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第百二十五段 つひにゆく道
【本文】
むかし、男、わずらひて、心地死ぬべくおぼえければ、
つひにゆく道とはかねて聞きしかど
きのふ今日とは思はざりしを
【現代語訳】
昔、ある男が、病気になって、いよいよ死んでしまうのだろうと感じられて、次のような歌を詠みました。
誰でも最後には行く道なのだと、かねてより聞いてはいましたが、いよいよ我が身がそうなるのが昨日今日と差し迫ったことだとは、思いもよらなかったなあ。
【解釈・論考】
すこし悲しいことですが、人はみんな死んでしまいます。例外はなく、この世における数少ない絶対の論理の一つですね。死んだらいったいどうなるのでしょうね。無になるという人もいます。あの世があると考える人もいます。輪廻転生すると言われたりもしますね。
僕たちはいつ死ぬのでしょう。一秒後に死ぬとは、あまり考えてはいませんが、ただまあ可能性としてはゼロではありません。とはいえ、僕の本音を言うと、一秒後に死ぬつもりで日々生きているという訳でもないというのが正直なところです。




