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異世界養蜂革命  作者: 華蜂師
第3章:蜂蜜街道と領主の願望
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第40話: 祝宴と蜂蜜酒の誕生

蜂蜜街道建設の幕開けに華を添えるべく、ドワーフ族との協力はますます深まりを見せていた。

ミツルたちは、新しい仲間となった石工棟梁ボリスとその娘ティルダ、さらに彼らを含むドワーフ族と共に建設計画を着実に進めていた。


その日、ミツルたちはドワーフ族の村「スロールハイム」にて、蜂蜜街道建設に携わるドワーフたちとの報酬について話し合う場が設けられた。

ボリスは両腕を組みながら、ミツルたちに報酬について聞いてきた。

「さて、我々が力を尽くすには相応の報酬が必要だ。だがまずは関係を築く一助として、君たちが誇る蜂蜜を一定量もらう以外何か出来ないか?」と興味深そうに言った。

ミツルは少し考えた後、「金銭的なことについてはバルドウィン卿やアンドリューと相談するとして、私たちから提供できるのは蜂蜜とミードと言う蜂蜜を使ったお酒になります。それでいかがでしょうか?」と提案をした。


その言葉を聞いた瞬間、ドワーフたちの目が輝いた。特に、酒を愛することで知られるドワーフたちは、新しいお酒に目がなく、ミードの話題には興味津々だ。

ボリスは静かに微笑みながら、「聞いたことのない酒だが、試飲させてもらえれば、我々の協力もより力強いものになるだろう!」と返した。


ミツルたちはすぐに新たに誕生したスティンガービーの蜂蜜を使ったミードを取り出し、ボリスやティルダ、そしてドワーフたちに試飲させることにした。

すると、芳醇な香りと奥深い味わいが彼らの舌を魅了した。「これは…すばらしい!よくぞこんな美味いお酒を!」とボリスが驚きの声を上げる。

「我が一族の名誉に賭けて、この酒造りの手法を学ぶ価値があるね」と感心し、ティルダも「ぜひ詳しく知りたいわ。私も挑戦してみたい」と、酒造りについて質問を重ねてきた。


その場には、スロールハイムの名高い酒造りの名手、ガレックも居た。彼はドワーフの秘伝酒造りを何十年も手掛けてきた匠であり、その技術は一目置かれる存在であるのだが、ミードの味を知ると興味を持った。

「うむ、君らの酒造りの技を見たくなったよ。このミードは新たな酒の扉を開くかもしれん」と称賛した。

そこでミツルは、ガレックからの申し出に喜びを感じ、酒造りの名手に教えを請うこととなった。

「良かったらフローリア村に来てミードの製作状況や作り方等見て下さい!ガレックさんの酒造りの技術や知識も教えてもらえればドワーフ印の新しいミードを作る事も出来るかもしれませんからね!」とミツルもやる気満々だ。

「ガハハハッ!酒の事はドワーフに聞け!と言う言葉もある通りドワーフは酒好きだからな!わしが作っておるのは果実酒の様なジュースみたいな酒ではなく、もっとガツン!と来る酒じゃから、弱い奴が飲んだらひっくりかえってしまうぞ!」と自慢げに言ってくる。

強いお酒と言うと日本酒の様なものなのかそれともウイスキーの様な蒸留酒なんだろうか…日本酒は確かお米を使ったお酒だから造るのは難しいけど、ミードを蒸留したらまた別の物が作れる気がする。

お酒の知識が無い自分では分からないが日本では聞いた事無いが世界ではそういうお酒があるのだろうか…

ドワーフの秘術と今迄の知識を活用すればきっと面白いお酒が出来る気がする。

そんな事を妄想しながらガレックさんとの酒談義が弾んで気付いたら外は真っ暗になっていた。

ドワーフ族は報酬としてミードを受け取ることを快諾し、彼らの仲間と新たに開く未来の扉に期待を寄せたのである。


こうして、ドワーフたちは自分たちの豊富な技術とミツルたちの情熱と新たな酒造りの技術を引き換えに、街道建設に着手することとなった。

スロールハイムのドワーフ族が持つ無限の知恵と力は、ミツルたちの計画を更なる高みに押し上げる助けとなるだろう。

宴が開かれる中で、ミツルたちとドワーフ族との絆はますます強まり、彼らの蜂蜜街道計画がより一層現実味を帯びていく一日となった。

これにより、新たな社会の到来と地域の繁栄へと繋がる道がまた一段と拓かれたのだった。

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