【タトゥム視点】 *カクヨム様にてコメント返事・小説家になろう様の後書きにて投稿したのにちょっと付けたし。
「リアには分からせてやらないとな……」
魔法が好きだと瞳を輝かせる。
作ったものを自慢げに見せる。
かわいいリア。
初めて会ったときから仔リスみたいでかわいいと思っていた。
「まだ勉強し始めたばかりなんですけど。いつか自分だけの魔法具が作れたらいいなーって思っていて」
キラキラした瞳で夢を語る。
かわいい。
かわいいけど……そんな顔を見せるのは俺だけでいいんだ。俺みたいにリアをかわいいと言うヤツが増えたら困る。
「……そうだ。リアには自信を無くさせればいいんだ」
だから、貶した。
瞳のキラキラはだんだんなくなっていったけど……、涙をこらえて俯くリアもかわいい。
俺が、リアを、泣かせている。
俺が、リアの感情を、左右している。
……リアを、リアの感情を、支配しているのはこの俺。
ほくそ笑むのをやめられない。
だから、何度も何度も貶してやった。
繰り返し繰り返し。
楽しかった。
俺の思い通りになるリアが。
だけど……、そのリアが居なくなるなんて、全く思っていなかったんだ……。
どうして?
リアは俺のモノだろ?
どうしていなくなる?
それになんだこの音声……再生機とかいうモノは。
繰り返される俺の声。
『リアのような不細工がこの俺の婚約者だとはなんという不運』
『リアのような不細工がこの俺の婚約者だとはなんという不運』
『リアのような不細工がこの俺の婚約者だとはなんという不運』
『リアのような不細工がこの俺の婚約者だとはなんという不運』
『リアのような不細工がこの俺の婚約者だとはなんという不運』
リアの声で繰り返される音声。
『タトゥム様みたいな暴言ヤロウがこのわたしの婚約者だなんて、不運もいいところだわ!』
『タトゥム様みたいな暴言ヤロウがこのわたしの婚約者だなんて、不運もいいところだわ!』
『タトゥム様みたいな暴言ヤロウがこのわたしの婚約者だなんて、不運もいいところだわ!』
『タトゥム様みたいな暴言ヤロウがこのわたしの婚約者だなんて、不運もいいところだわ!』
『タトゥム様みたいな暴言ヤロウがこのわたしの婚約者だなんて、不運もいいところだわ!』
……やめてくれ。聞きたくない。
だけど。
魔法具が繰り返す再生音なんかより、もっと聞きたくない声と見たくない光景が……。
次の日。
貴族学院のカフェに、リアが恐ろしいほどの美形の男を伴ってやってきたのだ。
誰だよソイツ。




