表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/75

千葉という名の新天地

初等少年院を仮退院したがその後しばらくして警察に逮捕された。再度、少年院送致となり新潟県にある中等少年院を仮退院したのが平成4年。私は19歳になっていた。

私が中等少年院に入院している時に父親から手紙が届いた。

内容は、転勤で千葉市に引越したとのこと。

結果、私の帰住先も両親の住む千葉市に決定した。


群馬県から下の、いわゆる都会方面に足を踏み入れたことのない私は、東京にほど近い千葉駅という大都会の駅を出た瞬間、正直、心が浮き立った。


モノレールにバスターミナル、有名百貨店など、畑ばかりの群馬と比べると ( 千葉も駅から少し離れると畑ばかりだが ) そこはまさに新天地に思えてならなかった。


3ヶ月ほど経ったある日、千葉駅周辺で声をかけられた。


「今田じゃねえか」


私は誰も知り合いのいないはずのこの新天地で、いきなり声をかけられて驚いた。

声の主を見ると、中等少年院で仲が良かったクリハラだった。


クリハラは、


「なんで、お前、千葉にいんの?」


と、聞いてきた。


私は、帰住地が変更になった経緯を簡単に話した。


「ふーん、なるほどなぁ」


「まあいいや、ラーメンでも食いながら話でもしようぜ」


「ところでお前、何で来たの?車か?」


クリハラは聞いてきた。


「バス」


「バス?免許もってねえの?」


「年少入る前に取り消しになった」


「で、いつ取れるの?」


「1年間の取り消しだから、もう、取れるんだけど」


「合宿行って取ってこいよ」


「今田、お前、どこ住んでんだ?」


「仕事してんのか?」


「女いんの?」


クリハラは、矢継ぎ早に質問を浴びせてきた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ