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闇への誘い

「いやーまさか我が部の初トロフィーがコレになるとはナー」


綾坂は部室で昨日の体育祭で貰った『部活対抗リレー』のトロフィーを掲げた。

文化部が一位になったのは史上初らしい


「アンカーの麗奈先輩がゴボウ抜きしたからね」

「ナギっちも速かったヨー」

「綾坂の方が速いって」

「えへへ、そうかナー」

「足の速さでイチャつかないの」


べつにイチャついてたつもりはなかったんだけど麗奈先輩につっこまれてしまった。


「私が足引っ張ってごめんね」

「いやいや、愛花先輩は空気抵抗があるからしょうがないですよ」

「ええっ!?私太ってるかな?」

「あ、いやそういう意味じゃなくて……」

「じゃあどういう意味なん?」


ジト目で聞いてくる綾坂、分かってて聞いてるだろ

話題を変える為に綾坂からトロフィーを奪う


「ところでこれどこに置きます?」

「逃げるなーセクハラっち」

「机の上で良いんじゃないかな?」


愛花先輩が机の真ん中を指差したが、すぐに麗奈先輩が反論した。


「そんなとこ置いたら邪魔になるでしょ。こういうのは本棚の上とかに置けば良いのよ」

「えーそれじゃ、私達しか見えないじゃん。ソファの前のテーブルに置きましょうよー。話のネタにもなるし」

「紅茶淹れる時に邪魔になるよ」

「じゃあナギっちが常に持っててよ」

「やだよ!」


なんで私がトロフィースタンドにならないといけないんだ

常にトロフィー持ってたらめちゃくちゃ誇ってる人みたいに見えるだろ


こっちでもあっちでもないと議論していたら扉がガラッと開いて仮面を被った黒装束が現れた。

ペストマスクちゃんだ


「どうもどうも」

「ほら奈凪さん貴女の『お嬢様』よ」


麗奈先輩に促される。

まだ私って決まってないんだけどな


「いえ、本日は『お嬢様』として参ったのではありませんぞ。奈凪殿を招待しに足を運んだのであります」

「招待?」

「ええ、実はですね。我がオカルト研究部も生徒を癒すサービスを始めたのですが、中々上手くいかなくてですね。そこで同士の奈凪殿にアドバイスを頂きたいのです」


いつから同士になったんだよ!


「……あの、アドバイスだったら部長の方が具体的に出せると思います」

「奈凪殿には超自然的なオーラを感じたのです。貴殿が一番最適ですぞ」


助けを求めて麗奈先輩を見たが「経験になるから行ってきなさい」と言われてしまった。

経験になるかなぁ


「なんかナギっちが危なそうだから私も行く」

「人数が増えるとエントロピーが増大する恐れがあります故、御遠慮頂きたい」

「なにその理由!?」

「なぁに我々の指示に従えば危害は一切加えないと約束しますぞ」


指示に従わなかったら何されるんだよ!


綾坂はまだ何か言いたそうだったが、愛花先輩に後ろから抱きしめられて「奈凪ちゃんは絶対に無事に帰ってくるよ。信じて待ってよう」と神妙な面持ちで言われ大人しくなった。


私死ぬん?




オカルト研究部の部室に入ると、ドクロ型のコップを突き出された。


100円入れろってこと?

招待って言ったじゃん!騙された


渋い顔をしながらコップに100円入れたが、ペストマスクちゃんは動かない


「足りませんな」

「え?」

「500円ですぞ」

「ごひゃくえん!?」


ふっざけんな!

帰りに漫画買おうと思ってたのに買えないじゃん


「5倍以上のサービスは保証しますぞ」

「……そうですか」


ピキりながら500円を入れる。

水着で抱き合ったりしてんの?

それでもボラ部には及ばないと思うけどね

なにせこっちは私以外、全員ビジュ最上級なんだから


ぷんぷんしながらペストマスクちゃんに着いていく

彼女は暗幕の前で立ち止まってそれを開いた。


ベッドが置いてあるーーー!?


保健室に置いてあるような質素なベッドだけど、部室にベッドが置いてあるのはなんというかいかがわしく感じる。


「ふっふっふ、どうです?気に入りましたかな?」

「まぁ……」

「ほらほら遠慮なさらずに寝てくだされ」

「は、はい」


勧められたので仕方なくベッドに寝転ぶ

ペストマスクちゃんは傍らに置いてあった丸椅子に座った。


「奈凪殿は死後の世界は存在すると思いますかな?」


なにその話題!?

てか寝ながら座ってる人と会話しにくいんですけど

お茶も出てこないし、前回の偵察はなんだったんだよ


アドバイスしようと思ったが、ペストマスクちゃんから矢継ぎ早にオカルチックな質問が飛んでくるので隙が生まれない


「ではそろそろそちらにお邪魔しますぞ」


会話は済んだらしく、ペストマスクちゃんもベッドに上ってきた。

ちょっとドキドキしてる自分が情けない


「さぁ融合しましょうぞ」


ペストマスクちゃんにベッドの上で抱かれる。

ドキドキした気持ちは吹き飛んだ


マスクのクチバシが私の頬に突き刺さったからだ


「あだだだだだ!!」

「我々が抱くと皆、何故か痛みを訴えて逃げていくのです。原因が何なのか皆目見当もつきませんので何かお分かりでしたらご教授願いたい」


痛みに耐えながら力いっぱい叫ぶ


「マスク外せや!!」


なんとか生還してボランティア部に戻るとすぐに綾坂が飛んできた。


「ナギっちほっぺ真っ赤じゃん!何されたの!?」

「クチバシで刺された」

「そんな!私のものなのに」


私と入れ違いになって待っていた詩織さんが手で口を抑えてショックを受ける

部室でそれ言わんで欲しい

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