表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
還暦厄災記  作者: 蘭鍾馗
4/20

【本厄の2】さよなら冷蔵庫

2023年、私は還暦を迎えました。でも、還暦は厄年でもあって、この年、私の身の回りで様々な厄介事が起きることになってしまいました。私自身にとっては今見ても頭痛の種でしかないのですが、他人が見たらちょっと面白いかもしれない。そう思って、日記をネタ帳に、私の還暦の年に起きた厄災をまとめてみました。 還暦の厄年、あなたは大丈夫でしたか?

 三月のある日、冷蔵庫が壊れた。


 モーターが回っている音はするのだが、庫内が全く冷えていない。冷凍室の霜が溶けて、庫外に水が流れ出している。大変だ。


 冷凍室には手作り餃子と野菜くず(なぜそんなものが入っているのかは後で説明する)が入っている。冷蔵室には、タッパーに入れた作り置きの煮物、味噌、封を開けた濃縮めんつゆ、同じく封を開けたみりん、卵、ウインナ、それに、なぜかちくわぶ。とりあえず、近くのコンビニでロックアイスの大袋を買ってきて庫内に入れる。


 幸い今はまだ早春。傷む前に食べきることは、なんとか出来そうだ。このうち手作り餃子だけは火が通っていない生ものなので、まずは優先順位一位だ。週末まで晩飯全部これだな。優先順位二位は作り置きの煮物。卵は意外と持つはず。

 あとは野菜くずだ。一度冷凍しているので、解凍されてしまうと傷みが早いかもしれない。これも早めに食べよう。


「食べる」?

 そう。この野菜くずは捨てるためでなく、食べるために冷凍してあったのである。これ、実は煮物を作った時に出た大根と人参の皮と頭、そして尻尾の部分である。これにウインナや鶏もも肉なんかを加えて、めんつゆとかで適当に味付けして炒め物を作る。根菜の皮とか頭の部分って、実は味が濃くて結構おいしいのである。


 だが、冷凍して毎日少しずつ使うつもりだったものが、冷蔵庫の故障により、今は短期間で消費してしまわなければならない状況である。なので、これにメインを張ってもらおう。

 そこで、「ブンナゲッセ」という料理を考案した。どんな料理かって?


 ①まず、ウインナを1cmくらいに切る。

 ②ちくわぶを斜めに輪切りにして、ほぐす(生地を棒にまきつけて作るので、輪切りにするとほぐれるのだ)

 ③野菜くずは適当な大きさに切って、たっぷり用意する。頭としっぽは細かく刻む。

 ④ウインナを炒め、軽く焦げ目がついたら野菜くずを加えてさらに炒める。

 ⑤人参の臭み消しにクミンシードを入れる。

 ⑥ほぐしたちくわぶを入れ、市販のパスタソースを入れる。

 ⑦最後、軽く炒めたら完成。


「ブンナゲッセ」とは、東北弁で「捨てなさいよ」くらいの意味である。でもなんかイタリア語っぽいでしょ?ほぐしたちくわぶも、なんかパスタっぽい感じに見えるのである。

 そうやって週末までなんとか凌いでから、土曜日に速攻で冷蔵庫を買いに行った。


 ちなみに、現在のちくわぶは商品改良されて、ほぐれなくなっている。煮崩れ対策なんだそうだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ