013●いくよ! & 014●すまんな
013●いくよ!
A国が軍事パレードを行った。
ミサイル、戦車、戦闘機。最新技術の塊だ。
B国が軍事パレードを行った。
ロボット、ステルス、レールガン。敵を倒すぞ、この仕組み。
C国がパレードを行った。
ダンス、音楽、おいしい料理。みんな笑顔で参加する。
ヒトはそれぞれ違うのよ。
価値観様々、それでいい。
さて、どのパレードに、いってみたいと思うかな?
014●すまんな
ヴァルターは晴耕雨読の毎日である。
晴れた日はわずかな畑に出る。剣の達人は鍬を振るのも上手い。
昼には近所の農夫とよもやま話。時には元の部下たちと、夕食で酔う。
雨の日は本を読む。公国の図書館は、ヴァルターに新たな世界を教えた。
かつては剣と知恵で敵を斬り伏せたが、今、彼は本によって世界の広がりを知る。
軍記物から始まり、冶金術、力学、天気予報士、医学、生理学、冒険の物語。
本を返しに行くとき、彼はワクワクが止まらない。次は何に出会えるのか。
時おり、友人知人に頼まれ出かける。剣の振り方、防御の仕方、経験談。
それはしかし、殺気を帯びていない。
どうすれば信頼できる集団を作ることができるのか。
なぜ、帝王の統治は成功しなかったのか。私見を述べて、帰路につく。
ああ、ローレンス。儂は生き延びた。
貴公が望んだ穏やかな日々がある。
許せ、儂だけが。だが、ウィルフレッダもその子も、元気で暮らしているぞ。
そうだ、今度、貴公の剣のところに行こう。美味い酒を携えて。
夜の星が煌めく。
見上げながら、ヴァルターは本から得た、あの言葉を思い出す。
天に星、地に花、人に愛。
なぜかわからぬまま、なにかわからぬものが、胸の中に込み上げてくるのだった。




