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蛇足、蛇足、蛇足、蛇足!

よろしくお願いします。

蛇足です。

あれから、白瀬から電話があったけど、流石にちょっと出れなくてはじめて無視をした。

暫くしたら電話が止んでメールがあって、『傷付けてごめん』ってきた。


何も返せなかった。


休日中はずっと親友のメンケアを受けていた。本人曰く、『一旦ね、一旦。お願い♡』なんて言うものだから、心配してるのが伝わってくるし、こういう時にいつも頼ってるから今回も頼らせてもらった。

ただ二人で遊ぶだけのなんちゃってメンケアは効果が絶大で、あんなことがあったのに月曜日にはいつもの私に戻っていた。

私のメンケア担当の親友的には、まだ強がり七割らしいけど、ひとまず外面が保てるなら大丈夫だと思った。


実際に、白瀬と大学で鉢合わせた時も何食わぬ顔で挨拶出来たし。食事とかは、流石に無理だったけど、そもそも親友に連行されたし。

白瀬も負い目があるのか、そこまで私に絡んでこなかったし親友のなんちゃってメンケアを継続していると、メンタル()()判定(ちょっと合格って言われた時にビクってしたけど)も貰えたし。


それと、エントランスで会ったお姉さんが実はあの人のお姉さんだったということが、私の強がり四割くらいの時に判明した。

どうやらお姉さんとそのご両親はまともな方だったらしく、あの時の行為に関しての謝罪と慰謝料、被害届等に関してお話ししたいと連絡があった。


許したわけじゃないけど、謝罪以外は断った。

本当は全部するべきなのは分かってるし、何もしなかったらまた同じ被害を受ける人もいるかもだし、親友にも『甘い!』なんて言われたりしたけど。

もう関わりたくないのだ。

親友は私をどこか神聖視してるけど、どこかの誰かの為にあの時のことを思い出して警察に行くのは嫌だし、お姉さんとかご両親の負担にしたくないし、流石にないとは思うけど、逆恨みなんてされたら嫌だから彼女達からの謝罪だけは受け取った。

……あの人本人からは謝罪も慰謝料も貰いたくない、そもそもするつもりもないだろうけど。


あの時、あの瞬間、確かに私はこの世の終わりくらいに絶望したけど、実際に世界が終わることなんてなくて、私も親友と時間のおかげであの時の傷から復活出来た。


トラウマになりかけた雨の日も、もしかしたらあの時よりも好きになってきたかもしれない。


だから、もやもやするのは嫌だから返信だけはしておいた。もう見てないかもだけど。


『私のことは忘れてください。大丈夫とは言わないし、許すつもりもないけど、このことを引きずってこれからを過ごすのはやめてください。誰かの人生に傷を残すって、ちょっと無理』


自分が良ければそれでよし!



あの日送ったメールに返信がきた。

彼女らしい文面だった。

こんなメールを送るなんてダメだろう。もし、俺がストーカーにでもなったらどうするんだ。

なんて、暗い部屋で考える。


少しでも彼女の負担にならないように、大学ではいつも通りを取り繕ってるけど、彼女が視界に入ると触れられないのが辛いから出来るだけ行動が被らないようにしてるし、彼女の親友にも一度だけ接触して俺の行動範囲だけを伝えた。


多分それで伝わった筈だ、彼女は俺とは違って間違えない。彼女より自分を優先した俺と違って。


俺は、俺の責任を取らなくちゃいけない。

慎兄さんをこんなにしたのは多分俺だ。

幼い頃の全能感のままに、調子に乗らせてしまった。

成長させてあげられなかった。


もう誰にも迷惑をかけないように、慎兄さんに程よい優越感を与えて、世界の隅っこで生きていこう。


君は何も関係ない、こんな風になった慎兄さんを野放しにするのは無理なんだ。

大丈夫、引きずってる訳じゃない。

これは俺の責任だから。



最近、本当に調子がいい。

仕事は軌道に乗ってるし、一緒についてきた誠はあの頃と同じようにキラキラした瞳で見てくれる。

俺は誰よりもすごい!

姉貴からは心配だから戻ってこいとか心にも思ってない電話がくるけど、こんな生活をやめるなんて無理だ!


今まで、空虚だった。

どれだけ成功しても、褒められるのは一瞬で少ししたら周りからは、お前ならやって当たり前の目で見られる。

群がってくるのは、顔に釣られた何も分かってないバカ女ばかり。


けど今は違う。

誠がいる。

誰よりも俺を尊敬して、憧れて、慕ってくれる弟分がいる。


俺は世界一幸せだ。



最近の私は世界一の幸せを更新し続けている。

でも、これは幸せと同時に生殺しだ。


何も知らない親友がよく泊まりに来る。

あの日からメンケアと称して遊びに出かけていたら、死にそうなくらいの顔色は徐々に元に戻っていった。


大学で会った白瀬からは、行動範囲を教えられた。ストーカーか、なんて過ぎったが、むしろ彼女を避けて行動していた。


『もう迷惑はかけないから』


なんて、死にそうな顔で言った時は俄に信じられなかったけど……奴なりにけじめをつけるってことなんだろう。知らんけど。


平和な日々が続いていると、親友を傷付けた人の身内から連絡が来た、と聞いた。

聖女のような我が親友は、相変わらずの聖人君子を発揮して甘いにも程があることを言っていたけど、私は本人がいいならまあ、いいか、と無理矢理納得することにした。


そのことについて色々言ったけど。

彼女は関わりたくないと言っていたし、そんなことに意識を割くくらいならもっと親友と遊びに行きたいと言っていたので。


ゲンキンな私は温泉旅行に行きました。

もちろん歪んだ欲望を叩きのめす術は持ち合わせているので、健全に。


それから、暫くして。

まだ雨の日に苦い思い出があるらしく、メンケア合格後も親友は雨の日には決まって私の部屋に泊まりに来ていた。


私としては大歓迎だ。

パジャマパーティなんてものはなんぼやってもいいですからね。

私がウサギで、彼女がオオカミなんていう私からしたら逆じゃね?なんて思う組み合わせだけど、逆だったら私の中の戦いは理性が負けていたかもしれない。

ところでイヌミミって可愛いね。(敗北済の為、親友への褒め殺しで発散を実施)


「ねえ、親友」


「何かな親友、珍しく気取った喋り方だぴょん」


「……雨の日、好きになりたいな」


「なったらいいんじゃないぴょーん」


「…………ウサギさんから襲う童話とか、つくってみる?」


「……………………へ?」


彼女は雨の日で心が落ち込んでるんだろう、冷静になれ中学から頑張ってる私の理性。

耐えられそう?


無理です!!!!


一人につき一無理を使う。

私にはこれが限界です。

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