいか」
職業は初期は全員旅人で固定だ。ここから所持しているスキルや行動パターンによって、新たな職業が作られていくらしい。生成AIによって職業の数も人の数ほど増えるらしいので、技術の進歩はすごいよな。
次に種族。これは王道の人間にすると最初から決めていた。エルフなんかも気になるが、やっぱり慣れ親しんだ人間が一番だと思う。
「次は…容姿を決めるのか」
んー1から自分で作るほどこだわりないしなー。ここはランダム生成さんにお任せするか。これを押すだけで、ファンタジー世界でも馴染む美形が作れるのだ。何回か押して、自分の好みの顔ができたのでこれに決定。黒から藍のグラデーションが綺麗な長髪にコバルトブルーの瞳、身長は150㎝と小柄な中性的美少年が俺のアバターだ。リアルでも155㎝しかないから、視界が落ちつく。あと声も高くした。初見ではまず男だと気付かれないだろう。
次はスキルの決定。最初にSP────スキルを取得するためのポイントが50付与されているので、計算しながら使っていく。
まずは魔法から。火・水・土・風・光・闇の6属性から選べるようなので、水・風・光・闇を取った。合計20ポイント。あ、他にも契約魔法とか生活魔法がある。よく分からないけど取得。あとは……農業とかやってみたいかも。畜産も面白そうだ。この2つも取得。そんなこんなで残りは12ポイントか…何を取ろうかな?
スキル画面をスクロールして悩むが、ピンとくるものが見つからない。あとは適当にランダムで選ぼうかな?自力で選ぶのはもう無理だ。12ポイント分のスキルをお願いしまーす。
木工
愛嬌
土魔法
「おー」
悪くはないんじゃないか?生産スキルの木工に、土魔法。唯一愛嬌は分からないけど…。
愛嬌
何もしなくても周囲の人が好印象を持つ
説明文も実にシンプルだ。うん、変なスキルが当たらなかっただけましだと思おう。外れというわけではないしね。
最後は課金!このゲームはプレイヤーが強くなる系の課金はないが、あったらいいなといった便利系のものが充実している。
まずは魔法の自由化。通常は魔法を発動させる際にコマンドを言う必要があるが、それを省略することができるのだ。つまり「ファイアーボール」と言わなければいけないのを、課金すると手を横に振るといった動作や視線だけで魔法を発動させることができるようになる。他には魔法を自由に操作することもできるな。これがメインといっても過言ではないだろう。普通はファイアーボールを敵に打つのを、例えば火の玉を無数に分裂させて敵に向かって穿つ、といったことが可能になるのだ。ただ魔法の威力は変わらないしMPを多く消費するが。金額は3000円。これは即購入だな。だって指パッチンで魔法を出してみたいし、それやるの熟練の魔法使いっぽいし。
次は初期資金アップ。プレイヤーは最初から1000Gを持っているが、ちょっと心もとない。ので5000円で10,000Gを購入した。このキャラメイク以降、ゲーム内通貨を買う方法はないので、これは必要経費である。
最後、初期装備のグレードアップ。見た目や性能を、より優れたものにしてくれるという内容だ。だって初期装備ってなんというか…めちゃくちゃダサい。人前で着るのは絶対に嫌なので、これも必要経費、必要経費。数ある服の中からアバターにあうのを選ぶ。
蒼影のコート
黒いトップス
スタイリッシュなパンツ(黒)
蒼影のショートブーツ
4点で20,000円。高い。だが1番納得できる組み合わせがこれだったのだ、はい支払い。
課金も終わったので、簡単なチュートリアルを受ける。ここで魔法の発動を指パッチンに設定。これで水魔法を思い浮かべながら指を鳴らせば、魔法が出てきた。他にも土・風・光・闇も問題なく発動。さっき思いついた、水を固めて網を作り、それを足場にして空中に飛ぶこともできたし。いやー魔法って万能だな。これは飽きなそうだ。
あとは木工の体験で柵を作らされた。どこにノコギリを入れればいいのかラインが引いてあるので、誘導通りにやってトンカチをトンカンすれば完成!ちなみにこの柵は貰えないみたいだ、残念。
『それでは、非現実をお楽しみください』
作者の好みが中性的美少年なんです。だって好きなんだもん!
ちなみにランダムで選ばれたスキルは、実際にくじを作って抽選しました。なかなか大変な作業だった…。
あと作者は感想に目を通しますが返信はできません。それでもよければ送っていただけると嬉しいです。とりあえず書き溜めてる分があるうちは毎日投稿します。




