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ワールド・ガーディアン〜新たなる転生者〜  作者: 小さな枝切れ
第2章 特Aクラスの学院生活
28/212

波乱の幕開け

 長期休日が明ける。朝日を感じて目が醒めると俺の口はアリエルに塞がれていた。


「おはよう」

「おはよう、アリエル」


 アリエルが立ち上がろうとする手を引っ張り抱きしめた。


「サハラさん?」

「もう少しだけ、こうさせてくれ」

「うん」


 ゆっくりと離れ、体を起こした。


「満足した? サハラさん」

「足らないけど、そろそろ時間かな?」

「うん、けっこうヤバイかも?」


 慌てて準備をし、アリエルの手を取って教室に走る。お互いの口にはエルフの携帯食を口にしている。


“朝ごはんクッキーか”

「ごめんごめん、昼にたっぷり肉を食わせるから許してくれ」

“許す♪”



 教室に駆け込み、なんとか間に合ったようだ。


「朝から見せつけてくれるねぇお二人さん」

「デノさん、そう言うことは言わないものよ?」

「まぁ事実だから構いませんよ」

「う〜、あたしも将来はサハラさんみたいな恋人が欲しいな〜!」

「ミラの性格、じゃ、難しい……と思うな……」

「うわ! わわわ! ベネトナシュがそう言うこと言う?」



 扉が開いて学長(キャス)が教壇に立った。


「はいはーい、みんなそこまでだよ。今日はこの特Aクラスに割入生だよ」

「そういえばサーラさんってどうなったんですか?」

「あー、サーラさんね。彼女は今回の事で侍女長さんに怒られてね、しばらくは侍女長直々にトレーニングだそうだよ」


 みんななんとなく想像できたのだろう。あ〜とか声が上がる。



「それじゃあ、今日から一緒に勉強する、エアロ王女様だよ」

「「「はあぁぁぁぁ!?」」」


 扉が開かれ見間違うことないエアロ王女が姿を見せた。


「皆さん初めまして、キャビン=エアロです。王家の者ですが、学院にいる間は身分は気にしないで接して貰えると嬉しいです。

……っあ!」



 小さく声を上げるとテテテっと王女が近づいてくる。俺の前に……そして、顔を鷲掴みにすると徐ろに口づけをされた。



「「「わあぁぁぁぁぁ!」」」


 クラスが見入る中、王女の接吻を受け、俺とそれを見たアリエルが硬直する。



 ガシッと首を掴まれ、そのまま引き剥がすとグリンと捻られて今度はアリエルの熱いキスをされる。


「「「わあぁぁぁぁぁ!」」」


 口を離すとアリエルはエアロ王女を睨みつけ、


「あたしのものです!」


 そう言うと、ぎゅむと胸に押し付けられた。

 クラスの男子生徒から何かドス黒いオーラが見える気がする。いや、女子からも見える気がするが気のせいだろう。



「はいはーい、仲がいいのは結構だけど、これから授業だからね」


 どうせまた……


「と言うわけで今日は親睦を深めてね」


 やっぱりな、全くもっていい加減な学長(キャス)だ。

 親睦をと言われたが、やはり相手は王女様なわけで、ドゥーぺなんかはいずれ仕える相手のため平伏しっぱなしだ。



 やっと平和になったと思ったが、どうやら波乱の幕開けのようだ。



『アリエル、これってやっぱり子作り狙いだよな?』

『そう思いたい。でもこれは……』


 それ以外何があるんだと思いながら、俺は……俺の手をずっと握っているエアロ王女を見る。



「王女様、どうして学院に来たんですか?」


 至極まっとうな質問をアルナイルがする。


「はい、サハラ様と親密になるためですわ」


 そしてここに酷く風紀を乱す王女がいる。


「王女様、どうやらかせば、その、サハラと知り合いになれるですか?」


 これとは別に、ここに不届きな質問をするデノンがいる。


「はい、独房に連れて行かれる時に偶然見たんですわ」


 通常ありえないだろうと思えるシチュエーションをサラッと言う王女がいる。


「つまるところ、王女様はサハラさんが好きと言うことなんですか?」


 ここでズバリな回答を求めるビクターが尋ねれば。


「はい、将来を共にしたいと考えてます」


 どうやらアリエルが心配していた、恋人の位置を奪おうとしている様だ。


「あの、王女様、サハラさんにはアリエルさんがいると思うんだけど、まさか略奪とか考えているんじゃ……」


 ミラが心配してくれているのか尋ねる。


「いえ、サハラ様と私が夫婦となって、アリエルさんはそのまま恋人で構いません」


 平然ととんでもない答えを言ってきた。


「王女様も冒険者になるの?」


 ここでアホな質問をするアリオトが現れる。


「そうですねぇ、サハラ様がそれを望むのでしたら、王位継承するまでの間なら良い経験になるかもしれませんね」


 そのアホな質問にしっかり答えている。



 この国の先行きが不安になってくる。ドゥーぺを見れば平伏しながらも、あまりにぶっ飛んだこの状況についていけなくなった様で、ブツブツと何か独り言を言いだしている。

 こんな状況にもかかわらずマイペースにフェンリルを撫でて悦に浸っているベネトナシュは大物だ。



 そんな中アリエルが遂に王女に口を挟んだ。


「王女様、サハラさんはあたしのものです。それとサハラさんの気持ちだってあるんじゃないですか?」


 王女がジッとアリエルを見つめ、その後俺の手を握りしめて離さないまま、1番答えにくい事を口を出してきた。


「サハラ様、サハラ様は私の事はお嫌いですか?」



 俺、今すぐ消えて無くなりたい。



本日はここまでです。

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