【後厄の2】姉、認知症になる
2023年、私は還暦を迎えました。でも、還暦は厄年でもあって、この年、私の身の回りで様々な厄介事が起きることになってしまいました。私自身にとっては今見ても頭痛の種でしかないのですが、他人が見たらちょっと面白いかもしれない。そう思って、日記をネタ帳に、私の還暦の年に起きた厄災をまとめてみました。還暦の厄年、あなたは大丈夫でしたか?
五月のある日。夜、義兄より電話。姉が急に認知症になったらしい。今、入院中だと。この間、玄関を出た所で、そこから一歩も動かなくなってしまったのだとか。
ええ?
そういえば、姉と最後に会話したのは、一月半ば頃だ。その時は普通に会話できていた。
ただ、なんとなく違和感があったのを覚えている。
何というか、話が少しくどかったのだ。
その時は、何か愚痴モードだったのかな、と思っただけだったのだが、今になってみると、あの時から少々おかしかったのかも知れない。
でも、認知症って、進行が割とゆっくりした病気じゃなかったっけ?そんなに急になるものなのか?
とりあえず、私が九月の頭に帰省予定なので、その時に義兄と食事をしながら、この件についてゆっくり話を聞くことになった。
九月某日、義兄と某ホテルのレストランで食事をした。
その時に、姉の認知症について義兄に話を聞いた。
主治医の話では、いわゆるアルツハイマー型ではなく、ちょっと特殊なタイプの認知症にかかってしまったらしい。
話を聞いて、私が理解した限りのことをまとめると、こうだ。
体の免疫システムが暴走して、脳細胞のシナプスの「つながり」を攻撃する。
脳細胞自体は攻撃されないが、シナプスの「つながり」が損傷するので、その部分の記憶が無くなる。そこで、脳細胞はそれに対抗しようとして、新たなシナプスの「つながり」をどんどん作ろうとする。すると、それが「偽の記憶」になってしまう。
つまり、記憶が消える一方で、新たな偽記憶がどんどん作られるという、ちょっとやっかいなタイプの認知症らしいのだ。
「つまり、リューマチの脳みそ版みたいなもの?」
そう聞くと、まあ、そんな解釈のしかたもあるか、みたいな顔をしていたので、まあそんなに間違った解釈でもないようだ。
症状は出る日と出ない日があって、出ない日は普通に会話出来たりするらしい。
その翌日、朝から田舎の家や土地などの様子を見て回った後、夕方、姉が入院している病院で義兄と待ち合わせ、一緒に見舞いということになった。
その日は、症状の出ない日だったようで、拍子抜けする位普通に会話できた。
話が出来て良かった。
でも、もしかしたら、これが姉との最後の会話になるかも知れない。
この件について、私にできることはもう何もないので、そうならないよう祈るしかない。




