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集合・対決⑦

 あれからどれだけ泣き喚いただろうか……それでも状況は何一つ変わらない。

 疲れ切っているアリシアとアイダは目を覚まさないし、ドラコは未だに飛んでいった三つ首の化け物が居るであろう方向を虚ろに眺めている。

 そして……ル・リダが戻ってくることも無かった。


(外は……もう日が落ちかけてるな……)


 洞窟の中から三つ首の化け物が踏み抜いた穴を通して外を眺めるが、いつの間にやら辺りは夕暮れに赤く染まり始めていた。

 アリシア達と合流できたのは昼下がりぐらいだったはずだが、それだけの間あの化け物へ必死に対抗していたということか……もしくは泣き続けていたことになる。


(ああ……滅茶苦茶動いたからか、急に腹が減ってきた……まあこれぐらい俺は平気だけど……)


「ドラコ……お腹減ってないか?」

「……?」


 一応訊ねてみるが彼女は不思議そうに首を小首をかしげるばかりだった。


(そうだよな……返事するわけないよなぁ……だけど、この子のことを頼まれている以上はちゃんと食べさせてあげないと……)


 しかしながら俺は食事など持ってきてはいない。

 それこそここまでの道中はル・リダが持ってきたらしい簡易な保存食で俺も含めて食いつないでいたぐらいだ。

 だからこそ彼女が居なくなった今では食事すらままならない。


(回復魔法でごまかすことも出来るけど……やっぱりそれじゃあ駄目だよな……少なくともこの子の分は何とか確保しないと……それとアリシア達の分も……)


 未だに目が覚めない二人は体力的な消耗も相当だろうが、魔力も殆ど使い切っているはずだ。

 これを自然に回復させるには十分な休養のほかに栄養の補給も必須であった。


(マジックポーションさえあれば何とでもなったけど残りは僅か四本だもんなぁ……まだこの後も戦いは残っているし、少しは節約しないと不味いよな……)


 魔獣達はともかくとして、あの三つ首の化け物との戦いを考えれば戦場で魔力を補給できる手段は残しておきたい。

 そう考えると先ほど多混竜を倒した際に使い切っている俺自身の魔力も、出来るのならばちゃんとした食事と休養で回復しておくべきだろう。


(ここまで日が落ちてからでは魔獣の本拠地に……あの三つ首の化け物が居るであろう場所に乗り込むのは危険すぎる……何よりエメラさん達と合流しようにも転移魔法陣がないとどうしようもない……そしてそれを使えるアリシアがこの状態じゃ……休んでいくしかないよなぁ……)


 しかし幾ら何でも食料も何もない状態で、しかも身体を休める場所も無い洞窟の中に留まっていようとは思えなかった。

 せめてゆっくり休めて……それこそ衣食住が確保できそうな場所を考えて、幾つか候補を思いつく。


(近くの集落で休ませてもらうか……もしくはこの洞窟を引き返して首都まで戻るか……どうしたもんかな?)


 尤も掛かる時間や労力を考えれば、近くにある集落で休ませてもらったほうが良いだろうとは思う。

 それでも悩んでしまうのは、この領内における魔獣の暗躍と俺の悪評がどうなっているかが不安になったからだ。


(今まであってきた感じだと、完全に俺が全ての元凶って感じだったもんなぁ……そんな状態で意識を失っているアリシア達を連れているところを見られたらそれこそ攻撃されかねない……何より魔獣の残党がいる可能性だって零とは言い切れない……)


 今までリダ達から聞いた話を総合する限りは、この領内にいる魔獣は全てゼメツの街と王宮に集められているようではあった。

 だけれど実際に俺はゼメツの街へと向かう道中で、一体だけだがそこから逃げ出してきたであろう魔獣と出会っている。

 体調が万全ならばただの魔獣如きもはや群れであっても何とでもなるだろうが、こんな魔力が付きかけている状態では一対一でも苦戦しかねない。


 また俺に関する悪評の方も問題であり、元々信頼がなかったこともあって恐らく俺が何を言おうと話など聞いてもらえないだろう。


(何せ直接命を助けた奴らだって俺に対する不信感で最初は事情すら聞いてもらえなかったもんなぁ……だけど最終的にアリシアの両親を始めとしてあの時出会った人たちは少しは俺を信頼してくれたはずだ……そして彼らは首都に避難して、多分今も残っているはずだ……)


 そう考えれば首都まで行けば最低限休む場所ぐらい提供してもらえそうではあるのだが、そっちの問題としては第二王子であるガルフの存在がある。

 アリシアの新しい婚約者を勝手に自称していて、しかも俺に対して最後まで理解を示そうとしなかった奴……俺個人としても余り好意的には思えない相手だ。

 そんな奴がいるところにアリシアを連れて行きたくないという個人的な感情もあるが、何より厄介なのは国王も第一王子も亡くなっている今ではあの王宮は奴が主と言うことになる。


(アリシア達はともかく、下手したら俺だけ追い出せとか言い出しかねないぞ……いやドラコもかな……はぁ……)


 どっちの選択肢にも問題があるのだから困ってしまうが、それでも考え続けた俺は最終的に首都へ向かうことを選んだ。

 何せ逆に言えばアリシアとアイダぐらいならば確実に休ませてもらえるだろうし、ドラコに関してはこの見た目ではどこへ行っても受け入れて貰える場所の方が少ないだろう。

 それならば一応は面識のある人がいる王宮へと向かったほうがましだろうし、無理だとしてもアリシア達だけ休ませて俺たちは食糧だけ分けて貰って違う場所へ向かうことも出来るからだ。


(流石に第二王子が何を言おうと、他の奴らが命の恩人である俺に食料ぐらいは分けてくれるはずだ……またアリシア達と別れるのは辛いがここはもう安全だろうし、何より朝までのほんの僅かな時間だ……ガルフなんかの傍に置いて行きたくはないけど、それだって両親が傍にいるだろうから変なことにならないだろうし……我慢我慢……)


 自分に言い聞かせるように心中で呟くが、それでもあんな奴の傍にアリシアを連れて行きたくないという気持ちが次から次へと溢れ出てくる。

 だけどこれが一番正しい道だと理解している俺は、無理やりそんな感情を押し殺すと改めてアリシアとアイダを両脇に抱え込んだ。


(本当なら意識が目覚めるまで回復魔法をかけてあげたいところだけど魔力がなぁ……だけど指輪のおかげでこっちなら……)


「ヘイスト……行こう、ドラコ」

「……?」


 指輪のおかげで僅かに回復していた魔力を使い、自分とドラコに移動速度強化の魔法をかけると自分についてくるように促した。

 それでも彼女は中空を見つめたまま動かなくて……仕方なく一度二人を下ろすとドラコに向かって手を差し伸べた。


「ドラコ……頼む、協力してくれ……一緒に安全な場所へ行こう……ル・リダさんの気持ちを無駄にしないためにも……彼女の分も俺が君を守るから……だから付いて来てくれ……お願いだ……」

「……?」


 自分の元に差し出された手とかけられた言葉をどう受け取ったのか、ドラコはそれでもあらぬ方向を虚ろな瞳で眺め続けた。


(駄目か……ル・リダさん……俺はどうすれば……)


 彼女を置いていくわけにはいかず、俺はため息を吐きながら移動を諦めるとまるで助けを求めるようにル・リダが残したメモを取り出してしまう。

 もちろん幾ら眺めても書いてある文字が変わるはずもなく、むしろ胸が締め付けられるばかりだった。


(はぁ……困ったなぁ……ん?)


「……?」

「ど、ドラコ?」


 しかしそこでドラコはほんの僅かに、一瞬程度だけれど鼻を鳴らしたかと思うとメモ帳に向かって僅かに視線を傾けた。

 ル・リダの匂いが残っていたのか、それともメモ帳を渡された時のことを覚えていて反応を示しただけかもしれない。

 それでもメモ帳を持ったまま改めて手を差し伸べると、ドラコはそっと手を伸ばしこちらを握り返してきた。


「ドラコ……ありがとう」

「……?」


 相変わらず中空を見つめているドラコだったけれど、それでも俺の手をしっかりと握りしめてくれていた。

 そのまま俺はドラコに背中を向けて手を引っ張り、何とか彼女を背負うことに成功する。

 その状態で彼女の手を前に回させた上でメモ帳を自らの両手で持たせるようにすると、しっかりと握りしめて結果的に俺の身体にしがみ付く形となった。


「よし、じゃあしっかり捕まっててくれ……行くよ?」

「……?」


 改めてアリシアとアイダごとドラコの両足を両脇に抱え込んで固定させると、今度こそ首都に向かって移動を開始した。

 皆を落とさないように慎重に進みつつ徐々に速度を上げていき、最終的には全力疾走と言って良いぐらいの速度で一気に来た道を駆け抜けていく。

 来たときとは違い、もう新しく道を作る必要も無ければ敵に警戒して足を止める必要もない。


 だから何の問題も起こることもなく、俺たちは安全かつ順調に首都を目指すことができた。


(地上を走っていたら万一にも野生の魔物や魔獣に襲われないように警戒する必要があったけど……これも穴を掘ってくれたル・リダさんのおかげだな……本当に俺はこんなにお世話になっていながら結局何もお返しが出来ずに……ごめんなさいル・リダさん……そしてありがとうございます……僅かな時間でしたけど貴方のことは忘れません……ドラコのことは俺が責任をもって保護者の元へ送り届けますから心配しないでください……だからどうか遠くで見守って……いや、できれば……奇跡でも何でもいいから……どんなことをしても良いですから……生き延びていてください……っ)


 *****


 洞窟も行き止まり地上へと飛び出した頃には既に真夜中になっていた。


(だけど予想よりはずっと早く着いたな……全速力で移動してもゼメツの街から半日は掛かるはずと踏んでたんだけどな……)


 少しは俺の魔法力が鍛えられて移動能力強化の魔法の効果が上がっていたのか、それともあの三つ首の化け物に吹き飛ばされた果てに逃げるように移動した距離が相応にあったということなのだろうか。


(しかし……多分、公爵家の二人が出した指示なんだろうけど……まさか篝火を焚いておいてくれるとは思わなかったな……)


 簡易な照明代わりの篝火が洞窟の出入り口から首都へ向かう道筋に点々と配置されていて、闇夜の中を照らし出していた。

 これが洞窟への目印なのか、俺たちが夜中に戻って来てもいいように気を利かせてくれているのかはわからない。

 それでもおかげで俺は迷うことなく皆を連れて首都へと戻ることができた。


「だ、誰……れ、レイドっ!? それにその腕に抱えているのは……あ、アリシア様っ!?」

「よぉヤナッツ……少し休みたいんだが中に入ってもいいか?」


 早速一番近くにある首都への出入り口から中へと入ろうとして、そこで警備に当たっていたヤナッツから声をかけられた。

 恐らくはまともな正規兵は魔獣と多混竜のせいで既に壊滅状態であり、だからこそ唯一残っているこいつは番人をさせられているのだろう。


(この場所は洞窟に一番近いからなぁ……多混竜や魔獣の居たゼメツの街と繋がる危険な洞窟の……それを警戒してまともな訓練を受けているこいつを配属したってことかな? もしくはそこを利用していた俺の事情を知っていて……俺が戻って来ても余計な混乱を起こさずに済むから……だとしたらありがたいが……)


「くっ……ちょ、ちょっと待ってろっ!!」


 果たしてヤナッツは俺を複雑そうに睨みつけながらも追い出そうとしたり罵声を浴びせるような真似をせず、近くにいた仲間に何事か話して伝令のように王宮へと走らせた。

 その上で改めてこちらへと戻ってくると、重苦しそうに口を開き始めた。


「ま、まさか生きて戻ってくるなんて……そ、それで多混竜は全滅させたのかっ!? あの化け物はどうなったっ!?」

「普通の多混竜なら全滅させたよ……ただあの三つ首の化け物は……違う場所へ追い出すのが精いっぱいだった……」

「な、何だそれっ!? お、お前がどうやって多混竜をっ!? あ、アリシア様と協力しただろうけどそんな真似ができるはずが……」

「こんな状況で嘘ついてどうするんだよ……まあ信じる信じないは任せるが、それよりもう魔力も尽きかけてるし何より皆疲れきっててボロボロなんだ……適当な宿屋で良いから休ませてくれると助かるんだが……」


 余りル・リダのことを思い出したくなかった俺は、適当に話を切り上げてとにかく休ませてくれと主張するがヤナッツは頑として中に入れてくれなかった。


「ま、待てっ!! まだガルフ王子……いや国王陛下と公爵家の方々に許可を取っていないっ!! 現在首都……いやこの国全体が厳戒態勢にあるっ!! だから彼らの許可無しに人を立ち入らせるわけにはいかないっ!!」

「なるほど……魔獣対策ってことか……まあ無理もないな……」


 仮にも命がけで助けた相手からこんな態度を取られることに思うところはあるが、冷静に考えれば無理もない話だった。

 何せ人に化けた魔獣が陰謀を張り巡らせているのを王宮の人間達は目の当たりにしているのだ。

 そして実際に大量の犠牲者が出てしまっている以上は、警戒して新しい人の出入りに慎重になるのは当然だろう。


「はぁ……たく、仕方ねぇ……じゃあせめて食料を融通してくれ……そしたらどこか適当な場所で野宿でもするから……」

「ば、馬鹿かお前っ!? 仮にも公爵家の一人娘であられるアリシア様に野宿なんかさせるつもりなのかっ!? 何考えてんだっ!?」

「通せんぼしておいて何言ってんだが……大体アリシアは既に野宿なんか経験済みだってぇの……」


 ヤナッツの言葉に呆れてしまうが、向こうはアリシアのことは気に掛けているようで俺を睨みつけながら何度も小脇に掛けられている彼女へ痛ましそうな視線を向けていた。


(まさかお前もアリシアを……まあ美人だし格好良くて、男女問わず人気者だったもんなぁ……こういう嫉妬もあって俺は疎まれていた面もあったんだろうなぁ……)


 案外ヤナッツは俺と言う婚約者がいなければ自分もアリシアの彼氏候補になれたかもしれないという期待でも抱いていたのかもしれない。

 或いは軍学校の試験を受けたのも俺がアリシアに言われているのを知った上で、当てつけのようなものだったとすれば……未だに俺を見下出そうとしている気が分からなくもない気がした。


「なっ!? お、お前っ!? アリシア様を連れ出すだけじゃなくてそん……っ!?」

「や、ヤナッツさんっ!! 公爵家の人達はレイド御一行を王宮まで通してくれってっ!! そ、それも失礼のないようにってっ!! だ、だから……」

「はぁっ!? だ、だがガルフ様はっ!? あの方がレイドを通せって言うわけがないだろうがっ!?」

「い、いや確かに良い顔はしていなかったけど……反対もしてなかったから……な、何よりアリシア様が居るなら仕方ないって……」

「……通っていいんだな?」


 そこへ伝令に走った奴が戻って来て、こちらを困惑した様子で見つめながらも大声でそう伝えてくる。

 それでも何か言いたげなヤナッツだったが、早く休みたかった俺はもう無視して強引に中へと入ってしまおうとした。


「ちぃ……あぁっ!? ま、待てレイドっ!? お前その背中に背負ってるのは魔獣じゃないのかっ!?」


 しかしすれ違いざまに背負っているドラコとその特徴に気づいたヤナッツは、慌てて俺の前に回ると手に持っていた槍を突き付けてきた。


「あぁ? 今更何言ってんだヤナッツ……この子は魔獣じゃない……大体、お前を助けた時にも洞窟に居ただろ? 忘れたのか?」

「う、うるさいっ!? その特徴はどう見ても魔獣じゃないかっ!? そんな化け物みたいな奴を中に入れられるかっ!! さっさと始末し……ひっ!?」


 ドラコを……俺の仲間を侮辱するようなことを口にしたヤナッツを本気の殺意を乗せて睨みつけて黙らせる。


「……うるさいのはお前だ……俺の仲間をそれ以上侮辱してみろ……真っ先にお前を始末してやる……っ」

「あ……ぅ……っ」

「れ、レイド……お、お前……れ、レイド……だ、よな……っ?」


 途端に顔面蒼白になり腰を抜かすヤナッツに対して、伝令係であった首都に住んでいるであろう噂でしか俺を知らない男は威圧されながらも困惑気味に俺を見つめてくる。

 恐らくこの差は実際に俺が戦っているところを見ているかどうかなのだろう。


(だけどそんなの関係ない……彼に誰であれ、俺の仲間を侮辱する奴は許さない……それこそ仮に相手が王族であっても……)


 そう思いながらチラリと王宮へと視線を投げかけたところで、そこから誰かが歩いてくることに気が付いた。

 それがアリシアの母親だと気づいたのは、彼女がすぐ傍まで来て口を開いてからだった。


「何を騒いでいるのですかっ!! あれほど素直にお通ししなさいと申し上げたはずですよっ!!」

「うぅ……し、しかし……こ、こいつは背中に魔獣を……」

「レイド様には何か考えがあるのでしょう……何よりも実際に私たちとアリシアを助けてくださった方に文句をつけるおつもりですかっ!?」

「そ、そう言うわけでは……」


 アリシアの母親は厳しい口調でその場にいた二人を叱咤したかと思うと、改めて俺に向き直り頭を下げた。


「約束通りアリシアを助け出してくださって言葉もありません……さあ、どうぞ王宮まで案内させていただきます」

「あ、ありがとうございます……」


 かつてとは一転して丁寧な態度で接してくる彼女に、むしろ困惑してしまいながらもとにかく早く休みたかった俺はその後ろをついて歩くのだった。


「お礼を申し上げるのはこちらです……本当に無事にアリシアを助け出してくださって……公爵家としても母としても感謝しております」

「……それぐらい当然ですよ……アリシアは俺にとっても大切な……いや、今はそれより彼女たちを休ませてあげたいので先に宿へ向かっても……」

「その心配には及びません……ガルフ様と話し合ったところ、皆様を王宮の一室で休んでいただくよう承っておりますから……そこで今晩はゆっくりと休んで改めて何が起きているのかの説明をしていただきたいのです……この手紙も含めて……」

「えっ!?」


 そこでアリシアの母親は一枚の手紙を取り出して見せた。


「こ、これはっ!?」

「私は詳しくありませんが、王宮の一室にある魔法陣の敷かれている部屋の管理人が持ってきたものです……宛先にレイド様の名前が書かれておりましたのでお渡しいたしましたが、送り主の一人であられるエメラ様は確か白馬新聞社の記者であった方だと記憶しておりますが……」

「っ!?」


 慌てて手紙を受け取ろうとして両手が塞がっていることを思い出した俺を気遣うように、彼女は差出人の名前が見えるよう手紙の裏を見せてくれる。

 すると確かにそこにはエメラの署名と……並ぶようにしてマキナ、マナ、それにトルテとミーアと言った仲間たちの名前が記されているのだった。

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― 新着の感想 ―
[一言] ドラコも本当にル・リダには懐いていたのだなあ。 とりあえず、前回受け入れてもらっていたのがここになって効いてきた。向こうではみんな合流できたみたいね… 手紙には何が書かれているのか。良いニ…
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