039⚫️初めて知る概念
ドラゴンリザードだ!
ユニコーンに手出しさせるわけにはいかない。ヤハチ、行くぞ!
ドラゴンリザードか!
ユニコーンを巻き込むわけにはいかないな。マンジ、俺たちでやるぞ!
なんだ、あの巨体は・・・喰えるか?
マンジとヤハチがオレの前に立つ?
お前らの方が強いだろ。
本来なら、オレが先陣を切るべきじゃないのか?
くっ、やるな!さすがドラゴンリザード!
これでどうだ!
マンジの剣がドラゴンの腹を横殴りに斬る!
ヤハチの手から銀色の何かが放たれ、頭部に突き刺さる!
うぉお、ドラゴンのシッポが切れて、暴れ出したぁ!
「大丈夫か、ユニコーン?」
「怪我はないか?」
「ああ、ない。助けられたのは2度目だな。だが、お前らの方が強いんだろ?なら、まずオレが行くべきじゃなかったのか?なぜ、オレを先に戦わせなかった?」
「何言ってんだ。俺たちは強くはないが、そうだとしたら余計に、俺たちが先に行かなきゃならんだろ?」
「お前も強いだろうが、子どもを先に行かすわけにはいかんからな。」
「強い者は後衛に回り、弱い者を囮にするのが定石だろう?」
「それは違うな。弱い部分を切り捨てるのは、トカゲの尻尾切りと一緒だ。俺たちは、誰一人として切り捨てたりしない。」
「強いとか弱いとかじゃなくて、みんなが生き延びることが大事なんだ。」
ユニコーン、ハバタキは、
マンジとヤハチの言葉に、信じられない思いで立ち尽くしていた。
それは、彼が幼い頃から叩き込まれてきた戦略とは、あまりにも違っていた。
いや、戦略以前の問題だ。
存在のあり方、理念そのものが違っていた。
強い者が生き残るのではなく、みんなで生き延びる。
それは、ハバタキにとって、生まれて初めて触れる概念だった。
「ヤハチ、相変わらず棒手裏剣、達者なもんだな。」
「俺の、たったひとつの特技だからな。」
事なきを得たマンジとヤハチの顔に、笑みが浮かんでいた。




