058⚫️帝王現る
初めて上陸する大陸だ。
オレの手下になるヤツラはいるか?
いや、オレ自身が、もっと強くならなければ。
マンジやヤハチみたいに、それ以上に、もっと、もっと強く。
随分と旅を続けている。
善良そうなのもいるし、悪辣なのもいる。
だが、傑出したヤツに会わない。
もっとギラギラした、征服欲の塊みたいな、
攻撃的な、無遠慮なヤツはいないのか?
トウケツキ再興の第一歩である、公国の殲滅。
このオレの欲望を叶えるための、
オレの配下になるヤツはいないのか?
平和は人類を腑抜けにしている。
いや、この大陸が平和すぎるのか?
ああ、そうか。マンジとヤハチは特別だったのか。
でも、ふたりとも自分では弱いって言ってたなあ。
森を抜けて集落にたどり着く。
あの男は誰だ?
戦闘力は大したことはないが、何か黒々したものを感じる。
焦げ付いた悪臭のようだ。煮詰まった怨念が放つ、吐き気を催す臭いだ。
鍋底に張り付いた、あの厄介な毒々しさと同じだ。
お前、帝王だって?!
どこの?ラベリア?途中で通ってきた国の名前だな。
だが、あそこには王はいなかったぞ・・・。
なるほど、公国との敗戦で亡命しているのか。
だが、この禍々しさ!
怨念で凝り固まったような、鞘のない剣のような、
命中爆発直前のブラスターのような・・・。
この世界にも、こんな男がいるんだな。
オレと手を組みたいと?
軍を編成して報復する?
公国に?・・・これは面白い!
乗ってやろう、その話に!




