首輪
テーブルを退かせてみんなで円になって座り、綾坂のスマホで音楽を流しながらそれに合わせてプレゼントを回す。
私のプレゼント喜んでくれるかな?
無難な物にしたからたぶん大丈夫だと思うけど
……結構長いな
もう五周してるんだけど
「ごめーん!ループ再生だったヨー」
「なんでだよ!」
てへっと舌を出した綾坂がスマホを操作してもう一度音楽を流すと今度は三周目でちゃんと止まった。
私の手元にあるプレゼントは誰からのものなのかすぐに分かった。
詩織さんが両腕を上げていたからだ
……財閥令嬢のガッツポーズをまた見るとはな
「ヤンデレちゃん運いいね」
「運ではありません。運命です」
「じゃあ奈凪さんから右回りでプレゼントを開けていくことにしましょう」
麗奈先輩の提案でネタバレされた私からプレゼントを開封することになった
綺麗にラッピングされた包みを開けると中から詩織さんの髪の色のような黒いチョーカーが出てきた。
……これ本革だよね?
2000ドルと間違えてない?
手に取って暫く眺めた後、あることに気づいて仰天する。
「どこのブランド?」
「あ、いや、次行きましょうよ」
星七先輩が興味ありそうにしたが、チョーカーを包みの中に隠した。
これは見せられない
何故なら裏側に私の名前が刻印してあるからだ
奈凪さん一点狙いとか正気の沙汰じゃない
他の人に当たったらどうするつもりだったんだ?
また詩織さんに非難めいた眼差しを送ると、彼女は少し微笑んでから自分のほっぺを触った。
この匂わせ女!
右隣りに座っている姉に催促すると、彼女は丁寧に包みを開けた。
「香水?」
「運命的なモノを感じるわね」
「それ以上喋るな」
麗奈先輩のプレゼントの香水が姉に当たったみたい
運命的ってどういうことだろう?
……やっぱりこの二人にはなにかある
「わーリップだ!」
「それ新作だから」
「ありがとー星七先輩」
綾坂が当たったのは星七先輩からのリップだった。
新作の韓国コスメらしい
「……可愛い」
「せ、星七先輩は良いの沢山持ってるだろうから無理に使わなくていいですよ」
「ううん。こっち使う」
星七先輩はそう言って、自分のポーチの中身を出して、綾坂のプレゼントのポーチと入れ替えた。
二人でプレゼントを贈りあったことになる。
んーやっぱりこの二人は良い感じだと思うんだけどなぁ
「なっ!?」
「なんですか?よく見せて下さいよ」
麗奈先輩がプレゼントを開けたが、すぐに仕舞ってしまう
気になったから身を乗り出して、よく見ようとしたんだけど、先輩はプレゼントを自分の背後に隠してしまった。
なんだろう?ピンクの箱だったけど
「……これ愛花でしょ?」
「ふふっ、いっぱい使ってね」
なんなのか見当がついた自分が嫌だ
せっかく、綾坂と星七先輩で良い雰囲気になってたのに!
私は綺麗な百合が見たいのだよ!
「わぁ、入浴剤だ。これは誰からかな?」
「私からです」
「ありがと。私と一緒にお風呂入りたいってことかな?」
「それ薬なんで食後に飲んで下さい」
「わぁ、薬剤師だねぇ」
私のプレゼントを開けた愛花先輩はベットに帰って行った。
そんな解釈されるとは思わなかったよ
痴女に効く薬ってあるのかな?
「これはお姉さまからですか?」
「……そうよ」
「ありがとうございます。大事にしますね」
最後は詩織さんで、プレゼントは姉からのボールペンだった。
彼女はペンをケースから出して眺めている内に何かに気づいたらしく、私の顔を見て微笑んだ
……なに笑ってんだ、あとで説教だかんな
「ドキドキ!第三回女だらけの王様ゲーム!」
また二人がかりで星七先輩を取り押さえる。
割り箸の予備あったのかよ
麗奈先輩が「次は割り箸だけじゃなくて指も折りますよ」と言ってくれたから多分もう大丈夫だろ
その後、ちょっとお喋りしてからお開きになった。
みんなを玄関まで見送ってから誰も居なくなった自分の部屋で伸びをする。
ふぅ……
楽しかったけど、結構動いたから疲れたな
ちょっと休もっと
「捕まえたよ!これから一緒に性の六時間を過ごそうね!!」
「うわぁぁぁっ!?」
布団の中で愛花先輩に揉みくちゃにされる。
なんで帰ってないんだよ!




