最終話
「だ、誰だそなた達は。」
ファーラは驚いて思わず声を上げた。
「本当にカルナさんそっくりだねー。」
「にしちゃあこっちのが大人っぽくないか?」
「そんなことよりこの空間はおかしいのでは?まわりの方々がどんどん歳をとっていかれます。」
「・・・・・・おまえ達が私が呼んだ・・・・・・戦士?」
「え?やだなあ。戦士なんて大それたものはしてないよ。」
と会話を交わし、四人は王が持つ力よりも強くさっさと三枚のカードにするといなくなってしまった。
四人の名前はルルス、メイア、ミョンハク、セタだと知った。
強大な力を失ったタイナーナの城は時の流れにより崩壊。
またその奇跡の四人とファーラ達を人々は像にして代々残し続けることになった。
像の意味は“願うだけでは得られない。すべては実行なのだ”とか・・・。
その像を見ながらファーラはつぶやいた。
「あのミョンハクとか言うの・・・・・・ナハスに似てたな・・・・・・あんな切なそうで寂しそうな顔を私は今までナハスにさせていたのかな。」
四人がその力を体内に宿したとき、ファーラ達の魔法もとけ、メイドも元の姿に戻った。
ただ、あの牢獄で死んでいった人たちは帰っては来なかった。
そして少女たちは大人になった。
「ファーラ!」
「ナハス!あの、あのな。私・・・・・・わかったかもしれない。」
「何が?」
「こ・・・・・・ムグッ!」
ファーラが言い掛けたとたんに後ろからブァレッチアがファーラの口を押さえた。
「こんなところで・・・・・・しかもよりによってこんな奴と逢引きだなんて心外だなあ・・・。」
「何を言っている!タイナーナからユリアに来るといったのはおまえだろう!しかもタイナーナには今は国王がいないし?国民たちも平和にすごしているそうじゃないか。」
「そうだね。」
ファーラの顔をくいっと斜めに持ち上げるとブァレッチアはファーラにキスをした。
「な、何をする!」
ファーラはブァレッチアを突き飛ばした。
「やだなあ。いつものことじゃないか。」
「ああ、本当にいつもいつも手口をかえて私が抵抗する隙も与えてはくれないよな!しかも・・・・・・いつもナハスの前でするし・・・・・・。と、とにかく私に近づくな!」
するとナハスはファーラを抱き寄せてキスをし、ファーラが見えないところでアッカンベーとしていた。
「な、ナハス!わ、私は物じゃないんだぞ!?き、キスは特別な行動だと聞いたから・・・・・・そんな物にマーキングするようなことは・・・・・・。」
「嫌ならあいつみたいにつきはなしゃいいだろ。」
「え!いや・・・・・・その。たまたまだ!」
顔を真っ赤にして頭をふるファーラ。
そんなファーラをナハスは見てニヤリと笑った。
「ファーラちゃんは俺のことが好きなんでちゅねー?」
「・・・・・・っ!す、すきだよ!悪いか!」
びっくりしてナハスもブァレッチアも身を固める。
「ナハスも、カリアもブァレッチアもみんなすきだよ!」
ブァレッチアは吹き出しナハスは呆れた。
「あんね、そーいうんじゃないよ。」
「・・・・・・そうさ、私はみんな好きだ・・・・・・でも、なんだろ・・・・・・この気持ち・・・・・・ま、いっか。」
そうやって少しずつ気持ちは変わっていく。
その先に何があるのかは、解らないけれど――…。
読んでくださった方々、ありがとうございました。
戦いがどうなったのか知りたいという方は『記憶』の83~99話をご覧ください。
記憶は戦いが主となっているファンタジー小説ですのでご注意ください。
(グロテスクな描写場面などが無理というかたは見ないほうが良いかもしれません。)