表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
運命に惑うケモミミBL長編♂愛情深ハイスペ狼×恋歴難美人オネェ猫『ロドンのキセキ◆翠玉のケエス◆輝石ノ箱ヨリ◆芽吹』全31話  作者: 偲 醇壱
◆ JUSTICE:U ◆

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

50/108

Drop.017『 JUSTICE:U〈Ⅱ〉』【2】

(ま、まさかね……。――これは流石に、考えすぎだわ……。――だって、もしアタシが、それほどまでにオオカミを嫌ってたとしたら、京も、雷さんも、お店に入れてないもの……。――だから、これは、アタシの考えすぎ、ね。――それに、もし、それを気にしてるとしたら……)

 “あの日”のやりとりを、あまりにも鮮明に思い出してしまったせいか、法雨は、今一度、雷に謝りたい気持ちを抱きながら、――“だからこそ”の結論に至り、苦笑する。

(そう。――もし、あの事を雷さんが気にしているのだとしたら、――それこそ、アタシに惚れるなんてありえない。――だって、あんな酷い事を言ったんだもの。――嫌われたり、失望されてないのが奇跡なくらいよ。――だからこそ、アタシを好きになるなんて、――それこそ、“絶、対、に、”――ありえないわ)

「あの……、――姐さん……」

 法雨が、そのさらなる結論を確信しながら、雷からの贈り物が佇む美しい紙袋を見つめ、静かに苦笑していると、ふと、京が零すように言った。

「ん?」

 それに、法雨が顔を上げると、対する京は、何故だか、少しだけ不安げな表情をしながら、続ける。

「その……、今……、――俺も、雷さんから尋かれた事、色々思い出しながら、ちょっと、思ったんすけど……。――姐さん。あの、俺……、――俺……、こうやって、ここで、姐さんと話してて……、――姐さんは、本当に大丈夫ですか……?」

「え? どういう事?」

 心から不思議そうにする法雨に、苦しそうな表情で眉根を寄せると、京は、静かながらも、落ち着けぬ様子で言った。

「その………………、――俺たちが、姐さんにした事って、普通なら、赦される事じゃないです……。――だから、俺たちがこうして、普通にしていられるのは、――姐さんが、“何もしないでいてくれた”からです……」

「京……」

 “あの日”、“あの密会”について、思い出すタイミングが重なってしまったのは、偶然か――、それとも、運命が用意していた必然か――。

 京の云う“俺たち”とは、彼らが“ごく普通の常連客になる前の自分たち”の事を指している。

「俺たちは、あの時、姐さんの優しさに完全に甘えてました……。でも、それって、“あの時だけじゃないのかも”って、思ったんです……。もしかしたら、“今もずっと”そうなのかなって……。――正直、“償い”とか言ってますけど、――結局、そんなの言ってるだけで、俺らは、過去を消したりも出来ないし、雷さんみたいにはなれないから、――所詮、何かあったら呼んでくださいとか言ってみたり、客として飲み食いするくらいしか、出来ない……」

 酒のせいか――、はたまた、秋という季節が近付いているからか――。

 苦しげに言葉を紡ぐ京は、あの当時の面影を纏わせながら、しばらく封じこめていたのかもしれない――あの苦々しい日々の事を紡ぐ。

「時々、思うんです……。――姐さんは、今もずっと、耐え続けてんのかなって。――俺らの事を、色々考えて、姐さんはわざと、あの時の事を、“忘れた様に振る舞ってくれてる”んじゃないかって……」

 京のそんな――、自戒の念から生じたのであろう“誤解”を解くべく、法雨は“事実”を伝えようとした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ