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スライムの女王  作者: 黒戸しろ


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異世界に転生してしまった私の話

こんにちは。

異世界転生ものを書いてみたくてはじめました。

楽しんでいただけるようにがんばります。

どうぞよろしくおねがいします。




 書店に行った私が見たのは、ずらりと並ぶ異世界転生の本だった。

 どれだけみんな、別の世界に憧れているのだろう……と思ったものだ。

 殺伐とした世の中だから、わからないでもないけれど、私はまったく興味は抱いていなかった。

 なぜなら──トイレ、絶対に未開じゃない?

 臭いトイレや汚いトイレは想像だけでぞっとする。お風呂だってないかもしれないし。

 異世界における登場人物がどんなに美しい容姿をしていても、不潔で臭いかもしれないと思ってしまって話が頭に入らない。

 私は海外旅行でさえトイレやお風呂が心配で行けないくらいの女だから、しかたがないだろう。

 そんな私がもしも異世界に転生したらどうなるか。

 おそらく絶望するだろう。


 そして、やっぱり絶望した。







 人間、変なもので、絶対にこうなりたくないと思ったものになるものだ。

 私は身をもって体験している最中だ。

 もしも異世界に転生しなければならないのだとしたら、王侯貴族を希望する。まともなトイレやお風呂にありつける確率が高そうだからだ。

 そんな都合のいい選択肢はなかったけれど。


 自分が異世界に転生したことを知った時には最悪だった。

 悪夢の共同トイレというか、掘っ立て小屋に穴が掘ってあるだけのトイレしかなかった。

 人目をさえぎる壁はないし、あろうことかウンチが見える。ウジも元気に動いている。おまけにたまに穴ぼこに落っこちる。感染症の温床だ。

 ふざけるな、こんなのトイレじゃないだろう! 臭い・汚い・未開の極みだ。

 不幸中の幸いというべきか、私が異世界に転生してしまったと気がついた時には、すでに十年が経過した後だった。

 つまり、そういうものだと心構えはできていた。

 これまでの自分は現状に問題があるとは思ってなかったが、現代人の知識や価値観が加味されてしまえば問題がありすぎる。


 現在の私はまだ子どもで十歳だ。絶賛ネグレクトされている。

 しかも、前世を思い出したのは、母親に殴られて意識を失ったせいだった。

 例えるなら、朝起きたらなぜかそこは異世界だった系である。

 反吐が出そうな現状に混乱するし、気持ちが悪いほど困惑する。

 子どもの私と大人だった私が混在してぐちゃぐちゃだ。

 なにより耐えられないのがトイレ問題だ。最高のトイレを知っているだけに、こんな三重苦の最下層トイレなんかじゃ、用は足せない。

 でも、悩みに悩んで、ついに限界が来て、三重苦トイレを使うしかなかった。

 そして、泣いた。

 成り上がるしかないと思った。

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