表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
115/132

第百九段 人と花と

【本文】

 むかし、男、友だちの、人を失へるがもとにやりける。


 花よりも人こそあだになりにけれ

   (いづ)れをさきに恋ひむとか見し



【現代語訳】

 昔、ある男が、友達が愛する女を亡くしたときに次のような歌を詠んで贈りました。


 はかないはずの桜の花よりも、人の方が先にいなくなってしまいましたね。花と人と、失って悲しむのはどちらが先になると思われていたでしょうか(もちろん花ですよね)。 



【解釈・論考】

 愛する人を亡くした悲しい気持ちに寄り添うような優しい歌です。歌の真意としては「こんなに早くあの人を失うことになるなんて、思いもよりませんでしたよね」といったところにあります。

 歌をみていきましょう。この歌は『古今集』哀傷(850)に紀茂行(きのもちゆき)(紀貫之の父)の歌として収められています。初句の「花」が何の花であるのか名言はされていませんが、花が散りゆく様子を故人との対比としている訳ですから、イメージにもっともよく合うのはやはり桜でしょうか。二句目と三句目の「あだになりにけれ」というのは「儚くなってしまった」「お亡くなりになってしまった」といった意味の言葉です。結句の「恋ひむとか」は「恋しいと追慕する」といった意味です。物語文に冗長な説明もなく、悲しい気持ちを慰めたいという気持ちが淡く心に沁み入る段です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ