【師匠視点】【最終回】
「うわーっ! 師匠っ! これなんですかー!」
「海」
「うみーっ! すごーい! ひろーい! 水がいっぱい!」
スカートをたくし上げて、リアは笑いながら砂浜を走っていく。
……子どもか。
かわいいけど。
暴言ヤロウとの決別の後、リアと一緒にいろんな国を回ってみた。
その国のうちの一つがブライトウェル魔法王国。
……この国は魔法がかなり発達している。王都にある中央魔法学院には未来の魔法使いたちがたくさんのことを学んでいるらしい。
その学校を卒業した魔法使い……特にSクラスに在籍していた者たちは、恐ろしいほどの才能の持ち主だそうで。
その中の一人、ミルクティ色の髪を後ろで一つに三つ編みをしている女性と燃え盛る炎のようなオレンジ色交じりの赤い色の男の魔法使いに出会った。
「ええと、ですね。簡単に言うと、二つのモノを一つにあわせて、それからまた二つに分ける魔法を構築したいんですよ」
「……それは寿命でも可能か?」
「……目指すところはそうですね。たとえば、健康な親がいて、病弱な子がいる。親は子に生きてもらいたい。だから、親と子の寿命をリンクさせて、それから二分割する。元々親が五十年、子が十年の寿命だとしたら、五十と十をたして、二で割って、子も親も三十年ずつ生きる。そういう魔法です」
研究途中だというその魔法。
だけど、完成したら。
リアと一緒の時間を生きて、リアと一緒に死ぬことができる。
この国の魔法と妖精の知識を混ぜ合わせれば。
できるかもしれない。
波打ち際ではしゃぐリアを見ながら「できるかもしれない」を「できる」にするために、あの二人の魔法使いに協力して研究をすることに、決めた。
いつかきっと、必ず。
笑顔のリアを守って。一緒に居て。
そうして……死んだ後も一緒に笑いあおう。
終わり
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●2026年7月2日
元々短編だったこのお話ですが、コメントいただいて、いろいろ書きたしました! 皆さんありがとうございます!
最後の二人は拙作『売れ残り確定の地味女』からゲスト出演です(*´▽`*)
それでは、また。
別のお話でお会い出来たら嬉しいです!




