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#4

 部屋にはオイルランプもあったが、テーブルのに蝋燭を手ずから灯し、ソファーに深く腰かけて物思いに耽った。外部からこの部屋に入るまでには、衛兵やロートルたち側近の居室を通らねばならない。


「なにか、お酒でもお作りしますか」


 侍女が気を利かせてくれた。 今夜はなかなか寝付けそうにないと思う。


「紅茶とブランデーを。後は自分でするわ」


(今ごろ、ユーワンとサクヤはどうしているだろうか)


 夕食は六剣士と共に摂った。


「上の空ですな」


 ノエルもヴァイオラ公女の身分にもどった。


「みんなはどうか?」


 近衛騎士の服装からドレスに着替えた公女は食器を見つめたまま、歓談すらしなかったが、昼間のことを思い出せば、上の空にもなろう。


「さすが剣聖の技前ですなあ、と言ったらウルフィーに悪いか」


「……木剣だったから、真剣で腕を斬り落とされなかっただけマシですよ」


「なにか得るものはあったか、ウルフィー」


「公女、わたしは今まで俊敏さを身上としてましたが、面と向かってわかったのは、剣聖は心技体の3つが整っているということでしょうか」


「ほう、よく気付いたな。妾も同じ意見だ。後ろで見ていてそう思ったよ」


「ウルフィーは剣聖に打ち込める隙を探したが、剣聖はウルフィーの隙も守りも得手不得手も全て見切っていたのですなあ」


「ロートル、そなたはその境地に達しているか」


 ヴァイオラの問いにロートルは気恥ずかしそうに答えた。


「技量に差のある相手であれば同じことができます。年の功ですが、しかし」


「しかし?」


「 ユーワン・アルティミトの場合は、おそらく 自分より技量の上回るものが相手でも、同じことができるのではないかと推察する次第」


「各国の使者、見届け人はなにか申していなかったか?」


「姫の思惑通り、 このたびの決着に表向き疑問を呈するものはおりませんでした」


「それは良かった」


「ユーワン・アルティミトの自決宣言も功を奏したようです。各国とも剣聖には一目置いておりますゆえ」


「そうだ。カステヘルミも改めて労わねばいけないな」


 仮面の公女をヴァイオラに替わって演じる侍女。影武者でもあった。


「 打ち合わせていたとは言え、彼女はよくやってくれた。堂々としたものだった」


 ロートルが眉をひそめる。


「あのような算段を、われらにも隠していたとは水臭いですな」


「そなたらも、妾が止めるのも聞かずに、剣聖との相打ちを狙っていったではないか。まあ、お互い様ということにしておこう」


「明日以降、悪魔憑きの童子の赦免について各国から抗議は来るかな?」

予定より長くなってきてしまいした。

長編を書くにあたって、途中で頓挫しないようにパイロット版のつもりで書いてるので、次の章で完結させたいと思います

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